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ただ今、準備中! 15

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長い廊下を延々と歩いて到着しました!アニスがノックをしてレイが通してくれました。

「エリーゼ!」

うお!高速移動して来やがりましたよ!

ギュッ!

ハグです!何も言わずにハグして来ました!

「こんなに可愛い恰好でどうした?ん?」

ハグから解放されてゲロ甘な顔と声で何言ってるんだ?と心の中でツッコミを入れる。

「キャスバル様。いつまでもそこに居られては冷えますよ。」

「そうだな。」

ナイスツッコミ!流石レイは分かってる!そしてお兄様よ!流れる様な動作で私の腰を片手でホールドして片手は手を握るって凄まじいタラシなリードだね!そりゃ、こんな姿見たらキャー!言われるわ!ってソファに誘導かと思ったら、そのまま隣に座らされました!ポジショニングがおかしい気がします!

「キャス兄様……近すぎませんか?」

「何を言ってるんだい?エリーゼは立派な淑女になったから隣に座らせたんだよ。本当はいつまでも可愛いお姫様で居て欲しかったんだけどね。」

は?何言っちゃってるの?このシスコンお兄様は。

「可愛いお姫様だったら、ずっと私のお膝の上に座らせておけたのに。」

ギャーーーー!シスコンお兄様ヤバいーーっ!敗戦です!紛う事なき敗戦の予感です!

「キャス兄様……」

「エリーゼ。食堂の時みたいに言ってくれるかな?」

コエーよ!笑顔で圧力掛けて来たよ!畜生!ガッチリ腰ホールドされたまんまで逃げ場無し!レイもツッコミしてくれない!アニスは遠い目だ!

「……キャス兄様♡」

ガバーッ!と抱きしめられました……タスケテー!

「エリーゼェェェ!トールと二人っきりで旅なんて!」

「違います!ルークも一緒ですし!領主隊やら何やら一緒です!」

チラッと私の顔を見るお兄様のお顔の近さにドキッとする。

「そうだったね。ルークもいたね。」

「私の婚約者です。さすがに婚約者と二人っきりでは宜しくないでしょう?だから身軽なトールお兄様に同行をお願いしたんです。」

「身軽……」

よし!今だ!私の可愛さを総動員だ!

「だってキャス兄様は次の領主になるでしょう。そんなキャス兄様を私の我が儘で引っ張り出すなんて……きっと領民も良い顔しないわ。私……私、帰って来た時キャス兄様にお帰りって言われたいの……ダメ?」

「仕方ないね、私の可愛いお姫様のお願いならね。」

よっしゃあ!も少しじゃあ!

「ありがとう、キャス兄様♡」

ここで一発、私から抱き着いて!うお!抱き着いたは良いけど、お兄様がお返しとばかりに抱きしめてくる!どんだけシスコンなのか!チラッと上目遣いでお兄様を見る。

「こんな風に甘えれるのはキャス兄様だけなの♡」

「そうか。エリーゼは本当に可愛いね。」

甘い!甘ーーーーいっ!もう、何もかもが甘いです!

「お茶を用意致しました、冷める前にどうぞ。」

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