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実は御令嬢な肉食系女子

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わたしは学卒で颯太は修士卒でオムロスに入社した。
母方の祖父がオムロスの社長をしていて、父が専務をしているわたしは、縁故入社した。

中高一貫校時代はお互い、女子校と男子校に通ってたから他の異性がいないから同じ学校じゃなくても不安じゃなかった。

でも、先に大学生になった颯太が飲み会の帰りにわたしを迎えにきた時に女の人といたりすると嫉妬して、颯太にかなりあたった。

颯太と同じ京大に入るために猛勉強しなんとか合格したけど、経営学部と理学部と学部が違うから、大学内ではあまり一緒にいられなかった。

今も、同じ会社に務めてるけど、職場が違うから社内では颯太と一緒にいられない。

平日、毎日一緒に通勤し、定時退社の水・金は一緒に帰る。
マンションのお隣さん同士だから、朝夜は一緒にいる。
週末ももちろん一緒に過ごしてる。

でも、颯太とは恋人で奥さんじゃない。
友達に結婚について聞かれてから、わたしは颯太と早く結婚したいと思うようになった。

*****
「……颯太、わたし、そろそろ颯太の奥さんになりたい」

颯太からのプロポーズを待ってたら、おばあさんとおじいさんになってしまいそうな気がしたから、GWに東京旅行の最終日の夜、最終日の品川プリンセスホテルで颯太と愛し合った後に言った。

東京ネズミーランドと東京ネズミーシーで5日間遊び、残り2日間は都内の観光地を巡まった。
ちょっといいホテルの部屋を取り、観光よりも夜の情事を楽しんでた。

実家暮らしでエッチがマンネリ化してたから長期休暇の旅行先でのひとときはかなり燃える。

「俺が医療手術ロボットの開発で成果を出すまで待って。一花との結婚はちゃんと考えてるから」

行為を終え、わたしを抱きしめて眠ろうとしてる颯太。
わたしの髪を撫でながら言う……。

「……一花はオムロスの社長の孫娘で専務の娘だから、相応しい男にならないと結婚はできない。俺、努力する」

わたしは直系の娘じゃないから、颯太が平社員でも結婚に関して問題ない。

医療手術ロボット開発で成果を出すまでといわれ、どれくらい月日がかかるかわからなくて、その夜は途方にくれて寝付けなかった。


*****
「一花も颯太くんも、今年で25歳と27歳だからそろそろ結婚したらどうだ」

毎月第2土曜日の夜、颯太の両親と家族ぐるみで、お互いの家かマンションの最上階のレストランで食事をする。
わたしの父と颯太の父が中高一貫校時代からの大親友でよく釣りに行ったり飲みに行ったりしてる。

「一花とは僕が癌手術医療ロボット開発に成功してから結婚したいと考えてます」

「「 ………… 」」

颯太の父とわたしの父が顔を見合わせる。
颯太の父は京都大学付属病院で癌専門の外科部長をしてる。
颯太が去年、癌探知機能つきの内視鏡カメラの開発に成功した。
颯太の父の協力の元に、テクノロジー技術で医学を発展させようとしてる。

「癌手術医療ロボットの開発は後、何年で実現しそうなのか?」
颯太の父が颯太に聞くと、

「最低2年はかかると思います。5年以内には完成すると思う……」
わたしが颯太の奥さんになるには最低2年かかると知り、先の長さに途方に暮れた。

「……颯太くん、内視鏡カメラとは違うから5年以上かかる。一花が28歳になるまでには結婚して欲しい」

オムロスの医療機器開発の最高責任者の父が言う。
颯太が今手がけてる癌手術医療ロボットの開発はかなり難しいようだった。

ワインをいつもより飲んでしまい酔ってしまったから、颯太に『今日は自分の部屋で寝る』と耳元で囁き、玄関の前で別れた。

熱を出して寝込む時以外は颯太にいつも抱きしめられて眠っているわたし。
だから、自分のベッドで明かす夜は人肌が恋しくて切なかった。


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