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大晦日 7

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「これスゴイピカーッッ!!」

「ビリビリきたピカーッッ!!」

突然の絶叫です。煩いよ、雷ネズミ(笑)
チラリと見れば、二匹共お口から小さくて赤い先っちょ見えてます。
出来心で小鍋で天ぷらにしたジョロキアとかいう唐辛子です。
私、鷹の爪以外の唐辛子は口にしないようにしてるので辛さの度合いは良く分からないのよね。
ナビさん曰く、かなり辛いのでピカ太郎は喜ぶと思うって言われただけです。
それにしても、ゴボウのかき揚げ美味しいです。パリサク、最高!
ルークは小柱とアスパラ食べてます。小柱、甘くて良いよね!丸鳥の焼いたやつもわさび醤油で食べるとお酒欲しくなっちゃうな!ってお父様とお祖父さまはやってるけどね。
それにしても……意外と好みがバラけてるのかな?お祖母さまは白身魚やエビ、青じそにシシトウなんかがお気に召したようだし。
お祖父さまは酒の肴としてかき揚げ全種とナス・ピーマンと焼き丸鳥をガンガン食してる。
お父様とお母様とお兄様達はアレコレ色々食べてるし、ルークもバランス良く食べてる。
さすがに天ぷら多過ぎかと思ったけど、お父様とお祖父さまとお兄様達が順調に食べ進めてます。
さて、私はそろそろご馳走様……じゃなくてデザートタイムです。
控えている執事長にチラリと目配せをすると、軽く頷き静かに食堂から消える。
デザートタイムよ!
私の様子に気がついたのかお母様の目がキラキラしてきました。
お母様と目を合わせてニコニコすると、お母様もニコニコしだしました。そしてお祖母さまも気が付いたのかお祖母さまもニコニコしだします。
女三人、既に食事の手は止まってますからね。

「お待たせ致しました」

そう執事長が言いながらお祖母さま➡お母様➡私の順に置いていったお皿の上には型抜きされたフルーツゼリーと三粒の赤くて小さな天ぷら……梅の甘露煮の天ぷらです。
前世の私がお爺ちゃんに連れて行って貰った鯉料理店で出たデザートで、お爺ちゃんが亡くなってから毎年作ってた梅の甘露煮。
いわば思い出の味だけど、ほんのり甘酸っぱくて好きな味でこの世界でも知って貰いたかった。

「あら?これも天ぷら?」

「ええ、お母様。梅の甘露煮の天ぷらですわ。種がありますから、お行儀が悪いですけど種は吐き出して下さい」

私の言葉を聞いてパクリと半分だけ囓り、大きく目を見開くと残りのもお口に含みソッと吐き出したお母様は笑顔で私を見て「とても美味しいわ」とすぐさま二粒めを食べて……三粒めも食べてしまいました。
残念そうなお顔で私を見たので、私は笑顔で言っておきます。

「お父様がお腹いっぱいなら頂けるんじゃないかしら?」

お母様はニッコリ笑って「そうね」とだけ言ってました。
うん、お父様。明日の平和の為にもお母様に梅の甘露煮の天ぷらあげてね♡
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