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大晦日 44

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「お米とイチゴだけなのか?」

ん?ルークから質問来ましたよ。

「何で?何か作って欲しい物があった?」

「果樹を増やさないのかな?と思って。それに砂糖の原料の事もあるし……砂糖が沢山作れればラムも作れるだろうし、芋……サツマイモが作れれば焼酎も……」

「それ以上言うんじゃない!」

思わず止めましたよ!クッ!酔っぱらいめ!

「新しいお酒が増えるのは良い事よ」

オーウ!お母様が嬉しそうでーす!

「ラムならきっと夫人も好きになると思いますよ。所でエリーゼは貴腐ワインにはトライしないのか?」

「次から次へとぉ!その内やるわよ!私も飲みたいわよ!貴腐ワイン!」

思わず猛ってしまった……

「エリーゼ、落ち着いて。所で貴腐ワインって何だい?」

ほらぁ!キャスバルお兄様が食い付いたぁ!

「ワインの一種です。説明はその内」

もう、やだ!面倒くさい!プイッと横を向く。

チュッチュッと音が降って来る。

「エリーゼ、機嫌を直して」

そんな甘い声で何言ってるのよ!
……音はまだ止まない……

「怒った顔も可愛いな……」

ヒエ……キャスバルお兄様の呟きが何だか怖い……
おかげで頭へのキスが止んだけど。

「……キャスバル。そろそろエリーゼを帰してくれないかな?」

おっ!ルークがキャスバルお兄様に物申しましたよ。

「嫌だね」

即答ですか!ギュウって腰に回れた手に力が入ったわよ!
また、チュッチュッしてきたよ……

「どうせ後半年もしたら独り占めするつもりだろうしな、簡単に渡すものか」

ここに来てシスコン拗らせまくってるじゃないの!いや、私もブラコン拗らせてるけど!

「くそ……シスコンめ……」

あっ!ルーク!言ってはならない言葉を!

「シスコン?何を言ってるのか良く分からないな。だが、俺の可愛いお姫様をかっ攫って行くんだから覚悟してるんだろう?」

「勿論だ!」

えー……男二人で何か火花散らしてらぁ……

「エリーゼは愛されてるわねぇ」

「ええ、全く。」

お祖母さまとお母様の呑気な会話が火花を消しに掛かって来ました。

「ハインリッヒは一人っ子だから初めてねぇ」

「お義母様、まだまだこれから賑やかになりますものいつまでもお元気でいらっしゃらないと」

「本当ね」

……嫁と姑の会話だけど、平和なトーク内容なんだけど……
うん、お祖母さまには長生きして欲しい。
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