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年越し準備! 52

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実に素直なジムの視線に笑ってコップを収納から出して日本酒の温燗を注ぐ。
コトリとジムの方に置いて、小皿も差し出す。

「せっかくだし、味見してったら?」

再びゴクリと喉がなった。キョロキョロと視線を彷徨わせるけど、挙動不審でしょ(笑)
でも、すぐに視線を戻してヒタとコップ酒を見つめた。

「お嬢、頂きます。」

ペコリと頭を下げてタコブツ一個をわさび醤油につけて、口の中へと放り込んだ。
わさびの辛さに顔をしかめたけど、ブツブツッとタコの繊維を噛み切るうちにタコの甘さを感じてきたのだろう顔が徐々に緩んできた。
ヒョイとコップ酒を持ち、コクリと流し込む。
一瞬目を見開いて、考えるように目を閉じる。

「はーーっ……」

閉じてた目が開き、チラと私を見据える。

「美味しかった?」

残ったタコブツ一個をわさび醤油につけて食べてしまう。
美味……やっぱり、前世日本人だとわさび醤油で食べる魚介類は日本酒ですよね!とか思っちゃう。
調理法でオリーブオイルで炒めちゃうやつならワインなんだけどな……って思いついたら食べたくなっちゃう!
蛸唐を摘まんでポイと口の中に放り込む。
ちょっとスパイシーだった!やだ!これはキンキンに冷えた生中いや、ビールが欲しくなっちゃう!どうしよう!温燗も合うから良いけど!

「あ~美味し~い♡」

ポイポイと蛸唐を放り込んでスパイシーな衣とほんのり甘いタコを味わう。
グイッとコップ酒を煽ってから、しまった!と思う……小っちゃいコップだから、もう一杯やっちゃお!テへ♡日本酒を注いで、顔を上げて見えたのはちょっぴり残念そうなジムでした。しまった!と思う。

「ゴメンゴメン!焼いたやつは二個食べて!お酒に合うわよ~」

途端に嬉しそうな顔で焼いたタコを摘まんでコップ酒をコクコクと飲むジム。
何か幸せそうだわよ……
私も焼いたタコを食べる。直火で焼いて、僅かな塩とゆずの果汁が効いてる。

「安定の美味さ!」

コップ酒を食べる度にコクコクと飲んでしまって気分が高揚してくる。

「あ~味見にこんなにお酒飲んだら酔っちゃうな~♡」

楽しくなってきた……
でも、残ってるのはタコ飯と酢の物なので〆の気分です。
ヒョイと酢の物を食べて、ちょっとコレは好き嫌いが出ちゃうかな?と思う。最も酢の物といっても、レモン果汁による酢の物だから食べ慣れた米酢とか穀物酢の酢の物とは違うのよね。
フルーティーな酢の物は日本酒よりもワインのが合う気がする。
ジムと分けながら食べ進め、最後のタコ飯を一口ずつ食べて味見は終了です。
二人してコップ酒を飲み干して、パァン!とハイタッチをする。

「美味しかった!材料足りる?後、もう一品思いついたけど良いかしら?」

「勿論っす!」

私もジムもニコニコです。笑顔で作り方の説明をし、材料の確認をすれば問題無いとの事。
もう、薄暗くなってきてチラチラと天幕の方から視線を感じる。
ついでに言うと、邸の窓からも感じる。
もうね、出て来ても良いと思うんだけどね。
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