上 下
286 / 1,415
連載

年越し準備! 30

しおりを挟む
「私にも頂けて?量は少なめでお願いね。」

「畏まりました。」

執事はさっさか消えました。お祖父さま?お祖父さまは無言で食べ進めてますよ。お顔は渋くなってますけど。

「マクスウェル様、おいしいですか?是非ともお味をお聞きしたいのですけど。」

ウヘァ……お祖母さま、容赦なーい。お父様とキャスバルお兄様も無言ですよ。
やだわぁ……お通夜みたいよ、堂々とし辛いわよねぇ。

「う……うむ、そうだな……何と言うか、食べやすい味だな。食べてみないと分からないと言うか……クセになる味だとは思うぞ。」

ああ……うん、そうですよね。クセにはなりますよね。
やっぱり食べたくなるラーメンなのよね、私やルークからすれば。
確かに表現し辛い味だもの、難しいかも。

ちょっとだけ溶けたアイスクリームをぜんざいと混ぜ混ぜして食べる。クリーミー♡なんでこんなに美味しいのかしら。口の中が甘ったるくなったので、スープを一匙掬って飲む。
うん、良い塩梅♪フフッ甘いしょっぱいはついついやっちゃうわよね~。

「お待たせ致しました。」

お祖母さまの前にお子様サイズのラーメンが来ました。

「あら、美味しそうね。」

「お祖母さま、温かいうちに食べて下さい。麺が伸びてしまうと味が落ちてしまいますわ。」

……トールお兄様のはまだ来ないのか。ボウルだからね、大盛りだし仕方ないか。
今はお祖母さまを見守っておこう。
それにしてもさすがお祖母さまは生粋のご令嬢だっただけあって優雅だなー……お母様も優雅だけど、お祖母さまは何か違うんだよね。
こう……深窓のご令嬢って雰囲気なのが。
スープから行くのか……お口に合うかな?私が作った訳じゃないけど、ドキドキするわぁ……

「まぁ……」

一口(といっても量は少ない)含み、ホゥ……と息を吐き出したお祖母さまのお顔は少し興奮したみたいに上気して何だか可愛らしくなってる。

「良いお味ね。麺と言うのを頂くわね。」

フォークで数本掬い、丁寧に口に運ぶ。
その仕草は外国人が初めてラーメンを食べる姿そのままだ。でもとても美しい動作で上品に見える。
お祖父さまの事はまぁ、置いておく。

「お待たせ致しやしたぁ!」

うん。またジムです。大きなボウルがドンッとトールお兄様の前に置かれました。
勿論トールお兄様は箸です。
猛烈な勢いで麺を啜ってます。バキュームですかね?私のお兄様は(笑)
しおりを挟む
感想 5,615

あなたにおすすめの小説

【完結】失いかけた君にもう一度

暮田呉子
恋愛
偶然、振り払った手が婚約者の頬に当たってしまった。 叩くつもりはなかった。 しかし、謝ろうとした矢先、彼女は全てを捨てていなくなってしまった──。

いつか彼女を手に入れる日まで

月山 歩
恋愛
伯爵令嬢の私は、婚約者の邸に馬車で向かっている途中で、馬車が転倒する事故に遭い、治療院に運ばれる。医師に良くなったとしても、足を引きずるようになると言われてしまい、傷物になったからと、格下の私は一方的に婚約破棄される。私はこの先誰かと結婚できるのだろうか?

(完結)嘘をありがとう

七辻ゆゆ
恋愛
「まあ、なんて図々しいのでしょう」 おっとりとしていたはずの妻は、辛辣に言った。 「要するにあなた、貴族でいるために政略結婚はする。けれど女とは別れられない、ということですのね?」 妻は言う。女と別れなくてもいい、仕事と嘘をついて会いに行ってもいい。けれど。 「必ず私のところに帰ってきて、子どもをつくり、よい夫、よい父として振る舞いなさい。神に嘘をついたのだから、覚悟を決めて、その嘘を突き通しなさいませ」

愛しの婚約者に「学園では距離を置こう」と言われたので、婚約破棄を画策してみた

迦陵 れん
恋愛
「学園にいる間は、君と距離をおこうと思う」  待ちに待った定例茶会のその席で、私の大好きな婚約者は唐突にその言葉を口にした。 「え……あの、どうし……て?」  あまりの衝撃に、上手く言葉が紡げない。  彼にそんなことを言われるなんて、夢にも思っていなかったから。 ーーーーーーーーーーーーー  侯爵令嬢ユリアの婚約は、仲の良い親同士によって、幼い頃に結ばれたものだった。  吊り目でキツい雰囲気を持つユリアと、女性からの憧れの的である婚約者。  自分たちが不似合いであることなど、とうに分かっていることだった。  だから──学園にいる間と言わず、彼を自分から解放してあげようと思ったのだ。  婚約者への淡い恋心は、心の奥底へとしまいこんで……。 ※基本的にゆるふわ設定です。 ※プロット苦手派なので、話が右往左往するかもしれません。→故に、タグは徐々に追加していきます ※感想に返信してると執筆が進まないという鈍足仕様のため、返事は期待しないで貰えるとありがたいです。 ※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。

私が出て行った後、旦那様から後悔の手紙がもたらされました

新野乃花(大舟)
恋愛
ルナとルーク伯爵は婚約関係にあったが、その関係は伯爵の妹であるリリアによって壊される。伯爵はルナの事よりもリリアの事ばかりを優先するためだ。そんな日々が繰り返される中で、ルナは伯爵の元から姿を消す。最初こそ何とも思っていなかった伯爵であったが、その後あるきっかけをもとに、ルナの元に後悔の手紙を送ることとなるのだった…。

完結 婚約破棄は都合が良すぎる戯言

音爽(ネソウ)
恋愛
王太子の心が離れたと気づいたのはいつだったか。 婚姻直前にも拘わらず、すっかり冷えた関係。いまでは王太子は堂々と愛人を侍らせていた。 愛人を側妃として置きたいと切望する、だがそれは継承権に抵触する事だと王に叱責され叶わない。 絶望した彼は「いっそのこと市井に下ってしまおうか」と思い悩む……

溺愛されていると信じておりました──が。もう、どうでもいいです。

ふまさ
恋愛
 いつものように屋敷まで迎えにきてくれた、幼馴染みであり、婚約者でもある伯爵令息──ミックに、フィオナが微笑む。 「おはよう、ミック。毎朝迎えに来なくても、学園ですぐに会えるのに」 「駄目だよ。もし学園に向かう途中できみに何かあったら、ぼくは悔やんでも悔やみきれない。傍にいれば、いつでも守ってあげられるからね」  ミックがフィオナを抱き締める。それはそれは、愛おしそうに。その様子に、フィオナの両親が見守るように穏やかに笑う。  ──対して。  傍に控える使用人たちに、笑顔はなかった。

石女を理由に離縁されましたが、実家に出戻って幸せになりました

お好み焼き
恋愛
ゼネラル侯爵家に嫁いで三年、私は子が出来ないことを理由に冷遇されていて、とうとう離縁されてしまいました。なのにその後、ゼネラル家に嫁として戻って来いと手紙と書類が届きました。息子は種無しだったと、だから石女として私に叩き付けた離縁状は無効だと。 その他にも色々ありましたが、今となっては心は落ち着いています。私には優しい弟がいて、頼れるお祖父様がいて、可愛い妹もいるのですから。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。