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年越し準備! 58

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キョロキョロと見回してもキャスバルお兄様もトールお兄様も見当たりません!マップで確認すると離れた場所で大勢の人に……多分領主隊隊員に囲まれてるようです。
アカン……もう、逃げられない……
あっ!お母様とお祖母さまがコンロに向かって行った!
絶体絶命のピンチです!

「よ……よよ酔ってるよ……」

一応言っておく。どうしよう、好きな人が酔っててこんな状態とか対処法知らないのに!

「酔ってないよ。ちゃんと見て、ほら赤くなってないでしょ?」

どこの世界にデコくっつけて、顔見てなんて言う人いるの!?心臓バクハツしそうなんですけど!

「ムリ……ムリムリムリ!そんな近くとかムリッ!」

「可愛いなエリーゼは。」

酔ってるルークは攻撃力と破壊力がマシマシです!ど……どうすれば、このピンチから抜け出せれるのか!
チラッと見たカワイコちゃん達はカワイコちゃん同士で仲良く食べたり、ジュース飲んだりしてます。(ノエルはトラジと一緒に解放しました。)しかもあろうことか、カワイコちゃん達の会話は私達がくっついてる事を喜んでるんです。
とても助けてくれそうに無いです。ただピカ太郎だけがテーブルの上にいるルチルを心配そうに見てます。
とりあえずルチルは解放するべきでしょ!

「ちょっと、ルーク。ルチルを皆の所に返してあげよう。」

離れないルークに抗うのは止めにしました。
スッと片手を伸ばしてルチルが抱えていた一升瓶を取り上げてタライに戻す。

「ルチル、ありがとな。」

「もう、イイピカ?」

「良いよ。よっ……と、ピカ太郎も待ってるしな。」

「にいに!」

ルチルが嬉しそうにピカ太郎の元へ駆けて行きました。

「エリーゼは優しいな。でも、これで心置きなく二人で飲めるな。」

ウヒャアアァァァア!
耳たぶ甘噛みしながら言ってきたぁ!

「ちょっ!ダメェ……」

「ねぇ、そんな可愛い声でそんな可愛いコト言ってどんだけ俺の事煽れば満足するの?」

フルフルと首を振って拒否してみる。ヤダ……首筋に息とか掛かって感じちゃうっ!

「ね……止めて……」

涙目になっちゃう!

「イジメたい訳じゃないよ。でも、こんなに可愛かったら我慢するのも大変だって分かる?」

分かんないです!てか、我慢は私もしてますから!

「ルーク様、エリーゼ様にくっつき過ぎですよ。」

私の救世主現る!アニスが来てくれましたぁ!
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