The one I really love

鳴宮鶉子

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テクニックより恋情

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「ソミーグループの会長から結婚を反対されたの。私と離婚しないと湊をCEOにしないと言われたから、離婚届を渡してきた」

元日の夕方に実家に着き、父と母に離婚の経緯を話した。

「……もう、ソミーで働きづらいから、こっちで仕事を見つけてここで生活する」

AIエンジニアになりたくて、普通科の高校ではなく高専に進み、難しい国家資格の取得とIT関連会社でアルバイトをして経験を積み、ソミーのAIシステム部に採用された。

多忙極まりなく、湊に指示された仕様システムを、ひたすらプログラミングしてただけだけど、高度なAI開発に携われたから楽しかった。

湊との離婚について、あれこれ聞かれたくなく、荷物を置いてから気晴らしで駅前のゲームショップに行く事にした。



しばらく仕事もせずに実家の自分の部屋に閉じこもってゲーム三昧の生活を送ろうと思い、ゲームショップの中に入るとRPG系のゲームソフトを漁る。

新作のゲームが出るたびに、お金を折半して購入し、クリアーするまで大貴の部屋で徹夜で一緒にやってた事を思い出す。

「………あれっ、凛花、お前、東京に帰ったんじゃないのか?」
「………うん。ちょっと色々あって、離婚届突き出して京都に戻ってきたの」

の新作を手に取って見つめてたら奇遇な事に、大貴に声をかけられた。

実家で暮らすならお隣さんの大貴と度々顔を合わせる事になるからさらっと離婚報告をする。

「……離婚したんだ」
「ソミーグループのCEOになる人の奥さんに一般人の私は相応しくなくて、離婚しないと後継者にしないと会長に言われたの。だから、離婚届を提出するんじゃないかな」
「……旦那と別れるかもしれないのに平然としてるな」

好きとか愛してるという感情があって結婚したわけじゃない。

離婚できて、清々してる。

ソミーでAIエンジニアとして働けなくなった事は残念だけど、湊から自由になれた事を嬉しく感じてる。

「……お前って、異性を好きになるっていう感情が欠如してるよな」
「……かもしれない。仕事に打ち込んだりゲームをしてる方が楽しいもん」

デルタの伝説とチビモンのソフトを購入し、大貴とショップから出る。

「凛花、これから暇?暇だったら、俺が自作してるゲームをして試しにプレイしてくれない?」

「大貴、任天社でゲーム制作をしてるだけじゃなく、趣味で自作してるんだ!!
もちろん、やる!!やりたい!!」

大貴は実家を出て、京都駅側のタワーマンションの中層階に住んでた。
大学時代に始めた株で儲けてるらしく、いい暮らしをしてた。
最新のハイテクパソコンが何台もあるパソコンルームに通され、できたてほやほやのゲームをプレイする。

CGを駆使した映像に、動作がスムーズでプレイしやすい。
ストーリーも面白く、攻略が必要な戦闘や謎解きに苦戦するもクリアーした後の爽快感が堪らなくて、引き込まれてしまった。


「45時間でクリアーか……。もう少しボリュームを増やした方がいいかな」
「このままがいいよ!!面白かった!!」

元日の夜から2日の深夜まで大貴の家で、一睡もせずにお風呂にも入らず、ゲームをプレイしてた。
大貴が買ってきてくれたおにぎりとパンを食べ、最低限の水分補給はしてた。

