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大晦日 41

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「エリーゼ、シルヴァニア家は知略だけじゃなく皇室の安全や安定を担ってるんだ。肉弾戦になってもシルヴァニア家の女性達は相当強い。エリーゼも思い当たる節があるだろう?」

ルークのフォローがストンと落ちて来た。
そうだわ、お母様ったらお父様に脇腹パンして沈めた事あったわ。

「そうだな。フェリシア嬢ならば並の男なら撃沈出来るだろう」

お祖父さまがチラチラとお母様を見て言ったわよ!お祖父さまのお墨付きなの?

「まぁ!お義父様ったら、嫌ですわ。フフフ……」

「まぁ、貴方ったらホホホ……」

ヒエッ!お母様とお祖母さまが二人して何やら黒い笑顔で笑ってる……
どうなってる我が家の女性陣!

「……おっかねぇ……」

ルークの小さな呟きが私のハートに響きます。
そこは激しく同意ですよ……おっかねぇのはお母様だけじゃなくてお祖母さまもでした。
それにしても独立とか……不敬だとは思わないって事は何かしら思う所があるって事か……うん、まぁ私が婚約破棄されたしね。
私が思い当たる節って、私が婚約してたからこそのあれやこれやだろうけど……私が知ってる以上のあれやこれやがあるのかしら?

「エリーゼ。王家の繁栄は我が家の助力あっての事だったんだよ、それを馬鹿みたいな手で潰した第三王子の所業は簡単に許される事じゃない」

キャスバルお兄様の声が降って来る。

「でも、ジークフリートは殿下には私の大切なお友達が嫁いでいるのよ。二人とも、ずっと一緒に話し合い手を取り合って支え合った友人なの」

アンネローゼ……ミネルバ……二人の顔がよぎる。

「キンダー侯爵令嬢とロズウェル伯爵令嬢の事だね。エリーゼの友人であれば、その人格や品位は良いと分かる。たとえ独立してとしても友人関係であれば王家の利にはなっても損にはならないだろう?」

キャスバルお兄様の言う通りだわ。でも、独立か……私とルーク以外は頭の何処かにあったって事なのかしら?お父様やお兄様達じゃなくてお祖母さまからってのが意外だったけど。

「エリーゼは歴史もお勉強してたから知ってるだろうけど。公国だった頃からずっとお付き合いのあったギョーム公爵家では、シュバルツバルト家はそれはそれは大切な家でね……私が生まれてすぐに婚約を結んだのよ。いついつまでも縁を繋げていたいとお父様もお母様も望んでいたから。私もシュバルツバルト家に嫁ぐ事をずっと夢見ていたのよ……」

お祖母さまの優しい眼差しがお祖父さまに注がれる。
それに気付いてほんのりと頬を染めるお祖父さま……マジか!
あのお祖父さまが照れとる!
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