1 / 1
足の小指を打つ感じ
しおりを挟む
田中 竜治(たなか りゅうじ)29歳の朝は、災難から始まる。
まず起きる為にセットしたはずのスマホのアラームが鳴らない。
出勤予定時間は、もう15分も過ぎている。
〈さあ、どうする竜治。どうなる竜治。〉←ちょっと茶々を入れてみる
慌てて起きると、ベッドの台座に右足の小指をぶつける。
地味に痛いうえに誰にも怒れない例のヤツだ。
痛がりながらも立ち上がると、パジャマのズボンを脱ぎ始める。
が、バランスを崩し盛大に尻もちをつく。
あちらこちら痛いけれど時間は待ってくれない。
どうにか上着も脱ぎ、クローゼットへ急ぐ。
“バンッ”。一瞬何が起きたのか竜治にはわからない。
右手を見下ろすと、ドアノブがそこにある。
「うそ~ぉ。」おもわず大声が出る。
クローゼットのノブ、このタイミングで取れるかぁ~?
と内心ぼやきながら、あたふたとノブを元に戻そうと試みるが、
そう簡単に直るはずもなく、ガチャガチャと空しい音を立てる。
「ええ~いっ!!」竜治は強引な手段に出る。
ノブが付いていた穴に指を入れて前後左右に揺すってみる。
“カチャッ”。おおぉ~っ、なんと開いたではないか!! と、喜んだのも束の間。
“ドササササーッ”。頭の上から降ってきたのは紙袋の束と丸められた洋服たち。
とっさに両手で目を守る。と、足元の紙袋たちを這いつくばって掻き分け、
やっとの思いでワイシャツ・ネクタイ・ベルト・スーツの上下を取り出す。
ワイシャツを着てボタンをとめると、ズボンを慎重に履きベルトを締める。
すると靴下を持ってくるのを忘れていた事に気付く。
再びクローゼットに戻り衣装ケースの中の靴下を取り出そうとして、
ふと手を止める。
まさかケースの取っ手が取れて、靴下が出せないんじゃないだろうな。
と思いながら、ゆっくりと前に引き出してみる。なんともなかった。
良かった~っと思いつつ、一足取って束を広げてみると、まさかの柄違い。
そんなのが、2,3回続く。
今日はもうこれでいいかぁ~、と諦めかけたその時、
「おお~っ!!」奇跡的にお揃いが見付かる。
人間は学習する生き物だ。
もうコケるのは嫌だ、と靴下一足を大事そうに持ってベッドまで行き、
腰掛けてから慎重に履く。
たぶん、こんなに慎重に靴下を履くのは、今この世で竜治だけだろう。
靴下を無事に履き、ネクタイを握りしめながら、今度は洗面台に移動する。
歯ブラシと歯磨き粉を手に取る。
「やっぱり・・・。」
溜め息をつきながら、歯磨き粉が残り少ない事にがっかりする。
けれど、嘆いていても仕方がないので、
歯磨き粉のおしりの方を持ってぎゅ~っと絞り出す。
“ブヒッ”。と音を立てて、どうにか1回分が歯ブラシの上に乗る。
ガシガシ歯を磨き、口をすすぐ。
その流れで顔を洗うと、いつもの位置にあるタオルが無い事に気付く。
仕方が無い、と洗濯機の縁に掛けてあった、昨日のバスタオルに手を伸ばす。
「くっ、くさい。」せっかく顔を洗ったのに、そのタオルは匂っていた。
どうしよう、もう一度洗うか?と思ったが、もうどうでもよくなる。
鏡に向かいながら寝癖を軽くムースで直すと、嫌な気分のまま、
持ってきていたネクタイに取り掛かる。
こちらも一発では決まらず、2,3回グリグリして、やっと決まる。
トイレで用をすませると、洗面所を後にする。
リビングを通り抜けて、キッチンを目指す。
少しお腹がすいていたので、冷蔵庫を開けると飲むゼリーを取り出す。
リビングに戻り、チューチューやりながら、テレビをつける。
これで日曜日ならいいオチなのに、と思いながら、
聞き慣れた月曜日のコメンテーターの声に失望する。
で。テレビの時刻にビックリする。
「ああ。完全に遅刻だぁ。」
今日会社行くのやめちゃおうかなぁ、とも思ったけれど、
根は真面目な性格の竜治。それも出来ない。
テレビを消し戸締まりをして、出掛ける用意をする。
荒れ果てた寝室に別れをつげ、腕時計をして上着を身に付け、
スマホを手に取ると胸ポケットにいれる。
忘れ物は無いか、家の中を一瞥すると、鞄を手に家を出る。
駅まで5分。猛ダッシュで駆け抜ける。
相変わらずの出勤ラッシュの満員電車にウンザリしながら、会社のある駅で降りる。
