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嵐のごとく Ⅳ ②

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【嵐side】

  判っていたことだが NPCの防具屋には、ろくなものが無いなぁ~。
 アテナのアイギスの盾とまでは云わないが、もう少しマシな盾は無いか探していたら、

「 そこのお兄さん、 盾ならアタイを買ってよ !
絶対にお得だからさぁー ! 」

 へっ ? 盾が喋るワケないよな……ここは、無視 無視 !

「コラァー !  無視するなぁー !
いい加減、ここでほこりをかぶっているのは嫌なんだよぉー !
 頼むから買っておくれよぉ~ ! 」

 某ツンデレ魔法使いの使い魔が持っていた、インテリジェント・ソードなら欲しいが、喋る盾なんてろくなことが無さそうだぞ !

「 ホウー ! 確かに喋る盾なんて珍しいな、名前は何て言うんだい ? 」

 巧……サナダの悪い癖が出てしまった。
変な処で好奇心が旺盛なんだよな !

「よくぞ聞いてくれました !
アタイの名は『 ダークネスの大盾』と云うだよ !
 どんな攻撃も耐えるから、買っておくれよぉ~ ! 」

「面白そうだな、嵐……否、ケンシン !
この大盾にしようぜ !」

 ギレンの奴は面白がってますすめてくるが、装備するのは俺なんだぞ ! 
 そうこう言っているウチにNPCに装備されてしまった。

「おい、まだ買うなんて言ってないぞ ! 」
抗議したにも関わらず

「まいどおおきに ! 」

「だから、買うなんて…

「まいどおおきに !」

「だから、らねえと言っ……

「まいどおおきに ! 」

「この大盾を返品するから……

「返品は、あきまへん ! 」

 このNPCを殴っても俺は悪く無いよな !

 NPCを殴ろうか迷っていたら、サナダやギレンに止められてしまった。

「ゲーム内でNPCに暴力をふるうと『レッドカード』が出て、アカウントを停止させられるぞ !」

「特殊な効果があるかも知れないから、使ってみろよ !
 俺は装備出来ないのが残念だなぁ~……プッ、クッ クッ クッ クッ 」

 サナダは、ともかくギレンまロッキーは完全に面白がっているな !
 ……最近、性格が悪く成って来たなぁ~ ロッキーは。
 
 装備させられた大盾……確かに少しカッコいいが、……
だが、断る !  
 俺は『NO』と言える日本人なんだよ!お前は、オリュンポスの軍神だろう!

 大盾を外そうとしたら、

 デッ デッ デッ デッ デッ デッデッ デッデ ♪

 何処かで聞いた呪いの曲が流れて、

【 この装備は外すことは出来ません ! 】

 と云うメッセージが流れた。

 やっぱり、呪われているんじゃないかよぉー !

 その後、教会に行って神に祈って呪いを解こうとしたが無理だった。

 クソゥ、役立たずの神だよなぁー!お前が言うなぁー! 

「末長く、よろしくね !
…………旦那様と呼んだ方が良いかい ?」

「呼ぶな! ……ケンシンと呼んでくれ ! 」

 まったく、疫病神にでも憑かれているのかなぁ~ 俺。
 
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