Good Bye 〜愛していた人〜

鳴宮鶉子

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貴方に教えて貰ったスキル

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恋人と住んでいた新宿駅側のタワーマンションの最上階の6LDKのマンションから、京都へ移住したわたし。

ノベル小説作家として、2ヶ月に1冊、中高校生向けの小説を出版しているけれど、それだけでは京都で1人暮らしができないから、IT系の国家資格を何個か取っていたのを武器に任天社でゲームプログラマーとして勤務する事にした。
正社員でなくて派遣社員だから、勤務時間は守られてるから、無理なく、働けてる。

「新谷さん、ここの動作どうしたらスムーズに動く」

……なぜか、正社員に聞かれて、わたしが教えてる。

わたしのITの知識は、彼の横で見て覚えたもので、資格も一緒に勉強してなんとなく取っただけで、IT関係の仕事をした経験はない。

大学を卒業してから、彼と完全に同棲するようになってからは、彼がわたしに家にいて小説執筆に専念するよう言って、くれたから、わたしは、彼に甘えて、家に閉じこもって、ノートパソコンのキーボードをカタカタと叩いてた。

2年間、引きこもりをしてた。

引っ越しはスムーズにできた。

彼は滅多に帰ってこない。

でも、運悪く、出て行く時に出くわすかもしれない。

彼にばれないように出て行きたい。

だから、服と本類とお気に入りの小物を新居宛に宅急便で送り、iPhoneを解約して、東京を後にした。

京都駅側の昔ながらの街並みが残ってる、法光寺の側の賃貸マンションに運良く入居できた。

1LDKなのに家賃が月に8万5千円もするけど、住む所にはこだわりたくて、ここしか気にいる物件がなかったから、決めた。

ノベル小説作家だけの収入では、生活はできない。
だから、引っ越してすぐに、任天社で派遣社員として働けて、良かった。
任天社での仕事で、月収が、引かれてに25万円ぐらい貰えるから、なんとかなる。

新しい地での生活を、わたしは、思いっきり楽しんでた。

「新谷さん、派遣社員としてじゃなくて、正社員として働かない?」

「正社員になると、残業必須じゃないですか、お断りします」

「派遣社員だと任せられる仕事に限りがあるから、じゃ、パート社員で!!今より給料上乗せするし、残業も無しだから」

ゲームプランナーのドン、西城さんが、神頼みをするように手を合わせて、スカウトしてくる。

京都に移住して、半年が経った。
来月で派遣社員としての契約が切れる。
更新するか、他の会社に派遣社員として行くかを悩んでた。
本職はノベル作家だから、いろんな会社に派遣社員として入る事は、いろんな業種や人間関係を学べる気がしていいなと思う。

でも、わたしができる事は限られて、派遣会社とのやりとりも面倒臭く、働いてる仲間がみんな優しい人ばかりで居心地が良いから、契約社員として任天社の社員になる事を承諾した。

派遣社員という縛りがなくなり、複雑だけど面白い仕事を任せて貰えるようになり、さらに、充実した日を過ごせるようになった。

9月の終わりに、京都へ移り住んだわたし。
半年が過ぎ、季節は春になった。

京都の昔ながらの街並みに、桜の花。
桜並木を歩いて、出勤するわたしは、毎日が楽しかった。

ITに関する知識は、彼から教わり、そばにいた事で身についたチカラ。

彼から教わったスキルがあるから、京都で1人暮らしするための資金を稼ぐ事ができてる。

ほぼ、定時に任天社から帰宅し、本業のノベル小説を執筆する。

家に閉じこもっている時と違い、時間に限りがあるのと、外に出て刺激を受けてるからか、サクサクと文章が綴れた。

だから、出版したノベル小説も、高評価を受けた。

わたしは、京都に移住して、良かったと心から思った。

彼は、わたしを、探してるかな……。

多忙な人だから、わたしが居なくなっても、気にしてないかもしれない。

気づいてないかもしれない……。



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