The one I really love

鳴宮鶉子

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結婚なんてしません

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二徹明けからの夕方まで激務、それからのビール1杯で居酒屋で寝こけてしまった私。

その後の記憶は曖昧で、目が覚めたら知らない家のダブルサイズのベッドの上で目が覚めた。

ーー なんで、全裸なの。しかも、ダニにでも噛まれたのか?

身体の至る所が赤くなっているのに気づき、ベッドから出ようとして下着と服を探すも無くて焦る。

立ち上がろうとしたら腰が痛くて、生理痛のような痛みがして布団をはいで恐る恐るマットレスを見たら、薄い生理とは違う感じの血が染み付いてた。

1週間前に生理がきたから生理なわけはなく、ひりひりした痛みと骨盤の痛みから……まさかの処女喪失とムンクの叫び状態になった。

ーー 相手はあいつしかいない。

見た目がイケメンすぎるぐらいイケメンで、仕事もできすぎるぐらいできすぎる男!!
女には困ってないはずなのに、たまにはまずいゲテモノに手を出したくなったのか、私を食べちゃったみたい。

「やっと起きたか、凛花!!」

アルマーニとサンローランのハイブランドの服をカッコよく着こなす瀬崎。

寝室のドアを開け、腕を組んで私の方を見つめ、不敵な笑みを浮かべた。

「凛花、今日は立てないだろっ。
昨日ハジメテなのに無理させたからな」

やはり、私は瀬崎に抱かれたらしい……。
掛け布団で身体を隠して立ち上がろうとしても腰が痛くて、立てない。

「ハジメテの責任は取るから。結婚しようか」

立てない私に近づき、下顎に手を添え私の顔を上げさせ、無理矢理目を合わさせる。

ーー 強姦罪まで警察に突き出したろか!!

と、頭によぎったけど、瀬崎が逮捕されたら仕事でかなり困るから辞める。

でも、睡眠不足からのアルコール摂取で寝落ちした女を抱くなんて、最低極まりない。

「嫌です!!一夜の過ちでなかった事にして下さい!!」

こんなやつと結婚するぐらいなら死んだ方がましだ。

瀬崎を睨みつけ、結婚の申し込みは、即お断りした。

「同じくないだとこれを提出するのに、住民票はいらないんだ!!」

瀬崎が寝室から出ていって、何か紙を持ってるなと思ったら、それは婚姻届で、記憶にないけど私の直筆サインと判子が押されてた。

「…… それ、もしかして、出す気?」
「ーーー あぁ、寝ぼけて確認せずにサインして印鑑ついたのはお前だ!!」

婚姻届を奪い取ろうと上半身を起こし手を伸ばすも、瀬崎が右手で持ってる婚姻届をわたしの手が届かない高さまで挙げたから掠ってとれなかった。
痛い腰に鞭打って膝立ちし、右手を伸ばし、もう少しで手が届くといったところで、隙をつかれ、左手で持ってる掛け布団を引っ張られ、何も身につけてない姿を瀬川に晒してしまい、慌てて両手で身体を隠した。

「隠しても、昨日、全身くまなく見てるから。全身に俺のものって印がついてる。ミロのヴィーナスのポーズ、色っぽいな」

蕁麻疹のようにつけられた赤い痣。
よく見たら、噛みつかれた跡もある。

睡眠不足で気づかなかったなんて、流石に鈍感過ぎて情けなくなる。


膝立ちをしてると秘部から何かがドロっと出てきて、見ると赤い血が混ざった透明なねっとりとしたジェルと、白い……。

「中出しでやりまくったからな」

右手で胸を隠し、左手で脚の付け根を隠してる情けない姿で、最低男を睨みつける。

婚姻届をなんとか奪い取って破いて、コイツの嫁にされるのは阻止せねばと婚姻届に目をやると、保証人欄に書かれた名前に目を見開いてしまった。

「ーーー なんでうちの社長の名前とソミーのCEOの名前が書いてあるの!!
それに、瀬崎でなく、東條《とうじょう》って、苗字からして、ソミーの創業者一族!!」
「ピンポーン、正解。今のところ、俺が次のCEOに選ばれてる。
凛花、俺と結婚したら社長夫人になれて玉の輿にのれるな!!」

自慢気に瀬崎でなく東條湊は身分を明かすけど、玉の輿に乗れても、こんなやつと結婚なんてしたくない!!

私がミロのビーナスのポーズで固まってるから、湊は完全に怯んでる。

だから、左手は脚の付け根を隠したまま右手でなんとか立ち上がり、ベッドの上だから180cm以上ある湊よりも高い位置に手を伸ばし、結婚届を掴んで思いっきり破いてやった。

でも、足がよろけてそのまま湊に覆い被さる形で倒れてしまった。
私の胸が湊の顔面に当たる。立ち上がりたいのにその体勢で、湊に腰を掴まれて身動きが取れない。

「……離して!!」
「凛花ちゃん、大胆。まだ足りなかった?真昼間だけど、やる??」

結婚届はビリビリにしたけど、足腰動かない私に欲情した湊が、飢えた狼のような目をして見てきて、上半身を起こし私を抱き上げてベッドに組み敷き、見下ろしてきた。

ブラックの細身のスラックスにラルフローレンのボーダーのシャツをかっこよく着こなしてる湊。

私の上でシャツを脱いでスラックスを脱いで、ブラックのブリーフ1枚の姿になった。

「……東條湊さん、辞めてくれませんか!やってる事は犯罪ですよ!!強制わいせつでソミーの御曹司捕まるでニュース沙汰になっても知らないですよ!!」

「その心配は無い。凛花が疲れ切って死んだように寝てる間に結婚届はもう出してきた」

湊がベッドの下に落ちてる茶封筒を拾い、中から 結婚証明書を出して、私に見せた。

「残念だったな。ビリビリに破ったのは書き損じの結婚届だ。俺と凛花は、法的に夫婦とみなされてる。だから、凛花を無理やり抱いたとしても、それは強制わいせつではなく夫婦の営み」

結婚証明書を茶封筒に戻し、床に投げ飛ばし、目をギラギラさせた湊が私の右胸を口に含み、右手で私の胸を掴むと揉みほぐし始めた。

昨夜、意識がない状態でわたしは湊に相当抱き潰されたようだった。

強烈な痛みから、それが快感に変わる不思議な夢を見た。
夢の中では高級エステで、全身をくまなくマッサージされてた気がする。

それが、湊によって処女を奪われてからの、セックスで感じる身体に調教され開発されてたから見た夢と知り、狼狽える。

ブリーフを脱ぎ捨てて、猛々と勃ち上がった昇りを秘部にひと突きで貫かれ、それだけで身体を仰け反りナカをヒクつかせてしまったわたしは、その後、2時間近く、ベッドルームから出られなかった。




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