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ただ今、準備中! 9

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「アニス、ごめんね!」

自室に戻った第一声がこれです。

「また、忘れられたかと思ってました。」

ど……どどどうしよう……ガッツリ忘れてた。

「忘れてたんですね……」

いやぁ!バレてるぅ!付き合いが長いから、丸バレだよ!

「ごめん。ちょっと色々とっちらかってた。お昼ごはんにしよ?」

ドシッ!と抱き着かれました。……あー……こんな風に拗ねちゃう女の子って可愛いなぁ。ギュッとハグしました。うん、私が男だったらパクッと食っちゃうな!……いや、私女だけど食ってたけど。

「エリーゼ様、待ってるんでしょ?だったら行きましょう。」

誰が……とか言わない辺り、良く出来る侍女です。いや、待ってるのはルークだけじゃなくてお父様もなのよね。……ハッ!アレクもアニスとお昼ごはんじゃん!娘思いの良いお父さんってだけじゃないじゃん!自分も娘とお昼ごはん食べたかったんじゃないの?

「うん……行こう。今日は何だろうね?」

「コテコテのラーメンだと嬉しいです。」

「フフッ……思い出すわね。王都最後の夕食はコテコテのラーメンだったわね。うんと前に思えるわ。」

「はい。あの時はこんな風に賑やかな日々になるなんて思ってもみませんでした。」

「そうね、ルークとは名目上の仮婚約だったし。タマもトラジもヒナもピカ太郎もいなかったしね。」

「はい!タマちゃん達がいるって大きいですよね!最近、タマちゃん達と遊べないのが寂しいです。」

「あー……何か、皆で新しい攻撃技とか練習してて忙しかったみたい。あの子達どれだけ戦いたいのか……ちょっと置いてきぼり感あるけど、でも気持ちがね……私の為にって言われちゃうと止められないのよ。」

今、食堂目指してのんびりトークしながら歩いてます。

「そうですね。やっぱりエリーゼ様に褒められたってのは大きいんじゃないんでしょうか?私だって褒められたいですもん。私だだて対人なら強いですよ!でも発揮するような事ありませんから。」

「そりゃあ、アニスの対人スキル発揮するような場面来たら嫌ねぇ。」

「そんな不埒な者は許しませんから!」

「その時は頼りにするわ。」

クスクスと笑った頃に食堂の扉の前についてしまった。

「アニス、アレクとゆっくりお昼ごはん食べてね。」

「は?」

笑顔が一瞬で真顔と言うより、半ギレな顔になりました。どうやら父親に対してのみ出る反抗期な年頃のようです。小っさい声で「父さまと二人っきりで食事とか無いわ……」って聞こえました。

「うん。アニス、一月位は離れるんだからそんな顔しないの。」

「はぁい。」

……アレク父さん、頑張れ!さ、お昼ごはん!
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