「お腹すいた。後、2日間お風呂に入ってないから気持ちが悪い!!大貴、お風呂貸して!!後、Tシャツも!!ら」

実家に帰るのが面倒なのと、大貴とゲームの話をしたくて、大貴からトレーナーを借りてシャワーを浴びる。

私がシャワーを浴びてる間に、大貴が地下にある食品スーパーで買ってきてくれた豪華な御節のオードブルと酎ハイを買ってきてくれた。

「大貴、洗濯機もかりたから!!酎ハイ、グレープフルーツの貰うね!!」

リビングの机の上に置かれた
500mlの酎ハイを手に取り、開けて、ゴクリと一口飲む。

「……凛花、お前、もしかして、下着……」
「うん。つけてないよ。ノーブラノーパン。3日間も同じのつけるの気持ち悪いし!!」

大きめのトレーナーだからシャツワンピみたいで太腿まで丈がある。

「ーーおい!!胡座をかくな!!」
座って豪華な御節を箸でつつこうとしたら、大貴に座り方を注意された。


「……大貴、このゲーム、任天社で出すの?」

数の子を口に頬張り、2缶目の酎ハイを開ける。限定のアセロア味をぐびっと飲む。

「……これは起業した時に出すために4年前から製作してやっと完成させたた作品だから、独立してから商品化させる」
「……大貴、IT起業の社長になるんだ!!」

ゲーム開発の仕事に携わりたいと言ってた大貴。
最大手の任天社に就職し、ゲームクリエーターとしてデルタの伝説の開発をしてると聞いた。

「………大貴、他にはゲーム作ってないの!!」

「身体をこっちに乗り出すな……
見えるから!!」

何が見えるのかと思ったら、だぼだぼなトレーナーだから、首元が浮いて、胸の谷間が丸見えだった。

顔を赤くして横を向いて見ないようにしてる大貴の左手を掴み、手を突っ込ませて膨らみを触らせた。

「ーー オイ、やっ、ヤメロ!!」
「……もしかして、大貴、お洒落になってカッコよくなったけど、童貞なの!?」
「ハっ、童貞じゃない!!」
「彼女いた事ないんでしょ!!」
「付き合いで合コンに参加してたら、女の子から誘われて、その場限りの関係を持った事が何度かあるわ!!」
「ふー………ん」

完全に狼狽えてる大貴。指が私の胸にあたり、本能に負けて軽く揉んでる。

限りなく女性経験がないとみた。

見た目はカッコいいプレイボーイになっても、大貴は昔と変わらず真面目なゲーマーで引きこもりのままだった。

「お腹も膨れたし、大貴。ゲームじゃなくて、大人の男女の遊びしよう!!」

大貴の腕を抜き、立ち上がると、大貴に向き合うように跨がって座わった。
ズボン越しに大貴の股間が大きくなってるのがわかる。

「……お、お前、ノーパン、擦り付けるな……」

「ーー 大貴、遊ぼう!!」


大貴の首に腕を回し、胸を大貴の胸に押し付けて形のいい唇に唇を押し付けた。
そして口内に舌を入れ、大貴の舌に絡める。
ディープなキスはあまり好きじゃない。
だけど、大貴と猛烈にしたくなった。

口づけを辞めて大貴の顔を見ると大貴はうっとりした表情を浮かべてるけど、少し苦しそうだった。

「………凛花、ふざけるな」
「ふざけてない!!」
「旦那と別れてヤケ起こしてるのか!!」
「起こしてない。元々、好きで結婚したわけじゃなかったし。大貴、遊ぼう」

ノーパンでずっとズボン越しに擦り付けてるからか、大貴の股間はキツキツで苦しそう……。

ベルトのバックルを外し、ズボンのホックを外すと、自然にジッパーが下がった。
トランクを下げて爆発寸前の男の竿を手で掴む。

「……やめろ、離せ」

手で竿を上下に刺激すると大貴は気持ちよさそうだけど、それを私に悟られないよう、必死に口だけ抵抗する。
大貴の反応が愛おしくて、思わず、舌で先端をペロペロし、口の中に含んだ。

「………ウッ……、待った!!」
ちょっと刺激しただけなのに、大貴は私の口の中に精を放出した。
それを飲み込み、勢いがなくなった男の竿を手で掴む。

「………大貴、私も楽しませて」

放出したばかりなのに、私に掴まれただけですぐに屹立し固くなった。
足を伸ばして座ってる大貴に向き合う体勢で跨り、それを私の中に埋めた。


「……さすがにまずい!!お前、まだ人妻だろ!!そんな事されたら…俺、お前が離せなくなる……」

ダボダボなトレーナーを脱ぎ捨て大貴の首に腕を回して腰を動かす。
私に手を出す事に躊躇していた大貴だったけど、理性が本能に負け、私の左の乳房に吸い付き、右腕を私の腰に回した。

湊に抱かれてテクニックでイかされるよりも、気持ちがよかった。






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