40分くらいの遅刻ですみそうだ。と、竜治は先を急ぐ。
すると、“ポタン”。と変な音が右の耳元で聞こえる。何事だろうと肩口を見ると、
「ゲッ!?」なんと鳩のフン。「今日は一体なんて日なんだ。」
とブツブツ呟きながら、カバンの中にティシューがあるか探すも見付からず、
唯一あったハンカチで肩口をゴシゴシする。そうしてどうにか痕跡を消す。
が、手元のそれがお気に入りのハンカチだった事にショックを受ける。
もう走る気力も無くなり、トボトボと会社に到着。予想通り40分の遅刻。
そこだけは当たっていた。なんて、喜びも無いけどね・・・。
ちなみに竜治は、自社ビルの7階でシステムエンジニアをしている。
なので、セキュリティーチェックの為、社員証がいる。
そう。もうお分かりだろう。それが無いのであった。
よって、受付カウンターで上司を呼び出し、やっと中に入れた。
遅刻したうえに社員証を忘れた竜治は、上司にこっぴどく怒られ・・・
るならば良いのだが、この上司が異常なまでに優しい人で。
そっと微笑むと「行きましょう。」と一言。
頼むから怒ってくれえぇ~、いっそ怒られた方がいい~、
と心から願う竜治であった。・・・そんなこんなで帰宅時間。
会社内での仕事は特に大きなトラブルも無く、よって割愛させて頂く。
しいて言うならば、ランチの時に食べたナポリタンでワイシャツにシミを付けた事。
と、後輩にブルース・リーが敵を呼ぶような仕草で呼ばれた時イラッとした事くらい。
朝方のワチャワチャに比べれば、そんなもの屁でもない。
このまま帰宅するのもなぁ~と、重い足取りで会社を後にする。
どこかで飲んで帰るか?と思った竜治に、1件のラインが。
≪今、何処に居るの?≫
恋人の 田中 美佐(たなか みさ)26歳からだった。
同じ名字なのは偶然で、夫婦な訳ではない。
竜治は足を止め、歩道の端っこへ行くと、ラインを返す。
≪今、会社出たとこ≫ すると間髪入れず、
≪私も、今会社帰り≫ と返事が来る。ちなみに、美佐の仕事は証券会社の受付嬢。
実は、この彼女と1ヶ月程前に喧嘩をしていた。
理由は些細な事、でもないか。
なんとなく結婚を先延ばしにしていた竜治に、美佐がキレたのだった。
しかし、ゴメンの一言もなくラインを入れてくるなんて、と少し不快感をおぼえる。
≪今から会えない?≫ と美佐。
今日一日でとんでもなく疲れていた竜治は、会うことを承諾する。
気分を少しでも変えたかったのだ。
行き付けのレストランで、落ち合う約束をする。
その道中で、美佐が明日誕生日だった事を思い出す。
婚約指輪というのも頭に浮かんだけれど、今じゃないなと思い、
無難にネックレスあたりだなと、百貨店に向かう。
付き合ってもう5年になるのか。
と、ちょっとだけ美佐にすまない気持ちになる。
女性が好みそうなオーソドックスな1つを選ぶと、待ち合わせのレストランに到着する。
店内を見渡すと美佐はまだ来ていないようだ。
顔馴染みのワエイターに窓際のテーブルに案内されて座ると、美佐を待った。
程なく美佐が店内に現れる。
1ヶ月ぶりに見た美佐は、なんとなく綺麗で、一瞬ドキッとする。
そういえば今日は朝からついていなかった。
もしかして、と竜治は少しビビる。
前に座った美佐が、心持ち緊張している様に見えて、
ひょっとして別れ話でも切り出されるのでは、と感じたからだった。
精一杯普通を装いつつ、オーダーを聞きに来たウエイターに、
竜治はビールを、美佐はウーロン茶。それと3品の料理を頼んだ。
「元気だった?」美佐がゆっくりと口を開く。
「うん。美佐は?」ぎこちない会話が続く。
「あのね。急でごめんなさい。」
「どうした?」
「私ね・・・。」
竜治の心臓が高鳴りながら、次の一言を待つ。
「私ね。赤ちゃんが出来たの。」
え~っ!? 竜治の頭の中が、一時真っ白になる。
そしてくす玉がパッカ~ンと割れた様なイメージが浮かんだ。
「ほ、本当に?」竜治は嬉しい気持ちを素直に言葉に込めて聞いた。
「うん。」と、照れ臭そうに頷く美佐を。
ここが公共の場でなかったら、思わず抱きしめてしまいそうなくらい愛しいと感じた。
「結婚しよう。」竜治は自然とそう告げていた。
