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大晦日 48

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和気あいあいとお喋りして過ごす時間の早さ……本来なら除夜の鐘を打ち始める時間になった。
ヨイショとばかりにキャスバルお兄様の胸に手を付いて体を離す。
タマとトラジもサッ!と離れて足元に立って私を見てる。

「エリーゼ?」

「ん。あのね、キャスバルお兄様。私、ルークの隣に座りたいの」

ちょっと険しくなったお顔のキャスバルお兄様。
そんなお顔してもダメですよ。
ソロリと立ち上がりルークの真横へと移動する。
ルチルを抱っこしてるノエルを抱いているルークは何だか可愛いな……と思いながら座る。

「後少しで爆破シーンだから隣に来たの」

キョトンなルーク。しまった!ルークは見てないのか!抜かった!私は一人で酒盛りしながら見てたんだけどな(笑)
で、遠くから聞こえる鐘を聞きながら笑い納めしてトロトロ微睡んでベッドに潜り込む。
最後の日くらい大目に見て欲しい!と後片付けもせず寝る。贅沢な気分を味わって寝るのだ。
考えてみれば前世の贅沢って今世の贅沢とは違いすぎて涙目。
今世は飲みっぱなしでもメイドとかが片付けてくれるし、用意自体も使用人やメイドに料理人が全部やってくれる。
自動化とか機械とか便利なサービスの代わりにオール人力なのよね。
いや、魔法っていう便利でチートなパゥワがあるのだけど。

「爆破シーン?」

「あー……笑っては……」

聞かれたのでちょっとだけ答える。

「ああ!なる程な!もう、そんな時間か!飲みながら一狩りして年越ししてたからな。勿論垂れ流しでちょいちょい聞きながらやってたから分かる!」

……オンラインで一狩りか……しかもゲーム用と民放用と複数台持ちだったのか……

「垂れ流し?」

困ったように笑って誤魔化すのかな?

「あー……妹はガッツリ見てた。何か松×浜尊いとか言って……」

目を泳がせながら言ったセリフに撃ち抜かれる。

「松×浜……だと?ガチか……」

その昔、一部熱狂的なファンが薄くて熱い同人誌出してたし何故か家(前世の家)にもかなりの量があった。
母さんのコレクションの一部だった。

「分かる……のか?」

私を凝視しながら呟くルークは明らかに狼狽していた。

「家にあったわ。勿論、読破済みよ」

「おぅふ……」

片手で顔を隠すルーク……そんなリアクションも格好いいとかイケメンズルイ!ですね。いえ、ファンは眼福!なのでしょうね。
私も眼福!って思ってますよ!
イケメンって良いよね!何しても格好いいんだもん!
アイドルよりも格好いいからドキドキしちゃうよ!
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