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繰り返す出逢い
彼とあの娘の辿る道
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前世、宗馬兄さんと華恵が出会った弓道場で気を失った私は、気がつくと自宅の自分の部屋でベッドに横になっていた。
後から聞いたところによると、華恵と宗馬兄さんが呼んでくれたハイヤーで2人に付き添われて帰ったのだそうだ。幼い頃から隣に住んでいる宗馬兄さんにとっては勝手知ったる他人の家というわけで、華恵が母に状況を説明しているうちに女中の手を借りてさっさと寝かしつけたらしい。いくら幼馴染でも女学生となった私にはあんまりな話だけれど、昔から宗馬兄さんを信用してきた母は安心して任せてしまったようだ。
翌日、目を覚ました私は前日の出来事を思い出し、ソウマとハナと私の繰り返してきた歴史を一気に思い出して頭の中が容量オーバーとなり、気を失ったのだと理解した。
宗馬兄さんと華恵が出会ったことは、つまり私が失恋したということで悲しいのだけれど、あらかじめ決まっていたと思えば、受け入れるしかない。
仕方ないけれど、あとは2人が幸せになるのを見守っていけばいいのだ。哀しい過去を背負った2人を守っていけるのは全て見てきた私だけ、そう思えばそれなりの使命感に似た力が湧いてくるというものだ。
女学校に行ってみれば、華恵のいつもと変わらない態度にほっと安堵し、それでも2人きりになれば心配したと眦を下げてくれる優しさに優越感を覚えた。
宗馬兄さんとのことを訊くと頬を染めてうつむき
「優しくて、素敵な方なの」と囁くように答えた。
宗馬兄さんといえば、何も変わらず、ただ、何かの試験が近いようで、本やら帳面やらをたくさん抱えて早足で歩く様子が忙しそうではあった。
数日後、自分の部屋の窓から隣の家の庭を見ると、東屋の屋根の下から長い脚が二本見えて、いつものように宗馬兄さんがお気に入りの場所で本を読んでいるのだとわかる。
ちょっとからかってみようと悪戯心に突き動かされて、私は隣の家を訪ねることにした。
「勝手知ったる他人の家」は、何も宗馬兄さんだけの言葉ではなくて、私だって小さな頃から通い慣れた隣の家は目を瞑っていてもぶつからずに歩けるだろう。
勝手口から入って、女中さんに目配せすると、私は庭に回って宗馬兄さんのいる東屋へ向かった。
後ろから、女中さんの焦ったような声がしたようだけれど、お行儀が良くないとたしなめられるのは常なので気に留めなかった。あとで後悔する羽目になるとは知らずに。
静かに本を読んでいるであろう宗馬兄さんを驚かしたくて、足音を潜めて近づく。少し手前で声をかけようとして気づいた。
東屋にいるのが宗馬兄さんひとりではないことに。
スラックスを履いた長い脚は揃えられていて、その膝と直角に交わる向きで、銘仙柄の着物に白い足袋、赤い鼻緒の小さな草履を履いた脚が下がっていたのだ。
つまり、宗馬兄さんの脚に誰か腰掛けている。
私はとっさに近くの植え込みに隠れた。
「ん、はっ、ちゅっ」
聞き慣れない、息遣い。なぜか熱を感じる空気。
誰かが口づけを交わしてるとようやく理解した私は息が詰まった。
「だめ、宗馬さん」
苦しそうな声は確かに華恵のものだ。初めて聴く女の色香を感じさせる声音。
「どうして、だめ? なにがだめなの? 華恵」
甘さを含んだからかうような宗馬兄さんの声も、聞き慣れたのとは違って感じる。
「ん?」
「...、美衣ちゃんのところにお使いがあるんですもの。行かなくちゃ」
自分の名前が出てびっくりしたが、私は声を出さずにいるのが精一杯だった。
「ん、美衣か。そう言えば、しばらく会ってないな。このところ試験の準備で忙しくてね。可愛い妹分は元気にしてたかな?」
「妹?」
「ああ、あの子だって僕のことを兄さんと呼ぶだろう?赤ん坊の頃から知ってるんだから家族も同然なんだ。だから妹、だな。」
妹。ずっと宗馬兄さんを兄として慕ってきたのだから、そう呼ばれるのも、宗馬兄さんがそう思っているのも当然なのだけれど、私は少し傷ついた気分になった。
「美衣ちゃんの気持ちはどうかしら?」
華恵は気づいていたのかもしれない、私の恋心に。だけど…。
「それは華恵が気にすることじゃないよ。」
「でも…。」
「妬いてるの?」
「えっ?違います、でも…。」
「妬いてくれても良いんだよ。それはそれで嬉しいかもしれない。」