そうして指輪の代わりにネックレスを贈ると、改めて美佐にプロポーズをした。
今日1日の不運など全て吹き飛ばす程の、最高のオチだった。
それから2人は楽しく食事をし、今後のスケジュールを話し合った。
ただ、竜治の脳裏に。今朝グチャグチャにして出て来た部屋の中を、
数時間後に美佐から、猛烈に叱られている自分の姿が浮かんでいたのであった。
a2pro
まず起きる為にセットしたはずのスマホのアラームが鳴らない。
出勤予定時間は、もう15分も過ぎている。
〈さあ、どうする竜治。どうなる竜治。〉←ちょっと茶々を入れてみる
慌てて起きると、ベッドの台座に右足の小指をぶつける。
地味に痛いうえに誰にも怒れない例のヤツだ。
痛がりながらも立ち上がると、パジャマのズボンを脱ぎ始める。
が、バランスを崩し盛大に尻もちをつく。
あちらこちら痛いけれど時間は待ってくれない。
どうにか上着も脱ぎ、クローゼットへ急ぐ。
“バンッ”。一瞬何が起きたのか竜治にはわからない。
右手を見下ろすと、ドアノブがそこにある。
「うそ~ぉ。」おもわず大声が出る。
クローゼットのノブ、このタイミングで取れるかぁ~?
と内心ぼやきながら、あたふたとノブを元に戻そうと試みるが、
そう簡単に直るはずもなく、ガチャガチャと空しい音を立てる。
「ええ~いっ!!」竜治は強引な手段に出る。
ノブが付いていた穴に指を入れて前後左右に揺すってみる。
“カチャッ”。おおぉ~っ、なんと開いたではないか!! と、喜んだのも束の間。
“ドササササーッ”。頭の上から降ってきたのは紙袋の束と丸められた洋服たち。
とっさに両手で目を守る。と、足元の紙袋たちを這いつくばって掻き分け、
やっとの思いでワイシャツ・ネクタイ・ベルト・スーツの上下を取り出す。
ワイシャツを着てボタンをとめると、ズボンを慎重に履きベルトを締める。
すると靴下を持ってくるのを忘れていた事に気付く。
再びクローゼットに戻り衣装ケースの中の靴下を取り出そうとして、
ふと手を止める。
まさかケースの取っ手が取れて、靴下が出せないんじゃないだろうな。
と思いながら、ゆっくりと前に引き出してみる。なんともなかった。
良かった~っと思いつつ、一足取って束を広げてみると、まさかの柄違い。
そんなのが、2,3回続く。
今日はもうこれでいいかぁ~、と諦めかけたその時、
「おお~っ!!」奇跡的にお揃いが見付かる。
人間は学習する生き物だ。
もうコケるのは嫌だ、と靴下一足を大事そうに持ってベッドまで行き、
腰掛けてから慎重に履く。
たぶん、こんなに慎重に靴下を履くのは、今この世で竜治だけだろう。
靴下を無事に履き、ネクタイを握りしめながら、今度は洗面台に移動する。
歯ブラシと歯磨き粉を手に取る。
「やっぱり・・・。」
溜め息をつきながら、歯磨き粉が残り少ない事にがっかりする。
けれど、嘆いていても仕方がないので、
歯磨き粉のおしりの方を持ってぎゅ~っと絞り出す。
“ブヒッ”。と音を立てて、どうにか1回分が歯ブラシの上に乗る。
ガシガシ歯を磨き、口をすすぐ。
その流れで顔を洗うと、いつもの位置にあるタオルが無い事に気付く。
仕方が無い、と洗濯機の縁に掛けてあった、昨日のバスタオルに手を伸ばす。
「くっ、くさい。」せっかく顔を洗ったのに、そのタオルは匂っていた。
どうしよう、もう一度洗うか?と思ったが、もうどうでもよくなる。
鏡に向かいながら寝癖を軽くムースで直すと、嫌な気分のまま、
持ってきていたネクタイに取り掛かる。
こちらも一発では決まらず、2,3回グリグリして、やっと決まる。
トイレで用をすませると、洗面所を後にする。
リビングを通り抜けて、キッチンを目指す。
少しお腹がすいていたので、冷蔵庫を開けると飲むゼリーを取り出す。
リビングに戻り、チューチューやりながら、テレビをつける。
これで日曜日ならいいオチなのに、と思いながら、
聞き慣れた月曜日のコメンテーターの声に失望する。
で。テレビの時刻にビックリする。
「ああ。完全に遅刻だぁ。」
今日会社行くのやめちゃおうかなぁ、とも思ったけれど、
根は真面目な性格の竜治。それも出来ない。
テレビを消し戸締まりをして、出掛ける用意をする。
