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サテュロスゲットの旅 46

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賑やかな晩ご飯にホッとする。粗方食べ進めて、そろそろデザートかな?と思う。油まみれの唐辛子も終わったし、十分満喫したと思うし。果実水をコクリと飲んで、リンゴとレーズンのコンポートに手を伸ばす。

「エリーゼ様、美味しいですね!」

アニスがキラキラした笑顔でリンゴをハムハムと齧りながら話しかけてくる。うん、無邪気可愛い!

「そうね。甘くて疲れが取れそうね。」

「もう!そんな事言ってぇ!」

一瞬だけぷぅと頬を膨らませたけど、すぐにリンゴを齧りだして笑顔になる。
私とルークのテイムした子達が一緒になって仲良く過ごしてる。

「エリーゼ。ちょっと良いか?」

ルークが隣に来て、囁くように問いかけて来る。何……かしら?

「何?」

つい釣られて小声で返す。

「今日は本当にありがとう。ノエルとルチルの気持ち、気が付いて無かった。」

「んー……仕方ないよ。あんなに可愛くて、可愛がらないなんて出来無いと思うもん。ノエルもルチルも末っ子気質でうちの子達よりも可愛いじゃない。リコだって可愛いけど、末っ子気質じゃなくて寧ろ負けん気強くてね……女の子って、すぐお姉ちゃんになっちゃうのかな……」

つい先日のリコ対ピカ太郎の事を思い出す。正論を吐きまくる妹ポジションだった。うちの子皆しっかりしてる。私がアレコレ言わなくても自ら特訓する!とかやってたし……それがちょっぴり寂しく感じたりするけどお供としては良い事なのよね。

「それは……」

言い淀んでるけど、言いようが無いよね?私が逆の立場なら何も言えないもの。

「性格とか私の方針とか諸々も影響してるのかも知れないけど、やっぱり私の性格かな。相性もこの組み合わせで正解だったのよ。私じゃきっとノエルはグレてたかも。」

私、結構厳しいと言うか……躾ちゃう系だし……ノエルの愛らしさが吹っ飛んでたと思うのよ。

「ノエルとルチルはルークで良かったのよ。心の底から、そう思うわ。」

「そんな事は……」

「それは私の護衛騎士団の連中を見て言える?」

ピシリと固まるルーク。度々見てるんだから察してほしい……ってか、連中にご褒美あげてないや。でもセルフで何とかしてる……みたいだし良いか。

「それは……ごめんなさい。」

目をそらされて謝られました。自覚あるんで気にしません。

「皆食べ終わったみたいね。夜の見回り組とかの為の生姜湯とジンジャーティーの用意してくる。後、そこらにあるワインを少し貰ってホットワインにチャレンジしてくる。少しなら良いでしょ?アルコールも飛ぶだろうし。」

困ったように笑って私の手を包むように掴んで来る。

「一緒に行こう。ホットワインも一緒に……な!」

「ん。」

そのまま既に片付いている台に行き沢山のショウガと砂糖と紅茶葉を出して置く。キレイになった食器や鍋類を収納していく。

ルークと二人してコンロの片隅でホットワインを作った。ホットワインは結局アニスと三人で少しずつ分け合って飲み、それぞれのカワイコちゃん達を連れて天幕へと戻った。
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