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【エリスside 】
恭華の機嫌が悪い。
ユリリンに出し抜かれた事が よっぽど悔しいらしいけど…
仮にも知恵の女神である私達を舐めすぎなのよね !
久しぶりにユリリンの管理する世界に戻ったついでに今のヒト族国家の現状を知りたくて魔王城の執務室に忍び込んだんだけど………魔王の資料を見て呆れるやら感心するやら複雑な気分だわ。
「 エグいわね ! 国都の食料庫から食料を横流しで買い取った上で 経済封鎖をする為に街道を封鎖して食料の流入を止めた上に商人や農民をごっそり引き抜くなんて ………
流言蜚語で民衆の恨みを王公貴族に擦りつけて、民が飢えで苦しみだしたら魔王軍で炊き出しをして民を味方につけるなんて魔王と云うより悪魔だわ
私も『不和と争いの女神』と云われているけど、ここまで悪辣ではないわ !
流石、恭華ね。人間を辞めて大魔王に成っただけはあるわね」
「 でも、それが一番無益な血が流れる事を防ぐなら私は大魔王を支持するわ。
地上の平和を望む私としても この世界のヒト族は邪悪だと判断せざるを得ないわね。
あまりにもヒト族の欲望が強すぎて、平和を望むのが魔族なんて本当に世界は広いわね 」
あらら、人間贔屓のアテナに見捨てられるなんて、本当にこの世界のヒト族は 度し難いわね。
大魔王は、まだ実行に移す気は無いようだけど
何時でも実行に移せるように成っているなんて、この世界のヒト族には同情はしないけど気の毒ではあるわね。
戦う前に既に決着がついているんだから、それに気がつかない王公貴族達の暗愚ぶりには呆れるしかないわ。
「 ………… 妹よ、こちらの資料を見てくれ !」
お兄様から渡された資料を見て感心してしまったわ。
王国と帝国を争わせるだけで無く、それぞれの国の後継者争いを裏から操るなんて………なんて私好みの策略なんでしょう !」
見直したわ、恭華 !
私から『 不和と争いの悪辣大魔王』の称号を贈りたいわね。
私達がそんな話をしていたらユリリンが御菓子を持って来た。
「 恭華の隠し戸棚から季節限定『 苺とホイップクリームのチョコパイ』を持って来たので皆で食べようなのじゃ ! 」
「 おい おい 勝手に食べたら、またお仕置きされるぞ !」
と、言いながらも『チョコパイ』の包みを手に取るお兄様も充分、懲りていないと思うんだけどね。
「良いのじゃ ! 恭華も妾の『 お萩 』や『 きなこ餅 』を勝手に食べたから、おあいこ なのじゃ ! 」
恭華が来る前に さっさとお暇しましょう。
恭華が執務室に入った時には、私達は天界に転移した後だった。
恭華の機嫌が悪い。
ユリリンに出し抜かれた事が よっぽど悔しいらしいけど…
仮にも知恵の女神である私達を舐めすぎなのよね !
久しぶりにユリリンの管理する世界に戻ったついでに今のヒト族国家の現状を知りたくて魔王城の執務室に忍び込んだんだけど………魔王の資料を見て呆れるやら感心するやら複雑な気分だわ。
「 エグいわね ! 国都の食料庫から食料を横流しで買い取った上で 経済封鎖をする為に街道を封鎖して食料の流入を止めた上に商人や農民をごっそり引き抜くなんて ………
流言蜚語で民衆の恨みを王公貴族に擦りつけて、民が飢えで苦しみだしたら魔王軍で炊き出しをして民を味方につけるなんて魔王と云うより悪魔だわ
私も『不和と争いの女神』と云われているけど、ここまで悪辣ではないわ !
流石、恭華ね。人間を辞めて大魔王に成っただけはあるわね」
「 でも、それが一番無益な血が流れる事を防ぐなら私は大魔王を支持するわ。
地上の平和を望む私としても この世界のヒト族は邪悪だと判断せざるを得ないわね。
あまりにもヒト族の欲望が強すぎて、平和を望むのが魔族なんて本当に世界は広いわね 」
あらら、人間贔屓のアテナに見捨てられるなんて、本当にこの世界のヒト族は 度し難いわね。
大魔王は、まだ実行に移す気は無いようだけど
何時でも実行に移せるように成っているなんて、この世界のヒト族には同情はしないけど気の毒ではあるわね。
戦う前に既に決着がついているんだから、それに気がつかない王公貴族達の暗愚ぶりには呆れるしかないわ。
「 ………… 妹よ、こちらの資料を見てくれ !」
お兄様から渡された資料を見て感心してしまったわ。
王国と帝国を争わせるだけで無く、それぞれの国の後継者争いを裏から操るなんて………なんて私好みの策略なんでしょう !」
見直したわ、恭華 !
私から『 不和と争いの悪辣大魔王』の称号を贈りたいわね。
私達がそんな話をしていたらユリリンが御菓子を持って来た。
「 恭華の隠し戸棚から季節限定『 苺とホイップクリームのチョコパイ』を持って来たので皆で食べようなのじゃ ! 」
「 おい おい 勝手に食べたら、またお仕置きされるぞ !」
と、言いながらも『チョコパイ』の包みを手に取るお兄様も充分、懲りていないと思うんだけどね。
「良いのじゃ ! 恭華も妾の『 お萩 』や『 きなこ餅 』を勝手に食べたから、おあいこ なのじゃ ! 」
恭華が来る前に さっさとお暇しましょう。
恭華が執務室に入った時には、私達は天界に転移した後だった。
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