上 下
367 / 1,415
連載

大晦日 27

しおりを挟む
帝国かぁ……どんな所だろ。勉強して大体の歴史とか貴族とか領地とか特産品とか、公になってる情報は知ってるけど近所の美味しい店とかは分からないんだよね。
ただシルヴァニア領は何だか日本ぽいのよね。着物があったりとか……
そういや、シルヴァニア領からお着物作る職人集団来てるけど一緒に帝国に向かう事になるのかな?
帝国からもお客様が来るから、一緒に向かうのかな?
お父様が一緒なら一番隊が同道するし……ん?ルークは四番隊隊長になるから、一番・四番の両隊が同道か……それならたとえ大型が出ても安心ね。
ふふっ……長旅になるから、侍女や料理人も一緒かなぁ?
帝国にどんな出会いがあるか期待に胸がワクテカだわ!

「帝国の事考えてる?」

「ふふっ分かった?」

「分かるよ。凄いニヤニヤしてた」

ニヤニヤ……

「そんな顔してた?」

「パッと見分からないだろうけどな」

……ルーク……意外と見てるんだな……

「意外」

「ん?そうか?ちゃんと顔は見てないとダメだろ?結構出るよな……感情がさ」

「それって前から?」

気になる……

「前からだね。口では何とでも言えるけど、目がね……やっぱりちゃんと顔見てないと気が付かないでしょ」

やり手かも……若かったような事言ってたけど、コミュ力高めだったんだな。

「そうね。ちょっと意外だったわ……今時の若者らしくお付き合い薄目なのかと思ってた」

「まぁ……じゃないと社会人としてダメでしょ」

社会人としてとか言ったわ……世の中ダメな社会人多かった気がするんだけど(笑)まぁ、今世には関係無いか……いや、全く関係無い訳じゃないわね。
きちんと周りを見ずに育った残念な王子様知ってた!

「今時は社会人とは言わないけどね」

「そうだな!」

ハハハ!と笑ったルークと一緒にフフフと笑う。

「楽しそうねぇ」

お祖母さまが朗らかにクスクスと笑いながら入って来る。

「はい!お祖母さまは何かお気に召した物がありますか?」

ニコニコ顔のまま首を傾げる。
お祖母さま可愛いなぁ……

「そうね……」

「儂はこの当たり目と辛口ギンジョーが気に入ったぞ!」

お祖父さまよ……お祖父さまには聞いておらん!

「ホホホ……エリーゼは私に聞いたのですよ」

ギラリとお祖母さまの目が光った気がした……!

「お……おお、すまなかった……」

クスクスとお祖母さまとお母様が笑い合う。
お二人を見て、私も笑い合う。
しおりを挟む
感想 5,615

あなたにおすすめの小説

【完結】失いかけた君にもう一度

暮田呉子
恋愛
偶然、振り払った手が婚約者の頬に当たってしまった。 叩くつもりはなかった。 しかし、謝ろうとした矢先、彼女は全てを捨てていなくなってしまった──。

いつか彼女を手に入れる日まで

月山 歩
恋愛
伯爵令嬢の私は、婚約者の邸に馬車で向かっている途中で、馬車が転倒する事故に遭い、治療院に運ばれる。医師に良くなったとしても、足を引きずるようになると言われてしまい、傷物になったからと、格下の私は一方的に婚約破棄される。私はこの先誰かと結婚できるのだろうか?

(完結)嘘をありがとう

七辻ゆゆ
恋愛
「まあ、なんて図々しいのでしょう」 おっとりとしていたはずの妻は、辛辣に言った。 「要するにあなた、貴族でいるために政略結婚はする。けれど女とは別れられない、ということですのね?」 妻は言う。女と別れなくてもいい、仕事と嘘をついて会いに行ってもいい。けれど。 「必ず私のところに帰ってきて、子どもをつくり、よい夫、よい父として振る舞いなさい。神に嘘をついたのだから、覚悟を決めて、その嘘を突き通しなさいませ」

愛しの婚約者に「学園では距離を置こう」と言われたので、婚約破棄を画策してみた

迦陵 れん
恋愛
「学園にいる間は、君と距離をおこうと思う」  待ちに待った定例茶会のその席で、私の大好きな婚約者は唐突にその言葉を口にした。 「え……あの、どうし……て?」  あまりの衝撃に、上手く言葉が紡げない。  彼にそんなことを言われるなんて、夢にも思っていなかったから。 ーーーーーーーーーーーーー  侯爵令嬢ユリアの婚約は、仲の良い親同士によって、幼い頃に結ばれたものだった。  吊り目でキツい雰囲気を持つユリアと、女性からの憧れの的である婚約者。  自分たちが不似合いであることなど、とうに分かっていることだった。  だから──学園にいる間と言わず、彼を自分から解放してあげようと思ったのだ。  婚約者への淡い恋心は、心の奥底へとしまいこんで……。 ※基本的にゆるふわ設定です。 ※プロット苦手派なので、話が右往左往するかもしれません。→故に、タグは徐々に追加していきます ※感想に返信してると執筆が進まないという鈍足仕様のため、返事は期待しないで貰えるとありがたいです。 ※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。

私が出て行った後、旦那様から後悔の手紙がもたらされました

新野乃花(大舟)
恋愛
ルナとルーク伯爵は婚約関係にあったが、その関係は伯爵の妹であるリリアによって壊される。伯爵はルナの事よりもリリアの事ばかりを優先するためだ。そんな日々が繰り返される中で、ルナは伯爵の元から姿を消す。最初こそ何とも思っていなかった伯爵であったが、その後あるきっかけをもとに、ルナの元に後悔の手紙を送ることとなるのだった…。

完結 婚約破棄は都合が良すぎる戯言

音爽(ネソウ)
恋愛
王太子の心が離れたと気づいたのはいつだったか。 婚姻直前にも拘わらず、すっかり冷えた関係。いまでは王太子は堂々と愛人を侍らせていた。 愛人を側妃として置きたいと切望する、だがそれは継承権に抵触する事だと王に叱責され叶わない。 絶望した彼は「いっそのこと市井に下ってしまおうか」と思い悩む……

溺愛されていると信じておりました──が。もう、どうでもいいです。

ふまさ
恋愛
 いつものように屋敷まで迎えにきてくれた、幼馴染みであり、婚約者でもある伯爵令息──ミックに、フィオナが微笑む。 「おはよう、ミック。毎朝迎えに来なくても、学園ですぐに会えるのに」 「駄目だよ。もし学園に向かう途中できみに何かあったら、ぼくは悔やんでも悔やみきれない。傍にいれば、いつでも守ってあげられるからね」  ミックがフィオナを抱き締める。それはそれは、愛おしそうに。その様子に、フィオナの両親が見守るように穏やかに笑う。  ──対して。  傍に控える使用人たちに、笑顔はなかった。

石女を理由に離縁されましたが、実家に出戻って幸せになりました

お好み焼き
恋愛
ゼネラル侯爵家に嫁いで三年、私は子が出来ないことを理由に冷遇されていて、とうとう離縁されてしまいました。なのにその後、ゼネラル家に嫁として戻って来いと手紙と書類が届きました。息子は種無しだったと、だから石女として私に叩き付けた離縁状は無効だと。 その他にも色々ありましたが、今となっては心は落ち着いています。私には優しい弟がいて、頼れるお祖父様がいて、可愛い妹もいるのですから。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。