「…、宗馬さん!」
「うふふ。華恵は可愛いなぁ。好きだよ。」
またチュッと音がして、
「はぅ、んっ、だめ…。」
ここにいたくない。そう思うのに、華恵が漏らす女の声が私の足を動かなくする。
「華恵、女学校を卒業したらお嫁においで。その頃には僕はお医者になっているから、ご両親も否とは言わないだろう。」
「宗馬さん!」
「ね、そうしよう。本当はもっと早く一緒になりたいけど。我慢もしないとね。2人の将来のために明日からの試験を頑張る僕にもっと口づけをして、華恵。好きだと言っておくれ。」
チュッ。もう嫌だ。
「…、宗馬さんが好き。」
「ありがとう。好きだよ、華恵。さて、妹の様子を見に行こうか。」
「はい。」
いけない、家に帰らなくては。けれど、焦る私の脚は痺れて思うように動かない。
「その前に、その色っぽい女の顔を普段の清楚なお嬢さんの顔に戻さないとね。お茶が冷めてしまったから、淹れなおしてもらおうか。」
華恵のための宗馬兄さんの気遣いが私もついでに救ってくれるとは。情けないけれど、有り難い。
私は静かに呼吸を整えて、ゆっくり、足音を立てぬように気をつけながら家へと戻った。途中、勝手口から馴染みの女中さんが心配そうに私を見ていた。きっと、先客がいると伝えようとしてくれたのに私が無視してしまって心配していたのだ。後悔の気持ちが足取りを重くした。
その後、宗馬兄さんはしっかり勉強してお医者になり、帝国大学出身の、しかも将来有望なお医者様からの申し込みに華恵の両親が断るわけもなく、女学校を卒業するとすぐに華恵は宗馬兄さんの妻となった。
そこまでなら、私が寂しい思いをしただけで、2人は幸せになれるはずだった。
ところが、何度も繰り返してきた2人の運命はやはりこの時代でも変わらなかった。
結婚して5年。なかなか子供ができないと悩みを持ちかけられて、周りも羨む仲睦まじい夫婦なのに、なんでだろうねぇ、などと呑気に受け流していたころ、ある地方では流行病が猛威を奮っていた。
なかなか感染による患者の増加が止まらず、広がりを見せる病に、治療に当たる医師さえ不足し始めて、帝国大学は研究も兼ねて卒業生で医師団を編成して現地に送る方針を決めた。その中の1人として宗馬兄さんが選ばれた。若くて優秀で、弓で鍛えた体は丈夫、実家が裕福なので栄養状態も良いとくれば、自然な流れだったのだろう。
宗馬兄さん自身も、医師としてなんとかしたいと考えていたようで、すぐに了承した。
華恵はきっと、我慢したのだろう、泣きそうな眼をしながらも、必死に笑顔を作って夫を送り出した。
誰もが大丈夫だろうと思っていたのに、2ヶ月後、宗馬兄さんが病に感染して床に伏していると連絡があった。
現地に駆けつけて看病に当たりたいという華恵の願いは叶わなかったが、仲間の医師らの必死の治療で治癒したとして宗馬兄さんは帰ってきた。別人のように憔悴して。
がっしりしていた体はやせ細り、血色の良かった肌も青白く、何より目つきが弱くなっていた。それでも、涙を堪える華恵に笑顔を見せて、そっと抱き寄せ、弱々しく言ったのだ、
「ただいま、華恵。待たせて、すまなかった」と。
その後、宗馬兄さんは寝て過ごすことがほとんどで、華恵はずっと寄り添っていた。
ある日、見舞いに行くと、その日は気分が良かったのか布団の上に座って庭を眺めていた。
「この庭に枯山水を作りたかったんだがなぁ。」
などと諦めたように言うので、
「そんなお爺さんみたいなこと言わないでください。」
と言ってやったら
「よぼよぼ爺さんの気持ちがわかるようになったんだよ。」
と返された。しばらく黙ったままでいたが、ふいに
「華恵が寂しがるといけないから、よろしく頼むな。」
と言いながら笑った。
それが最後に交わした言葉となり、帰宅して3ヶ月後、華恵に看取られながら、宗馬兄さんは死んだ。
華恵は取り乱すことなく夫の死を受け入れたように見えたけれど、そのあまりに静かな様子に周囲は華恵がすぐに夫のあとを追ってしまうのではと心配した。笑うことがなくなり、話すことも少なく、静かに淡々と遺品の整理やら片付けやらを済ませながら、2年ほどの間に段々と弱っていき、陽が沈んで黄昏て、暗がりが取って代わるように儚くなって亡くなった。穏やかな最期だった。
まだ、25歳になったばかりだった。
ソウマが先に亡くなり、程なくハナがあと追うように死ぬ。
ハナが亡くなるまで見届けた私はその後どうなったのだろう。いつもハナと同じくらいの年齢だからあまり間を置かずに死んだのだろうけれど、憶えていないということは死を覚悟する前に死んでしまったのだろうか。
