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大晦日 15

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やり切った!そう思える一品……いや、逸品が出来た……気がする。
私はやってなかったけど、映えるという事を意識したデザート……甘味を作っていくのも大事な事だと思うのよ!
今までだって……

「ねぇ!エリーゼ!これで完成なのよね!お母様、もう我慢の限界よ!」

しまった、うっかり自分の世界に入り込んでしまった……笑顔でお母様を見ながらお皿を一枚差し出す。

「勿論ですわお母様、大変お待たせ致しましたわ。是非ともお母様お気に入りのアンコと合わないか味見して下さいませ!」

ご機嫌です!今日一の笑顔です!
パーラーメイドが恭しくお皿を受け取り、お母様の前に置き新しい紅茶を淹れなおす。
お祖母さまとルークの前にも置かれ、ジムはゴツイ見た目に反してホゥ……と吐息のような感嘆を漏らした。

「ジム、持って行くんでしょう?」

「はっ……はいっ!では失礼致します……」

久し振りに緊張するジム見たわ。
……お皿持つ時、ゴクリって聞こえたわ(笑)
ただね……ジムがサロンから出る時と言うか、出た後のパーラーメイドの目が鬼怖かったです。うん、絶対食べれないって思ってるよね?
収納からちょっとだけ小さいお皿を出してスプーンで私の目の前にあるお皿から少しずつ分けていく。
……このパーラーメイドって、何て名前だっけ?最近入ったようだけど、良く知らないや。

「私にもお茶を下さるかしら?」

いまだ扉を見つめていたパーラーメイドに声を掛ける。

「申し訳ありません!」

サッと動いて熱いお茶が淹れられる。
勿論、私だけでなくお祖母さまとルークもだ。

「ありがとう、貴女も少し味見して頂戴」

ズイッとパーラーメイドに少しずつ分けたお皿を差し出す。
ズシャアァァ!って効果音が付きそうな勢いでパーラーメイドが跪き……違った!土下座スタイルになったかと思ったら「お嬢様のお情け尊い……」と呟いた後。

「ありがとうございます!」

と叫び立ち上がるとお皿を電光石火の如く受け取るとガツガツと一気食いしました。
……うん、どっかの令嬢の筈だけどなり振り構わず食したね……
もし誰かが懸想してたら一気に冷めるレベルですよ、お嬢さん……アラフォーの私がちょろっと出てしまいました。

「さすがご主人にゃ……」

私の邪魔にならないように、サッと離れて見ていたカワイコちゃん達。
その中でトラジがプルプルと震えながらの発言。
タマも震えてましたが、何も言わずしまいでした。
……カワイコちゃん達にも何か食べさせたいわ!
収納を呼び出してザーッと見る。
……フフッ……うちのチビナビちゃんは優秀よ……
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