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年越し準備! 44

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邸に戻って自分の部屋に直行する。

「アニス、ただいま。」

二人がけの丸テーブルで手紙の仕分け作業をしていたアニスが顔を上げて力無く笑う。

「お帰りなさいませ。」

まだ夕暮れ前で明るい内だけれど、既に疲れた顔です。
それも目の前の手紙の束を見れば納得です。
中身は見られてますよ。当然です。でないと仕分け作業は出来ませんからね。

「エリーゼ様、こちらの一番多いのがお祝いの手紙です。で、こちらが近隣の貴族家からのお祝いの手紙です。後、こちらの手紙ですが……」

歯切れ悪いわねぇ。難しい顔をしてアニスの目の前にあった手紙を手に取って見てみる。

「え……マリアンヌ……様……」

それは予想外の人物からの手紙だった。
内容は私のお古のお礼とお菓子のお願いだった。
どうやらアンネローゼから貰った飴が切欠になったようだ。
まぁ……驚く位甘い物ってのが無いからね。
前世では溢れてたお菓子もこの世界には高級贅沢品だものね。
お母様はスイーツの女王様になる位ハマッてるしね。
……今日のタコ祭り、甘い物はスイーツタコ焼きかな。中身はどうするかな……バナナとかかな……ここでチョコレート投入は危険な気がする……
いや、そこじゃない。
これは気がつかれたかな?私も転生だって事。
だからと言って、今更変わってあげる事は無理だけどね!
全文読んで、差し入れするのは構わないかな?とも思ってるけどアニスの顔を見るとちょっと考えちゃうな。
でも、少しはあげても良いかなって思ってる。
あの娘がいてくれたから私はあの残念王子と婚姻しなくて済んだ訳だしね。

「エリーゼ様、お分けするのですか?」

「そうねぇ……皆の半分とかなら良いかなって思ってるけど。」

アニスは不満顔を露わに咎めて来るけど……

「あの鳥籠のような場所で、友達も信頼の置ける人もいないあの娘にあげても良いかと思ってるのよ。それにね、あの娘がジークフリート殿下と婚姻した事で私は帰って来れたのよ。ルークとも出会えたしね。」

フゥ……と大きな溜息でヤレヤレって顔になったアニスの顔は困ったようになってる。

「仕方ありませんね。エリーゼ様がお許しになるなら私は何も言いません。」

「ありがとね。あの娘には幾つかあげたい甘味があるのよ。アンネローゼ様とミネルバ様とは別の甘味なんだけどね。」

飴玉と松露とバタークッキーかな。アンネローゼとミネルバにはもっと華やかなお菓子にしようっと!マカロンとかクッキーも少し工夫したやつとかね!
年越し前に贈りたいな!新年のお祝いにちょっと豪勢なの贈ろう!
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