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第21話 青い薔薇
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【埼玉舞side】
愛ちゃんが新撰組を呼びに行っている間に私は先行して恭介の居る体育館裏に着いた。
恭介は無事だったけど、隣のクラスの能美伸美太とウチのクラスの近衛静香が修羅場の現場に出くわしてしまった。
「らしくない?」
能美の顔は怒りに染まっている。
どうしたのだろうか ?
恭介と同じ大人しい印象だった能美の意外な一面を見てしまった。
視線は気絶している鷺田脛夫、佇んでいる凄井殂英才、近衛静香、三人に向けられている。
「君達が僕の何を知っているのさ?“あの日”止めることもせず、見ているだけだった二人やあんな事をしたコイツらを僕は許せない……僕は」
そこで冷静さを取り戻したのだろう。
能美はハッとした表情で周りを見た。
そこで理由が解った。
あの事件、私達 子供たちには有名な事件だ。
なによりも、醜悪なことに鷺田が武勇伝のように触れ回っていたからだ。
私達は能美に同情したし、逆に鷺田と粕谷剛を嫌悪した。
近衛静香は困惑していた。
恭介は何も言わない。
「ごめん、少し冷静さを欠いていた。茨城くん、あとは任せるね。僕は教室へ戻るよ」
竹刀を不良に渡すと能美伸美太は去って行った。
茫然としていた私は、しばらくしてクラス委員長である凄井殂英才を見た。
「凄井殂くん、状況を説明してくれるかしら ?」
凄く答えずらそうにしている委員長。
「ウチの仲間がすまないことをしたな。こいつを連れて帰る」
淡々とした態度で粕屋剛は気絶している鷺田を抱えるようにして立ち去った。
残された二人もその場を離れた。
昭和のスケバンみたいな女子生徒は、ため息をしながら……
「もったいないねぇ~。 アタシが目を付けただけあって良い男に成りそうなのに、逃げられてしまったわ。
粕谷剛も、なかなか良い目をしていたけど、アタシ達の仲間には成ってくれなさそうだしねぇ。
アタシの男運が悪いのか、蛇骨会に魅力が無いのか……どう思う、お嬢さん ? 」
私に話を振ってきたスケバンの先輩……
先輩に魅力が無いからでは、なんて答えようも無くて口籠っていたら、愛ちゃんが新撰組を連れてくるメッセージが届いた。
「……ここまでのようだね。
お前たち、ずらかるよ !」
「「アラホラサッサー ! 」」
どうやら気付かれてしまったみたい……
「また、あらためて逢いに来るわ、茨城恭介くん。
見た目に反してクールなのね。
お姉さん、惚れたわ !」
そう言って、恭介の所に行って……キスを……
フイッ ! キスを身をひるがえして避けた。
「ツレないねぇ~、恭介くん。
ますます惚れたわ。 絶対、アタシのモノにして魅せるからね。
アタシは佐渡屋薫、蛇骨会では青薔薇と呼ばれているわ。
よろしくね、恭介くん ❤️」
ギャァァァァ ! あのオバサン、私の恭介に なにしてくれんのよ !
佐渡屋薫は、私にもウインクして立ち去ってしまった。
上等よ ! その挑戦、受けてやるわよ !
入れ違うようにして、愛ちゃんが機動新撰組の藤堂宜虎先輩を連れて来た。
「どうやら遅かったようだね 」
私は藤堂先輩に事情を話したら、愛ちゃんも憤慨していた。
「あちゃー、青薔薇に目を付けられちゃったか !
