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大晦日 47

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でも、新年にうちに来る連中は既に領都入りしてあちこちの宿屋に泊まってるんだよね。
領都で観光とかあるのかな?これが前世なら港街でお買い物ツアーとか楽しめるかもだけど、観光資源あるのかな?……無さそう!まだ前世の料理とか広まってないかもだし、本格的なのは年明けからだよね?
あー……こんな事ならサテュロスゲットの旅に出る前にお料理教室とか開いて貰えば良かった!そうすれば領都の観光資源になったかもなのに!
バカバカバカ!考え足りてなかった!

「どうした?いきなりしょげて」

キャスバルお兄様の優しさが痛い……

「大した事じゃないの……ジムに教えた料理を広めて貰えば良かったなって……」

凹んだままボソボソと話す。

「あら?それなら私の方で話しを進めて、ジムにエリーゼの発案した料理を教えるようにしたわよ。多くの料理人や領都の宿屋や料理人が来て大変だったのよ」

「本当なのお母様!」

即レスしちゃったわよ!

「ええ、本当よ。だから心配しなくても良いのよ。所で観光資源って何かしら?」

説明しなきゃなのね……

「えーと……コホン。説明しよう!観光資源とは言わば、住む場所とは違う場所へ行く事を指す!目的は主に遊ぶ事を指し、食事や娯楽等の事であ~る。」

ドヤ!と胸を張ってみる。「あ~る。とか……」呟きながらクックッと笑うルークをちょっとだけ睨む。

「あら。じゃあ、領都に食事目当てで来るのが観光になるのかしら?」

「はい、お母様。その通りです。そうですね……温泉のあった場所、覚えてらっしゃいますか?」

「ええ、覚えてるわ。寒い時期は行きたくなるわね」

「はい。あれも立派な観光です。私はもっと大勢の方が領都に来て来れればと思ってます。ただ、簡単に行き来出来ない事は分かります。でも、ある程度の方達には一度は領都に来て楽しい思いをして欲しい。その為に出来る事があるのではないかと……」

「そうねぇ……」

お母様が言葉を濁してしまった……娯楽が無いってのは分が悪いよね……遊園地とか作るのも、アレどうやってるのか良く分からないんだよね……メリーゴーランドとかなら作れるかも知れんけど、いまいち分からないんよ……

「エリーゼの気持ちは分かった。だが焦る事は無いだろう?」

お父様……

「そうそう。これからだろう?明日の新年のお祝いが済んでからだよ」

キャスバルお兄様……

「明日のご馳走食べてからでも遅くないって」

……トールお兄様ェ……

「年明けて落ち着いてから煮詰めた方がベストだろ。だから難しい顔は終わり」

ルークの言葉にフッ!と息を吐いて力を抜く。

「分かった。年明けてからにする」

「新年は新年で楽しまないと!」

「そうね」

クイクイと手でやんわりカワイコちゃん達を押し返す。
だって暑くなってきたのだもの(笑)
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