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サテュロスゲットの旅 115

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「エリーゼェェェ!」

お母様が血相変えて高速なのに優雅な足取り?でやって来ました。何事かしら?

「どうなさいましたの?そんなに慌てて。」

お母様、大興奮ですよ!

「この焼き菓子と一緒に食べると、とても美味しいのよ!どうして教えてくれなかったの!」

「は?」

……え……まさかお母様、アンコクリームにバタークッキートッピングしたの?チャレンジャーなの?

「もう!果物も美味しいけど、この焼き菓子との相性が凄いのよ!はしたないのだけど、この焼き菓子をねアイスクリームに刺してすこーしアンコを乗せるの。で、焼き菓子を摘まんで食べるの!サクサクとした焼き菓子も甘くて、冷たいアイスクリームとほんのり温かなアンコが絶妙で!私、こんな経験初めてよ!」

……経験初めてってリアルで初めて聞いたわ……

「そうですか……私も思いつきませんでした。試してみたいと思います。」

何とか、そう返す。ヤバイ……お母様が何かパワーアップしてる気がする。ジムめ……いったい留守の間に何を出していた……?
お母様が色々試しだした!遠目からでも分かる!
バタークッキーの上にアンコとイチゴ乗っけてちょっとアイスクリームつけてみたりとかしてる!
ヤバイ!どんどんお母様のスイーツ女子力が跳ね上がってる気がする!

「マズイ……マズイぞ……お母様の探究心が跳ね上がってる気がする……」

「名古屋人みたいだな。」

パァン!とルークの肩にツッコミを入れる。

「食の探究心が強い人みたいに言うな!私のお母様だぞん!」

「方言出てるし、微妙に変になってる。ビュッフェスタイルでの名古屋人の自由奔放さは見習うべきだろう。」

「クッ!何を言ってるか理解支度ねぇ……」

頬をグリッとされて笑われた。

「分かってるクセに。必死なエリーゼ可愛いな。」

「なっ……何言ってるのよぅ……」

素面だと思いたい!
ルークのご機嫌振りが何となく怖い!

「ウソ……つかなくて良いんだよ……」

耳元で低く甘く囁かれた!ゾクゾクと背筋を駆け上って来る何か……グイッと腰を抱き寄せられてルークの体温を感じる!と思った瞬間バチッ!と強い何かを感じた。

「さすがだなキャスバル……さす鬼パワーパネェ……」

ルークの視線の先にキャスバルお兄様が立っていた……射殺すような視線で。
ドキン!と心臓が跳ねる。キャスバルお兄様のあんな顔初めて見た。
私の視線に気が付いて、フワリと微笑んでいつものお兄様になった。それにしてもルークに対して厳しくはありませんか?お兄様。
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