あのショタ好きめ ! 」
藤堂先輩は天を仰ぐように青空を見ながらタメ息をした。
そして、凄く言い難そうにしながら……
「非常に言い難いんだが、青薔薇の佐渡屋薫は男なんだよ……見かけは美人なんだが……」
「「ギャァァァァ ! 」」
私と愛ちゃんの悲鳴が木霊した瞬間だった。
愛ちゃんが新撰組を呼びに行っている間に私は先行して恭介の居る体育館裏に着いた。
恭介は無事だったけど、隣のクラスの能美伸美太とウチのクラスの近衛静香が修羅場の現場に出くわしてしまった。
「らしくない?」
能美の顔は怒りに染まっている。
どうしたのだろうか ?
恭介と同じ大人しい印象だった能美の意外な一面を見てしまった。
視線は気絶している鷺田脛夫、佇んでいる凄井殂英才、近衛静香、三人に向けられている。
「君達が僕の何を知っているのさ?“あの日”止めることもせず、見ているだけだった二人やあんな事をしたコイツらを僕は許せない……僕は」
そこで冷静さを取り戻したのだろう。
能美はハッとした表情で周りを見た。
そこで理由が解った。
あの事件、私達 子供たちには有名な事件だ。
なによりも、醜悪なことに鷺田が武勇伝のように触れ回っていたからだ。
私達は能美に同情したし、逆に鷺田と粕谷剛を嫌悪した。
近衛静香は困惑していた。
恭介は何も言わない。
「ごめん、少し冷静さを欠いていた。茨城くん、あとは任せるね。僕は教室へ戻るよ」
竹刀を不良に渡すと能美伸美太は去って行った。
茫然としていた私は、しばらくしてクラス委員長である凄井殂英才を見た。
「凄井殂くん、状況を説明してくれるかしら ?」
凄く答えずらそうにしている委員長。
「ウチの仲間がすまないことをしたな。こいつを連れて帰る」
淡々とした態度で粕屋剛は気絶している鷺田を抱えるようにして立ち去った。
残された二人もその場を離れた。
昭和のスケバンみたいな女子生徒は、ため息をしながら……
「もったいないねぇ~。 アタシが目を付けただけあって良い男に成りそうなのに、逃げられてしまったわ。
粕谷剛も、なかなか良い目をしていたけど、アタシ達の仲間には成ってくれなさそうだしねぇ。
アタシの男運が悪いのか、蛇骨会に魅力が無いのか……どう思う、お嬢さん ? 」
私に話を振ってきたスケバンの先輩……
先輩に魅力が無いからでは、なんて答えようも無くて口籠っていたら、愛ちゃんが新撰組を連れてくるメッセージが届いた。
「……ここまでのようだね。
お前たち、ずらかるよ !」
「「アラホラサッサー ! 」」
どうやら気付かれてしまったみたい……
「また、あらためて逢いに来るわ、茨城恭介くん。
見た目に反してクールなのね。
お姉さん、惚れたわ !」
そう言って、恭介の所に行って……キスを……
フイッ ! キスを身をひるがえして避けた。
「ツレないねぇ~、恭介くん。
ますます惚れたわ。 絶対、アタシのモノにして魅せるからね。
アタシは佐渡屋薫、蛇骨会では青薔薇と呼ばれているわ。
よろしくね、恭介くん ❤️」
ギャァァァァ ! あのオバサン、私の恭介に なにしてくれんのよ !
佐渡屋薫は、私にもウインクして立ち去ってしまった。
上等よ ! その挑戦、受けてやるわよ !
入れ違うようにして、愛ちゃんが機動新撰組の藤堂宜虎先輩を連れて来た。
「どうやら遅かったようだね 」
私は藤堂先輩に事情を話したら、愛ちゃんも憤慨していた。
「あちゃー、青薔薇に目を付けられちゃったか !
あのショタ好きめ ! 」
藤堂先輩は天を仰ぐように青空を見ながらタメ息をした。
そして、凄く言い難そうにしながら……
「非常に言い難いんだが、青薔薇の佐渡屋薫は男なんだよ……見かけは美人なんだが……」
「「ギャァァァァ ! 」」
私と愛ちゃんの悲鳴が木霊した瞬間だった。
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