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サテュロスゲットの旅 14

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珍しく料理長がサテーを焼いてます。普段指示がメインで焼いたりしないのに……肉もあんまり小さく無いから焼くのも難しくないのかな?……ん?何か……何か動きがおかしい気がする……何でだ?
…………今、焼いた肉を脇に下げた?!ってピカとルチルがコンロの影から出て来た!料理長!こっそり肉与えてやがる!ルークも黙ってニコニコして見てやがった!試食コーナーで試食貰えて良かったな!って顔して見てる甘いだけのダメなパパになってる!ダッシュです!ルークの元にダッシュです!

「ちょっと!ルーク……」

隣に立ってグイとルークの腕を引っ張る。私の顔を見た瞬間にヤベ……って顔すんの止めなさい。共犯者の料理長をギロッ!と見たらビクッ!として目を逸らしました……ウヌゥ……どいつもこいつも可愛いからってぇ……

「もうあげちゃった物は仕方ないけど、これが初めてでしょうねぇ……」

途端に目ぇ逸らしやがりましたよ。ルークめぇ……再度、料理長を見る。俯きました。良いから肉焼け!

「なる程。何回か味見をさせた訳だ。」

コンロの下でハグハグ食べてる二匹は確かに可愛い。けど先に食べさせるのは無しだ!

「ピカ太郎、ルチル。」

今、食べ終わったのを確認したので呼ぶ。ピカ太郎はビクッ!として私を恐る恐る見上げた。ルチルはお口の周りを汚したまんま、ヒョイっと見上げて来ました。無邪気か!ピカ太郎はノロノロと近寄って来ました。何か覚悟してるようだ。ルチルはそんなピカ太郎の後をポテポテ付いてきてます。

「あの……あの……ピカ……」

とりあえず笑顔をキープしておこう。

「うん。ヘタな言い訳とか要らないから。」

スゥ……と流れる動作でドゥゲザースタイルになったピカ太郎。以前のエロネズミ時代に身につけた謝罪スタイルは抜けきらないようです。

「ごめんピカ……」

「謝る必要は無いわよ。例え食べたいと言ったとしても、それは一口ないし一回なら味見、として許されると思うけど何回もって言うのはあげる側にも問題があると思うのよ。聞こえてるかなぁ!ルークと料理長!ご飯は皆一緒にが基本!何回もあげたらお腹一杯になっちゃうでしょ!まだ小さいんだから!」

「申し訳ありませんっ!」

料理長から即座に返事が来ました。ジロッとルークを見ました。

「ゴメン。その……嬉しそうに頬張る二匹見てたら、何か……」

「その気持ちは分かるけど、良くないからね!秩序乱れる!後、ピカ太郎はもう立って!」

「ピッ!」

ピカ太郎は反射的に立ち上がりました。グイッとルークの耳を引っ張り囁きます。

「良いこと……世のデブネコとかデブ犬製造機みたいな真似するんじゃないわよ……只でさえ丸っこいピカ太郎を真ん丸にする気なの?するならルチルだけにしなさいよ……」

パッと耳から手を離した瞬間でした。ルークがドゥゲザースタイル取りました。

「俺は……俺は何て考え無しな事を……もう少しでルチルをデブネズミにする所だったなんて……」

違った。ただの悔し泣きだった。ルチルがデブネズミの所でガーン!て顔して凝視してるわよ。ピカ太郎はブルブル震えてるけどね!
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