楽しそうに寄り添う爽真先輩と花香をぼんやり眺めながら、答えのない想いに囚われていた。
後から聞いたところによると、華恵と宗馬兄さんが呼んでくれたハイヤーで2人に付き添われて帰ったのだそうだ。幼い頃から隣に住んでいる宗馬兄さんにとっては勝手知ったる他人の家というわけで、華恵が母に状況を説明しているうちに女中の手を借りてさっさと寝かしつけたらしい。いくら幼馴染でも女学生となった私にはあんまりな話だけれど、昔から宗馬兄さんを信用してきた母は安心して任せてしまったようだ。
翌日、目を覚ました私は前日の出来事を思い出し、ソウマとハナと私の繰り返してきた歴史を一気に思い出して頭の中が容量オーバーとなり、気を失ったのだと理解した。
宗馬兄さんと華恵が出会ったことは、つまり私が失恋したということで悲しいのだけれど、あらかじめ決まっていたと思えば、受け入れるしかない。
仕方ないけれど、あとは2人が幸せになるのを見守っていけばいいのだ。哀しい過去を背負った2人を守っていけるのは全て見てきた私だけ、そう思えばそれなりの使命感に似た力が湧いてくるというものだ。
女学校に行ってみれば、華恵のいつもと変わらない態度にほっと安堵し、それでも2人きりになれば心配したと眦を下げてくれる優しさに優越感を覚えた。
宗馬兄さんとのことを訊くと頬を染めてうつむき
「優しくて、素敵な方なの」と囁くように答えた。
宗馬兄さんといえば、何も変わらず、ただ、何かの試験が近いようで、本やら帳面やらをたくさん抱えて早足で歩く様子が忙しそうではあった。
数日後、自分の部屋の窓から隣の家の庭を見ると、東屋の屋根の下から長い脚が二本見えて、いつものように宗馬兄さんがお気に入りの場所で本を読んでいるのだとわかる。
ちょっとからかってみようと悪戯心に突き動かされて、私は隣の家を訪ねることにした。
「勝手知ったる他人の家」は、何も宗馬兄さんだけの言葉ではなくて、私だって小さな頃から通い慣れた隣の家は目を瞑っていてもぶつからずに歩けるだろう。
勝手口から入って、女中さんに目配せすると、私は庭に回って宗馬兄さんのいる東屋へ向かった。
後ろから、女中さんの焦ったような声がしたようだけれど、お行儀が良くないとたしなめられるのは常なので気に留めなかった。あとで後悔する羽目になるとは知らずに。
静かに本を読んでいるであろう宗馬兄さんを驚かしたくて、足音を潜めて近づく。少し手前で声をかけようとして気づいた。
東屋にいるのが宗馬兄さんひとりではないことに。
スラックスを履いた長い脚は揃えられていて、その膝と直角に交わる向きで、銘仙柄の着物に白い足袋、赤い鼻緒の小さな草履を履いた脚が下がっていたのだ。
つまり、宗馬兄さんの脚に誰か腰掛けている。
私はとっさに近くの植え込みに隠れた。
「ん、はっ、ちゅっ」
聞き慣れない、息遣い。なぜか熱を感じる空気。
誰かが口づけを交わしてるとようやく理解した私は息が詰まった。
「だめ、宗馬さん」
苦しそうな声は確かに華恵のものだ。初めて聴く女の色香を感じさせる声音。
「どうして、だめ? なにがだめなの? 華恵」
甘さを含んだからかうような宗馬兄さんの声も、聞き慣れたのとは違って感じる。
「ん?」
「...、美衣ちゃんのところにお使いがあるんですもの。行かなくちゃ」
自分の名前が出てびっくりしたが、私は声を出さずにいるのが精一杯だった。
「ん、美衣か。そう言えば、しばらく会ってないな。このところ試験の準備で忙しくてね。可愛い妹分は元気にしてたかな?」
「妹?」
「ああ、あの子だって僕のことを兄さんと呼ぶだろう?赤ん坊の頃から知ってるんだから家族も同然なんだ。だから妹、だな。」
妹。ずっと宗馬兄さんを兄として慕ってきたのだから、そう呼ばれるのも、宗馬兄さんがそう思っているのも当然なのだけれど、私は少し傷ついた気分になった。
「美衣ちゃんの気持ちはどうかしら?」
華恵は気づいていたのかもしれない、私の恋心に。だけど…。
「それは華恵が気にすることじゃないよ。」
「でも…。」
「妬いてるの?」
「えっ?違います、でも…。」
「妬いてくれても良いんだよ。それはそれで嬉しいかもしれない。」
「…、宗馬さん!」
「うふふ。華恵は可愛いなぁ。好きだよ。」
またチュッと音がして、
「はぅ、んっ、だめ…。」
ここにいたくない。そう思うのに、華恵が漏らす女の声が私の足を動かなくする。
