182 / 1,415
連載
サテュロスゲットの旅 46
しおりを挟む
賑やかな晩ご飯にホッとする。粗方食べ進めて、そろそろデザートかな?と思う。油まみれの唐辛子も終わったし、十分満喫したと思うし。果実水をコクリと飲んで、リンゴとレーズンのコンポートに手を伸ばす。
「エリーゼ様、美味しいですね!」
アニスがキラキラした笑顔でリンゴをハムハムと齧りながら話しかけてくる。うん、無邪気可愛い!
「そうね。甘くて疲れが取れそうね。」
「もう!そんな事言ってぇ!」
一瞬だけぷぅと頬を膨らませたけど、すぐにリンゴを齧りだして笑顔になる。
私とルークのテイムした子達が一緒になって仲良く過ごしてる。
「エリーゼ。ちょっと良いか?」
ルークが隣に来て、囁くように問いかけて来る。何……かしら?
「何?」
つい釣られて小声で返す。
「今日は本当にありがとう。ノエルとルチルの気持ち、気が付いて無かった。」
「んー……仕方ないよ。あんなに可愛くて、可愛がらないなんて出来無いと思うもん。ノエルもルチルも末っ子気質でうちの子達よりも可愛いじゃない。リコだって可愛いけど、末っ子気質じゃなくて寧ろ負けん気強くてね……女の子って、すぐお姉ちゃんになっちゃうのかな……」
つい先日のリコ対ピカ太郎の事を思い出す。正論を吐きまくる妹ポジションだった。うちの子皆しっかりしてる。私がアレコレ言わなくても自ら特訓する!とかやってたし……それがちょっぴり寂しく感じたりするけどお供としては良い事なのよね。
「それは……」
言い淀んでるけど、言いようが無いよね?私が逆の立場なら何も言えないもの。
「性格とか私の方針とか諸々も影響してるのかも知れないけど、やっぱり私の性格かな。相性もこの組み合わせで正解だったのよ。私じゃきっとノエルはグレてたかも。」
私、結構厳しいと言うか……躾ちゃう系だし……ノエルの愛らしさが吹っ飛んでたと思うのよ。
「ノエルとルチルはルークで良かったのよ。心の底から、そう思うわ。」
「そんな事は……」
「それは私の護衛騎士団の連中を見て言える?」
ピシリと固まるルーク。度々見てるんだから察してほしい……ってか、連中にご褒美あげてないや。でもセルフで何とかしてる……みたいだし良いか。
「それは……ごめんなさい。」
目をそらされて謝られました。自覚あるんで気にしません。
「皆食べ終わったみたいね。夜の見回り組とかの為の生姜湯とジンジャーティーの用意してくる。後、そこらにあるワインを少し貰ってホットワインにチャレンジしてくる。少しなら良いでしょ?アルコールも飛ぶだろうし。」
困ったように笑って私の手を包むように掴んで来る。
「一緒に行こう。ホットワインも一緒に……な!」
「ん。」
そのまま既に片付いている台に行き沢山のショウガと砂糖と紅茶葉を出して置く。キレイになった食器や鍋類を収納していく。
ルークと二人してコンロの片隅でホットワインを作った。ホットワインは結局アニスと三人で少しずつ分け合って飲み、それぞれのカワイコちゃん達を連れて天幕へと戻った。
「エリーゼ様、美味しいですね!」
アニスがキラキラした笑顔でリンゴをハムハムと齧りながら話しかけてくる。うん、無邪気可愛い!
「そうね。甘くて疲れが取れそうね。」
「もう!そんな事言ってぇ!」
一瞬だけぷぅと頬を膨らませたけど、すぐにリンゴを齧りだして笑顔になる。
私とルークのテイムした子達が一緒になって仲良く過ごしてる。
「エリーゼ。ちょっと良いか?」
ルークが隣に来て、囁くように問いかけて来る。何……かしら?
