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大晦日 32

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コテンとキャスバルお兄様の胸に頭を倒す。

「私をこんなにも甘やかして下さるのはキャスバルお兄様だけよ」

トクトクとお兄様の心臓の音を聞く。
小さな頃からこうやって甘やかしてくれるお兄様。

「当たり前だろう、エリーゼは俺の可愛いお姫様だからな。誰が何と言っても、この場所を簡単には譲れないな」

甘ったるい雰囲気に甘ったるい声。ここだけ見たら、兄妹には見えないかも……禁断の兄×妹的なビジョンだわ……声も魔法科高校のあの兄妹に丸被りだからちょっと想像しちゃうよね!……続き読みたかった……残念。

「頑張らんとな……」

ルークのぼやきが聞こえたけど、気にしません!

「ボクもだっこされたいにゃ!」

「ボクもにゃ!」

タマとトラジです。

「良いよ、おいで」

何と!キャスバルお兄様よ、本気かね?

「エリーゼ、ちょっとゴメンね」

え?ヒョイと私の足が上げられ、キャスバルお兄様の両足に乗っていたはずが片足になりました。でも、安定感に変わりはありません!
ソワソワしてる、タマとトラジが外空いた片足に並んで座りキャスバルお兄様の腕に抱かれてます。

「おそろいにゃ!」

「ご主人とおそろいにゃ!」

タマとトラジもニコニコですが、チラっと見たキャスバルお兄様の笑顔が黒いです。

「エリーゼもエリーゼのお供もこんな風に腕に囲めるのは俺だけかな?」

……そろ~っとお父様を見る。
泣きそうな顔してこっち見てました!こっち見んな!じゃなくて、なんで泣きそうなのよ!

「ホホホ!貴方ったら何て顔なさってるの!仕方がないでしょう、キャスバルはエリーゼが生まれた頃からあんな風に甘やかしてたんですもの。それに貴方はエリーゼが小さな頃からお忙しかったでしょう。エリーゼがあんな風になったのは致し方ない事でしてよ」

ん?お母様よ、どういう事かね?

「小さな頃から常に誰かと一緒に居たがったエリーゼが、エリーゼを猫可愛がりしたキャスバルにうんと甘やかされたのは寧ろ良かったのですよ」

そうなんだ……

「分かってるが、タマとトラジまで……」

そこかぁ!お父様め!メンタル疲れまくってるのか!どんだけ癒されたいんだ!

「ホホホ!贅沢は言うものではなくてよ!あの子達はエリーゼのお供でしてよ。エリーゼの側にいたいに決まってるでしょう」

「俺も抱っこしたい……」

「なら、ワタシをだっこするコン!」

まさかのリコがトテトテとお父様の近くに行った!
お父様がデレデレな顔でリコを抱き上げました!
リコがペロペロとお父様の顔を舐めてます。お父様、お喜びです!
リコの涎でびちょびちょになると思う……あら?何でリコはお父様の口の周りしか舐めないのかしら?
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