貴方の子を産み育ててますが、結婚はお断りします

友人のおめでたと引越し

「か、か、伽音ちゃん、……ど、ど、どうしよう！！」

3月1日。
昼休憩に挙動不審な凛花ちゃんがうちにランチを食べにきた。
今日のランチは成城石田の鮮魚コーナーに美味しそうな鮭の切り身があったから、普通に鮭の塩焼きとポテトサラダと絹豆腐とえのきの味噌汁にほうれん草のお浸しにした。

「どしたの？翔兄に結婚式のパンフレットでも渡された？」

イブウイルスが流行してる時に元キモ夫と凛花ちゃんは結婚したから、結婚式をしてない。
それを知った翔兄が、凛花ちゃんにウェディングドレスを着せたいと言ったらしく、女の子らしい格好をしたくない凛花ちゃんは嫌で堪らない。

「そ、そ、それもあるけど、せ、生理予定日なのに、生理がこない！！」

「…………」

生理周期が安定していない私は、いつが予定日かなんて、わからない。
28～42日間隔で、遅れたら、栄養が足りてないのかもと思うだけ。
だから、頼翔が授かってた時も、23週まで気がつかなかった。

「17日に翔真と避妊せずに子供作る気でやっから、ーーできてるかもしれない！！」

パニックを起こしてる凛花ちゃん。
復縁して、プロポーズされ、かなり熱い週末を過ごしたのだろう。

「……近くの薬局に妊娠検査薬買いに行って、検査してみたら？最近のは生理予定日にはわかるみたいだから。翔真と一緒に調べてみなよ。妊娠してるかもしれないなら、しっかり栄養摂らないとね！！昼ご飯、食べよう！！」

14時過ぎに凛花ちゃんからLINAメッセージが届いた。
開くと写真が添付してあり、妊娠検査薬が写っていて、結果の窓に縦線があり、陽性で妊娠してる事を表してた。

“おめでとう！！”

と、すぐにクマさんのスタンプを送る。
凛花ちゃんから、すぐに

“ありがとう！！”

と、ネコさんのスタンプが届いた。

凛花ちゃんと翔兄は、赤ちゃんができた記念日に、籍を入れ夫婦になった。

そして、3月21日に、凛花ちゃんは翔兄のマンションに引越した。

「凛花ちゃん、翔兄と幸せな楽しい生活を送ってね！！週末に……遊びにきてね。わ、私も頼翔と遊びに行くから！！」

隣の部屋に住んでいた凛花ちゃんがいなくなったのは、とても寂しかった。