上 下
24 / 102

第24話 運命の出逢い

しおりを挟む
【茨城冬香side】

 茨城冬香こと、私は兄さんが大好きだ。
 おそらくは兄さん恭介も……

 あれは、私達が小学一年生の頃に、おままごとをしていたら、粕谷剛かすや たけし鷺田脛夫さぎだ すねおがキャッチボールをしていた。
 本来なら、アノ子達は四丁目の公園で遊ぶはずだったけど、上級生に追い出されて私達の住んでいる五丁目の公園に来ていた。

 私達が、おままごとをしているのを邪魔に思った鷺田が暴投したフリをして野球のボールを投げ込んだのだ。
 兄さんは、私と真弓ちゃんにボールが当たりそうに成ったのを身を挺して守ってくれたのだ。

 幼馴染み、皆は真弓ちゃんを守ったと思っている。
 真弓ちゃん自身も思っているだろう。
 しかし、それは違う !
 兄さんは、私を守ってくれたのだ。
 私と兄さんは従兄妹いとこ同士、だから結婚だって出来るワケで……
 そう、最初から私はを果たしていたワケだ。

 だけど、油断は出来ない……情にほだされて他の誰かに兄さんを取られる可能性だってある。
 現に栞ちゃんと いつの間にか、距離を縮めていた。
 危ない、危ない、油断はしたつもりは無かったけど幼馴染み達、皆がスペックが高いことを忘れていたことに気がついた。

 さくらは、私のマネをして妹ポジションから兄さんを狙っている。
 隣の家、部屋も向かい同士だから、屋根づたいに兄さんの部屋に忍び込んでから兄さんの布団に潜り込む。
 まだ小学生だし、さくらも人一倍小さいから問題に成ってないけど……
 もう少しで中学生に成るのだから、今のまま間違いが有ったらと思うと気が気では無い。

 兄さんの部屋の窓の鍵は壊れている。
 何度、修理しても何時の間にか壊れている。
 犯人は、さくらに決まっている !
 あのロリっ子め、自分の武器を最大限に使っている。
 何度、注意しても止めないし、怒らない兄さんも兄さんだ !

 お姉ちゃん茨城春香も兄さんには、ダダ甘で甲斐甲斐しくお世話をしている、私の最大最強のライバルでもある。
 姉さん女房でも狙っているのだろう、油断も隙も有ったもんで無いわ !

 真弓ちゃんも兄さんに庇ってもらったとから兄さんを特別視している。
 兄さんを運命の相手だと思っているだろうけど、運命の相手は私ですから !

 埼玉三姉妹の内、愛ちゃんと舞ちゃんも別件で兄さんに助けられたことがあるらしく、一方的に想いを寄せている。

 そして、学園にも兄さんを想う女の子が……

 兄さん、どんだけフラグをバラ撒くつもりですか !?
 私の身にも成ってください !

 終いには、オネエ……男にまで…………
 変なフェロモンでも流しているのだろうか ?

 正妻戦争

 この恋のバトル・ロワイアルを勝ち抜き、兄さんの正妻に成るのは私だ !

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

伯爵夫人のお気に入り

つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。 数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。 喜ぶ伯爵夫人。 伯爵夫人を慕う少女。 静観する伯爵。 三者三様の想いが交差する。 歪な家族の形。 「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」 「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」 「家族?いいえ、貴方は他所の子です」 ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。 「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。

絆創膏をアソコに貼った私が無双して世界を救う!?

よすぃ
ファンタジー
魔王討伐への餞別として私が受け取ったもの…それは一枚の絆創膏だった!? お漏らしから始まるちょっぴりエッチなゆるふわ冒険ファンタジーここに開幕! ゆるふわコメディだけではなく、時には熱い戦いやえっちぃ展開も…!? たまに挿し絵も入れてます!画力の上昇にも注目してください 笑 ☆長期閲覧感謝企画開催中! 116話からしばらくの間、挿し絵かなり入れます! ノリと勢いでガンガン書いていくのでブックマーク等よろしければ。。 ●小説家になろうにも掲載してます!

今回も「許します」私がそう言うと思っていましたか?

四折 柊
恋愛
公爵子息は婚約者に浮気現場を見られて動揺するが、きっと優しい彼女ならばいつものように許してくれるはずと謝りに行ったところ彼女からこう告げられた。「まさか今回も許します、私がそう言うと思っていましたか?」

錬金術師カレンはもう妥協しません

山梨ネコ
ファンタジー
「おまえとの婚約は破棄させてもらう」 前は病弱だったものの今は現在エリート街道を驀進中の婚約者に捨てられた、Fランク錬金術師のカレン。 病弱な頃、支えてあげたのは誰だと思っているのか。 自棄酒に溺れたカレンは、弾みでとんでもない条件を付けてとある依頼を受けてしまう。 それは『血筋の祝福』という、受け継いだ膨大な魔力によって苦しむ呪いにかかった甥っ子を救ってほしいという貴族からの依頼だった。 依頼内容はともかくとして問題は、報酬は思いのままというその依頼に、達成報酬としてカレンが依頼人との結婚を望んでしまったことだった。 王都で今一番結婚したい男、ユリウス・エーレルト。 前世も今世も妥協して付き合ったはずの男に振られたカレンは、もう妥協はするまいと、美しく強く家柄がいいという、三国一の男を所望してしまったのだった。 ともかくは依頼達成のため、錬金術師としてカレンはポーションを作り出す。 仕事を通じて様々な人々と関わりながら、カレンの心境に変化が訪れていく。 錬金術師カレンの新しい人生が幕を開ける。 ※小説家になろうにも投稿中。

スカートの中、…見たいの?

サドラ
大衆娯楽
どうしてこうなったのかは、説明を省かせていただきます。文脈とかも適当です。官能の表現に身を委ねました。 「僕」と「彼女」が二人っきりでいる。僕の指は彼女をなぞり始め…

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

にくなまず
ファンタジー
今年から冒険者生活を開始した主人公で【ソロ】と言う適正のノア(15才)。 その適正の為、戦闘・日々の行動を基本的に1人で行わなければなりません。 そこで元上級冒険者の両親と猛特訓を行い、チート級の戦闘力と数々のスキルを持つ事になります。 『悠々自適にぶらり旅』 を目指す″つもり″の彼でしたが、開始早々から波乱に満ちた冒険者生活が待っていました。

めんどくさがり屋の異世界転生〜自由に生きる〜

ゆずゆ
ファンタジー
※ 話の前半を間違えて消してしまいました 誠に申し訳ございません。 —————————————————   前世100歳にして幸せに生涯を遂げた女性がいた。 名前は山梨 花。 他人に話したことはなかったが、もし亡くなったら剣と魔法の世界に転生したいなと夢見ていた。もちろん前世の記憶持ちのままで。 動くがめんどくさい時は、魔法で移動したいなとか、 転移魔法とか使えたらもっと寝れるのに、 休みの前の日に時間止めたいなと考えていた。 それは物心ついた時から生涯を終えるまで。 このお話はめんどくさがり屋で夢見がちな女性が夢の異世界転生をして生きていくお話。 ————————————————— 最後まで読んでくださりありがとうございました!!  

処理中です...