荒れ果てた寝室に別れをつげ、腕時計をして上着を身に付け、
スマホを手に取ると胸ポケットにいれる。
忘れ物は無いか、家の中を一瞥すると、鞄を手に家を出る。
駅まで5分。猛ダッシュで駆け抜ける。
相変わらずの出勤ラッシュの満員電車にウンザリしながら、会社のある駅で降りる。
40分くらいの遅刻ですみそうだ。と、竜治は先を急ぐ。
すると、“ポタン”。と変な音が右の耳元で聞こえる。何事だろうと肩口を見ると、
「ゲッ!?」なんと鳩のフン。「今日は一体なんて日なんだ。」
とブツブツ呟きながら、カバンの中にティシューがあるか探すも見付からず、
唯一あったハンカチで肩口をゴシゴシする。そうしてどうにか痕跡を消す。
が、手元のそれがお気に入りのハンカチだった事にショックを受ける。
もう走る気力も無くなり、トボトボと会社に到着。予想通り40分の遅刻。
そこだけは当たっていた。なんて、喜びも無いけどね・・・。
ちなみに竜治は、自社ビルの7階でシステムエンジニアをしている。
なので、セキュリティーチェックの為、社員証がいる。
そう。もうお分かりだろう。それが無いのであった。
よって、受付カウンターで上司を呼び出し、やっと中に入れた。
遅刻したうえに社員証を忘れた竜治は、上司にこっぴどく怒られ・・・
るならば良いのだが、この上司が異常なまでに優しい人で。
そっと微笑むと「行きましょう。」と一言。
頼むから怒ってくれえぇ~、いっそ怒られた方がいい~、
と心から願う竜治であった。・・・そんなこんなで帰宅時間。
会社内での仕事は特に大きなトラブルも無く、よって割愛させて頂く。
しいて言うならば、ランチの時に食べたナポリタンでワイシャツにシミを付けた事。
と、後輩にブルース・リーが敵を呼ぶような仕草で呼ばれた時イラッとした事くらい。
朝方のワチャワチャに比べれば、そんなもの屁でもない。
このまま帰宅するのもなぁ~と、重い足取りで会社を後にする。
どこかで飲んで帰るか?と思った竜治に、1件のラインが。
≪今、何処に居るの?≫
恋人の 田中 美佐(たなか みさ)26歳からだった。
同じ名字なのは偶然で、夫婦な訳ではない。
竜治は足を止め、歩道の端っこへ行くと、ラインを返す。
≪今、会社出たとこ≫ すると間髪入れず、
≪私も、今会社帰り≫ と返事が来る。ちなみに、美佐の仕事は証券会社の受付嬢。
実は、この彼女と1ヶ月程前に喧嘩をしていた。
理由は些細な事、でもないか。
なんとなく結婚を先延ばしにしていた竜治に、美佐がキレたのだった。
しかし、ゴメンの一言もなくラインを入れてくるなんて、と少し不快感をおぼえる。
≪今から会えない?≫ と美佐。
今日一日でとんでもなく疲れていた竜治は、会うことを承諾する。
気分を少しでも変えたかったのだ。
行き付けのレストランで、落ち合う約束をする。
その道中で、美佐が明日誕生日だった事を思い出す。
婚約指輪というのも頭に浮かんだけれど、今じゃないなと思い、
無難にネックレスあたりだなと、百貨店に向かう。
付き合ってもう5年になるのか。
と、ちょっとだけ美佐にすまない気持ちになる。
女性が好みそうなオーソドックスな1つを選ぶと、待ち合わせのレストランに到着する。
店内を見渡すと美佐はまだ来ていないようだ。
顔馴染みのワエイターに窓際のテーブルに案内されて座ると、美佐を待った。
程なく美佐が店内に現れる。
1ヶ月ぶりに見た美佐は、なんとなく綺麗で、一瞬ドキッとする。
そういえば今日は朝からついていなかった。
もしかして、と竜治は少しビビる。
前に座った美佐が、心持ち緊張している様に見えて、
ひょっとして別れ話でも切り出されるのでは、と感じたからだった。
精一杯普通を装いつつ、オーダーを聞きに来たウエイターに、
竜治はビールを、美佐はウーロン茶。それと3品の料理を頼んだ。
「元気だった?」美佐がゆっくりと口を開く。
「うん。美佐は?」ぎこちない会話が続く。
「あのね。急でごめんなさい。」
「どうした?」
「私ね・・・。」
竜治の心臓が高鳴りながら、次の一言を待つ。
「私ね。赤ちゃんが出来たの。」
え~っ!? 竜治の頭の中が、一時真っ白になる。
