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大晦日 27

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帝国かぁ……どんな所だろ。勉強して大体の歴史とか貴族とか領地とか特産品とか、公になってる情報は知ってるけど近所の美味しい店とかは分からないんだよね。
ただシルヴァニア領は何だか日本ぽいのよね。着物があったりとか……
そういや、シルヴァニア領からお着物作る職人集団来てるけど一緒に帝国に向かう事になるのかな?
帝国からもお客様が来るから、一緒に向かうのかな?
お父様が一緒なら一番隊が同道するし……ん?ルークは四番隊隊長になるから、一番・四番の両隊が同道か……それならたとえ大型が出ても安心ね。
ふふっ……長旅になるから、侍女や料理人も一緒かなぁ?
帝国にどんな出会いがあるか期待に胸がワクテカだわ!

「帝国の事考えてる?」

「ふふっ分かった?」

「分かるよ。凄いニヤニヤしてた」

ニヤニヤ……

「そんな顔してた?」

「パッと見分からないだろうけどな」

……ルーク……意外と見てるんだな……

「意外」

「ん?そうか?ちゃんと顔は見てないとダメだろ?結構出るよな……感情がさ」

「それって前から?」

気になる……

「前からだね。口では何とでも言えるけど、目がね……やっぱりちゃんと顔見てないと気が付かないでしょ」

やり手かも……若かったような事言ってたけど、コミュ力高めだったんだな。

「そうね。ちょっと意外だったわ……今時の若者らしくお付き合い薄目なのかと思ってた」

「まぁ……じゃないと社会人としてダメでしょ」

社会人としてとか言ったわ……世の中ダメな社会人多かった気がするんだけど(笑)まぁ、今世には関係無いか……いや、全く関係無い訳じゃないわね。
きちんと周りを見ずに育った残念な王子様知ってた!

「今時は社会人とは言わないけどね」

「そうだな!」

ハハハ!と笑ったルークと一緒にフフフと笑う。

「楽しそうねぇ」

お祖母さまが朗らかにクスクスと笑いながら入って来る。

「はい!お祖母さまは何かお気に召した物がありますか?」

ニコニコ顔のまま首を傾げる。
お祖母さま可愛いなぁ……

「そうね……」

「儂はこの当たり目と辛口ギンジョーが気に入ったぞ!」

お祖父さまよ……お祖父さまには聞いておらん!

「ホホホ……エリーゼは私に聞いたのですよ」

ギラリとお祖母さまの目が光った気がした……!

「お……おお、すまなかった……」

クスクスとお祖母さまとお母様が笑い合う。
お二人を見て、私も笑い合う。
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