「華恵、女学校を卒業したらお嫁においで。その頃には僕はお医者になっているから、ご両親も否とは言わないだろう。」
「宗馬さん!」
「ね、そうしよう。本当はもっと早く一緒になりたいけど。我慢もしないとね。2人の将来のために明日からの試験を頑張る僕にもっと口づけをして、華恵。好きだと言っておくれ。」
チュッ。もう嫌だ。
「…、宗馬さんが好き。」
「ありがとう。好きだよ、華恵。さて、妹の様子を見に行こうか。」
「はい。」
いけない、家に帰らなくては。けれど、焦る私の脚は痺れて思うように動かない。
「その前に、その色っぽい女の顔を普段の清楚なお嬢さんの顔に戻さないとね。お茶が冷めてしまったから、淹れなおしてもらおうか。」
華恵のための宗馬兄さんの気遣いが私もついでに救ってくれるとは。情けないけれど、有り難い。
私は静かに呼吸を整えて、ゆっくり、足音を立てぬように気をつけながら家へと戻った。途中、勝手口から馴染みの女中さんが心配そうに私を見ていた。きっと、先客がいると伝えようとしてくれたのに私が無視してしまって心配していたのだ。後悔の気持ちが足取りを重くした。
その後、宗馬兄さんはしっかり勉強してお医者になり、帝国大学出身の、しかも将来有望なお医者様からの申し込みに華恵の両親が断るわけもなく、女学校を卒業するとすぐに華恵は宗馬兄さんの妻となった。
そこまでなら、私が寂しい思いをしただけで、2人は幸せになれるはずだった。
ところが、何度も繰り返してきた2人の運命はやはりこの時代でも変わらなかった。
結婚して5年。なかなか子供ができないと悩みを持ちかけられて、周りも羨む仲睦まじい夫婦なのに、なんでだろうねぇ、などと呑気に受け流していたころ、ある地方では流行病が猛威を奮っていた。
なかなか感染による患者の増加が止まらず、広がりを見せる病に、治療に当たる医師さえ不足し始めて、帝国大学は研究も兼ねて卒業生で医師団を編成して現地に送る方針を決めた。その中の1人として宗馬兄さんが選ばれた。若くて優秀で、弓で鍛えた体は丈夫、実家が裕福なので栄養状態も良いとくれば、自然な流れだったのだろう。
宗馬兄さん自身も、医師としてなんとかしたいと考えていたようで、すぐに了承した。
華恵はきっと、我慢したのだろう、泣きそうな眼をしながらも、必死に笑顔を作って夫を送り出した。
誰もが大丈夫だろうと思っていたのに、2ヶ月後、宗馬兄さんが病に感染して床に伏していると連絡があった。
現地に駆けつけて看病に当たりたいという華恵の願いは叶わなかったが、仲間の医師らの必死の治療で治癒したとして宗馬兄さんは帰ってきた。別人のように憔悴して。
がっしりしていた体はやせ細り、血色の良かった肌も青白く、何より目つきが弱くなっていた。それでも、涙を堪える華恵に笑顔を見せて、そっと抱き寄せ、弱々しく言ったのだ、
「ただいま、華恵。待たせて、すまなかった」と。
その後、宗馬兄さんは寝て過ごすことがほとんどで、華恵はずっと寄り添っていた。
ある日、見舞いに行くと、その日は気分が良かったのか布団の上に座って庭を眺めていた。
「この庭に枯山水を作りたかったんだがなぁ。」
などと諦めたように言うので、
「そんなお爺さんみたいなこと言わないでください。」
と言ってやったら
「よぼよぼ爺さんの気持ちがわかるようになったんだよ。」
と返された。しばらく黙ったままでいたが、ふいに
「華恵が寂しがるといけないから、よろしく頼むな。」
と言いながら笑った。
それが最後に交わした言葉となり、帰宅して3ヶ月後、華恵に看取られながら、宗馬兄さんは死んだ。
華恵は取り乱すことなく夫の死を受け入れたように見えたけれど、そのあまりに静かな様子に周囲は華恵がすぐに夫のあとを追ってしまうのではと心配した。笑うことがなくなり、話すことも少なく、静かに淡々と遺品の整理やら片付けやらを済ませながら、2年ほどの間に段々と弱っていき、陽が沈んで黄昏て、暗がりが取って代わるように儚くなって亡くなった。穏やかな最期だった。
まだ、25歳になったばかりだった。
ソウマが先に亡くなり、程なくハナがあと追うように死ぬ。
ハナが亡くなるまで見届けた私はその後どうなったのだろう。いつもハナと同じくらいの年齢だからあまり間を置かずに死んだのだろうけれど、憶えていないということは死を覚悟する前に死んでしまったのだろうか。
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