「何?」
つい釣られて小声で返す。
「今日は本当にありがとう。ノエルとルチルの気持ち、気が付いて無かった。」
「んー……仕方ないよ。あんなに可愛くて、可愛がらないなんて出来無いと思うもん。ノエルもルチルも末っ子気質でうちの子達よりも可愛いじゃない。リコだって可愛いけど、末っ子気質じゃなくて寧ろ負けん気強くてね……女の子って、すぐお姉ちゃんになっちゃうのかな……」
つい先日のリコ対ピカ太郎の事を思い出す。正論を吐きまくる妹ポジションだった。うちの子皆しっかりしてる。私がアレコレ言わなくても自ら特訓する!とかやってたし……それがちょっぴり寂しく感じたりするけどお供としては良い事なのよね。
「それは……」
言い淀んでるけど、言いようが無いよね?私が逆の立場なら何も言えないもの。
「性格とか私の方針とか諸々も影響してるのかも知れないけど、やっぱり私の性格かな。相性もこの組み合わせで正解だったのよ。私じゃきっとノエルはグレてたかも。」
私、結構厳しいと言うか……躾ちゃう系だし……ノエルの愛らしさが吹っ飛んでたと思うのよ。
「ノエルとルチルはルークで良かったのよ。心の底から、そう思うわ。」
「そんな事は……」
「それは私の護衛騎士団の連中を見て言える?」
ピシリと固まるルーク。度々見てるんだから察してほしい……ってか、連中にご褒美あげてないや。でもセルフで何とかしてる……みたいだし良いか。
「それは……ごめんなさい。」
目をそらされて謝られました。自覚あるんで気にしません。
「皆食べ終わったみたいね。夜の見回り組とかの為の生姜湯とジンジャーティーの用意してくる。後、そこらにあるワインを少し貰ってホットワインにチャレンジしてくる。少しなら良いでしょ?アルコールも飛ぶだろうし。」
困ったように笑って私の手を包むように掴んで来る。
「一緒に行こう。ホットワインも一緒に……な!」
「ん。」
そのまま既に片付いている台に行き沢山のショウガと砂糖と紅茶葉を出して置く。キレイになった食器や鍋類を収納していく。
ルークと二人してコンロの片隅でホットワインを作った。ホットワインは結局アニスと三人で少しずつ分け合って飲み、それぞれのカワイコちゃん達を連れて天幕へと戻った。
170
お気に入りに追加
16,791
あなたにおすすめの小説
いつか彼女を手に入れる日まで
月山 歩
恋愛
伯爵令嬢の私は、婚約者の邸に馬車で向かっている途中で、馬車が転倒する事故に遭い、治療院に運ばれる。医師に良くなったとしても、足を引きずるようになると言われてしまい、傷物になったからと、格下の私は一方的に婚約破棄される。私はこの先誰かと結婚できるのだろうか?
(完結)嘘をありがとう
七辻ゆゆ
恋愛
「まあ、なんて図々しいのでしょう」
おっとりとしていたはずの妻は、辛辣に言った。
「要するにあなた、貴族でいるために政略結婚はする。けれど女とは別れられない、ということですのね?」
妻は言う。女と別れなくてもいい、仕事と嘘をついて会いに行ってもいい。けれど。
「必ず私のところに帰ってきて、子どもをつくり、よい夫、よい父として振る舞いなさい。神に嘘をついたのだから、覚悟を決めて、その嘘を突き通しなさいませ」
愛しの婚約者に「学園では距離を置こう」と言われたので、婚約破棄を画策してみた
迦陵 れん
恋愛
「学園にいる間は、君と距離をおこうと思う」
待ちに待った定例茶会のその席で、私の大好きな婚約者は唐突にその言葉を口にした。
「え……あの、どうし……て?」
あまりの衝撃に、上手く言葉が紡げない。
彼にそんなことを言われるなんて、夢にも思っていなかったから。
ーーーーーーーーーーーーー
侯爵令嬢ユリアの婚約は、仲の良い親同士によって、幼い頃に結ばれたものだった。
吊り目でキツい雰囲気を持つユリアと、女性からの憧れの的である婚約者。
自分たちが不似合いであることなど、とうに分かっていることだった。
だから──学園にいる間と言わず、彼を自分から解放してあげようと思ったのだ。
婚約者への淡い恋心は、心の奥底へとしまいこんで……。
※基本的にゆるふわ設定です。
※プロット苦手派なので、話が右往左往するかもしれません。→故に、タグは徐々に追加していきます
※感想に返信してると執筆が進まないという鈍足仕様のため、返事は期待しないで貰えるとありがたいです。
※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。
私が出て行った後、旦那様から後悔の手紙がもたらされました
新野乃花(大舟)
恋愛
ルナとルーク伯爵は婚約関係にあったが、その関係は伯爵の妹であるリリアによって壊される。伯爵はルナの事よりもリリアの事ばかりを優先するためだ。そんな日々が繰り返される中で、ルナは伯爵の元から姿を消す。最初こそ何とも思っていなかった伯爵であったが、その後あるきっかけをもとに、ルナの元に後悔の手紙を送ることとなるのだった…。
完結 婚約破棄は都合が良すぎる戯言
音爽(ネソウ)
恋愛
王太子の心が離れたと気づいたのはいつだったか。
婚姻直前にも拘わらず、すっかり冷えた関係。いまでは王太子は堂々と愛人を侍らせていた。
愛人を側妃として置きたいと切望する、だがそれは継承権に抵触する事だと王に叱責され叶わない。
絶望した彼は「いっそのこと市井に下ってしまおうか」と思い悩む……
【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。
溺愛されていると信じておりました──が。もう、どうでもいいです。
ふまさ
恋愛
いつものように屋敷まで迎えにきてくれた、幼馴染みであり、婚約者でもある伯爵令息──ミックに、フィオナが微笑む。
「おはよう、ミック。毎朝迎えに来なくても、学園ですぐに会えるのに」
「駄目だよ。もし学園に向かう途中できみに何かあったら、ぼくは悔やんでも悔やみきれない。傍にいれば、いつでも守ってあげられるからね」
ミックがフィオナを抱き締める。それはそれは、愛おしそうに。その様子に、フィオナの両親が見守るように穏やかに笑う。
──対して。
傍に控える使用人たちに、笑顔はなかった。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。