そしてくす玉がパッカ~ンと割れた様なイメージが浮かんだ。
「ほ、本当に?」竜治は嬉しい気持ちを素直に言葉に込めて聞いた。
「うん。」と、照れ臭そうに頷く美佐を。
ここが公共の場でなかったら、思わず抱きしめてしまいそうなくらい愛しいと感じた。
「結婚しよう。」竜治は自然とそう告げていた。
そうして指輪の代わりにネックレスを贈ると、改めて美佐にプロポーズをした。
今日1日の不運など全て吹き飛ばす程の、最高のオチだった。
それから2人は楽しく食事をし、今後のスケジュールを話し合った。
ただ、竜治の脳裏に。今朝グチャグチャにして出て来た部屋の中を、
数時間後に美佐から、猛烈に叱られている自分の姿が浮かんでいたのであった。
a2pro
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【アルファポリスで稼ぐ】新社会人が1年間で会社を辞めるために収益UPを目指してみた。
紫蘭
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスでの収益報告、どうやったら収益を上げられるのかの試行錯誤を日々アップします。
アルファポリスのインセンティブの仕組み。
ど素人がどの程度のポイントを貰えるのか。
どの新人賞に応募すればいいのか、各新人賞の詳細と傾向。
実際に新人賞に応募していくまでの過程。
春から新社会人。それなりに希望を持って入社式に向かったはずなのに、そうそうに向いてないことを自覚しました。学生時代から書くことが好きだったこともあり、いつでも仕事を辞められるように、まずはインセンティブのあるアルファポリスで小説とエッセイの投稿を始めて見ました。(そんなに甘いわけが無い)
小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、ノベルアップ+に同一作品を弱小作家が二重投稿した結果――PVを増やすために――
ネコ飼いたい丸
エッセイ・ノンフィクション
タイトルまんまです。一人でも多くの方に読んでもらう(PVを増やす)ために、弱小作家が約13万字(全42話)の拙作(処女作)を複数の投稿サイト(小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、ノベルアップ+)に投稿した結果を公開します。
*他サイト(小説家になろう、カクヨム)にも投稿しています。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
100000累計pt突破!アルファポリスの収益 確定スコア 見込みスコアについて
ちゃぼ茶
エッセイ・ノンフィクション
皆様が気になる(ちゃぼ茶も)収益や確定スコア、見込みスコアについてわかる範囲、推測や経験談も含めて記してみました。参考になれればと思います。
オオチョウバエの幼虫
月澄狸
エッセイ・ノンフィクション
人類の脅威や人間関係に疲れたら、逆さハートなオオチョウバエでも眺めて癒されましょう。
幼虫のエッセイですが幼虫の写真はありません。ごめんなさい。
滋味礼讃【料理編】
くさなぎ秋良
エッセイ・ノンフィクション
日本の台所の片隅から。
食卓を飾る四季折々の旬の食材。
思い出を宿す料理の数々。
鼻をくすぐる台所の湯気。
毎日のご飯から小説や映画、漫画の料理まで。
他サイトで公開していた『滋味礼讃』のうち素材にまつわる話をまとめたものです。他に【素材編】【菓子・果物編】【飲み物編】があります。
フリー朗読台本
𝐒𝐀𝐘𝐀𝐊𝐀
エッセイ・ノンフィクション
これは、私の心に留まる言葉たち。
この言葉たちを、どうかあなたの声で生かしてあげて。
「誰かの心に残る朗読台本を。」
あなたの朗読が、たくさんの人の心に届きますように☽・:*
この台本は、フリー朗読台本となっております。
商用等、ご自由にお使いください。
Twitter : history_kokolo
アイコン : 牛様
※こちらは有償依頼となります。
無断転載禁止です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる