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義兄と出張先で
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「澪ちゃん、新幹線の切符。明日、9時に東京駅の新幹線口に集合だからね!!」
姫路城で開催される光の祭典の準備で、明日から神戸入りをする。
2日間で姫路城内を光のテーマパーク化させないといけない。
「神坂社長が指揮をとるから最高傑作なデジタルアートになるな!!」
「えっ、翔琉社長、今回来るんですか?」
「今回は3日間ずっと立ち合うって」
翔琉社長はここ5日間、社長室兼開発室にこもってる。
酔っ払って義理の妹を口説いたからわたしに会うのか気まずいからなのか、単にインスピレーションが湧いて新しいデジタルアートを開発してるからなのか、……出てこない。
神戸の主催者に機材が全て届いているかを電話で確認し、明日の段取りについてをチームメンバーと確認し、21時に退社をする。
「……翔琉社長、出てきますかね?」
「神坂社長を信じるしかない……」
今日も1日、社長室兼開発室から出てこなかった。
ノックをしても内線をかけても反応がない。
翔琉社長不在でイベント開催になる気がしてならなかった。
姫路駅で新幹線を降り、バスに揺られて5分、そして10分ほど歩いたところに姫路城があった。
主催者の方が事前に送っていた機材を運んでくれていて、計画通りに設置していく。
コンピューター×250台、プロジェクター×150台と、スピーカーやアンプ。スピーカーにVXSシリーズやVXCシリーズ、パワー・アンプにXMVシリーズやMA/PAシリーズを導入。
土日限定の野外イベントだから雨対策を万全にしながら会場作りをしていく。
「……澪、ライトの色変化の速度、ちょっとあげて」
夜になり、陽が落ちてから実際にライトアップをし、微調整をしていく。
「翔琉社長、来られたんですか!!」
「朝から立ち会うつもりがゴメン、すっかり忘れてた。会場の機材の配置はOK。音響はもう少し音を大きくして……」
20時過ぎにきて、テキパキと細かく指示していく。
暗い中、翔琉社長自ら木に登り、ライトの位置を変えたりと、夜中の2時半まで会場作りをした。
姫路城から1.2km先にあるリッツモンテホテルに歩いて辿り着いた時にはプロジェクトメンバー15人はヘトヘトになってた。
「ツインの部屋が8部屋予約入れてます……」
わたし以外のメンバーは全員、男。
「澪は義妹だから、俺と同室な。明日は13時に会場内の事務所で待ち合わせな!!じゃ、ゆっくり休め!!」
翔琉社長がフロントで鍵をひとつ受け取るとわたしの手を取り、エレベーターの前に向かった。
客室に入り、さっさとシャワーを浴びにバスルームへ入っていった翔琉社長。
先週末に酔っ払った翔琉社長から口説かれたから、どうしても翔琉社長の事を意識してしまった。
ベッドは別でも一緒の空間に眠る。
一睡もできる気がしなかった。
姫路城で開催される光の祭典の準備で、明日から神戸入りをする。
2日間で姫路城内を光のテーマパーク化させないといけない。
「神坂社長が指揮をとるから最高傑作なデジタルアートになるな!!」
「えっ、翔琉社長、今回来るんですか?」
「今回は3日間ずっと立ち合うって」
翔琉社長はここ5日間、社長室兼開発室にこもってる。
酔っ払って義理の妹を口説いたからわたしに会うのか気まずいからなのか、単にインスピレーションが湧いて新しいデジタルアートを開発してるからなのか、……出てこない。
神戸の主催者に機材が全て届いているかを電話で確認し、明日の段取りについてをチームメンバーと確認し、21時に退社をする。
「……翔琉社長、出てきますかね?」
「神坂社長を信じるしかない……」
今日も1日、社長室兼開発室から出てこなかった。
ノックをしても内線をかけても反応がない。
翔琉社長不在でイベント開催になる気がしてならなかった。
姫路駅で新幹線を降り、バスに揺られて5分、そして10分ほど歩いたところに姫路城があった。
主催者の方が事前に送っていた機材を運んでくれていて、計画通りに設置していく。
コンピューター×250台、プロジェクター×150台と、スピーカーやアンプ。スピーカーにVXSシリーズやVXCシリーズ、パワー・アンプにXMVシリーズやMA/PAシリーズを導入。
土日限定の野外イベントだから雨対策を万全にしながら会場作りをしていく。
「……澪、ライトの色変化の速度、ちょっとあげて」
夜になり、陽が落ちてから実際にライトアップをし、微調整をしていく。
「翔琉社長、来られたんですか!!」
「朝から立ち会うつもりがゴメン、すっかり忘れてた。会場の機材の配置はOK。音響はもう少し音を大きくして……」
20時過ぎにきて、テキパキと細かく指示していく。
暗い中、翔琉社長自ら木に登り、ライトの位置を変えたりと、夜中の2時半まで会場作りをした。
姫路城から1.2km先にあるリッツモンテホテルに歩いて辿り着いた時にはプロジェクトメンバー15人はヘトヘトになってた。
「ツインの部屋が8部屋予約入れてます……」
わたし以外のメンバーは全員、男。
「澪は義妹だから、俺と同室な。明日は13時に会場内の事務所で待ち合わせな!!じゃ、ゆっくり休め!!」
翔琉社長がフロントで鍵をひとつ受け取るとわたしの手を取り、エレベーターの前に向かった。
客室に入り、さっさとシャワーを浴びにバスルームへ入っていった翔琉社長。
先週末に酔っ払った翔琉社長から口説かれたから、どうしても翔琉社長の事を意識してしまった。
ベッドは別でも一緒の空間に眠る。
一睡もできる気がしなかった。
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