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昼間の顔⑶ お別れだと思ってた
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素顔を見られたらまずいと思い、久我専務が寝付いたらホテルから出て行くつもりだった……。
「おい、起きろ!!」
目を覚まし、目の前に久我専務の端整な顔がドアップであり、固まってしまう。
「……他人の空似だろう。真面目な愛里がホステスをしてオヤジ狩りなんてしないだろうって篤志と話してたけど、まさか愛里だったとは……」
逃げようにも、久我専務がわたしの身体の上に覆い被さり逃げれない。
「……愛里に枕営業させて、俺と篤志は佐藤社長から融資を受けたのか」
哀しそうに久我専務がわたしを見つめてくる。
「わたしと佐藤様は元々そういう関係で、仕事のために枕営業したわけじゃない。
……わたしも篤志兄と同じだよ。親のいいなりで結婚する身だから、身体を穢したかった。
父みたいな男に穢される事で、父に反発してた。
家族関係を壊したりはしてないし、それに、3月いっぱいで辞める。
福岡に行かされるし、TATAの常務がわたしの事を気に入ってくれてるらしいから、結婚して鳥籠の鳥になる」
27歳。そろそろ結婚しないといけない。
父と篤志兄はわたしと久我専務を結婚させたかった。
だから、5年間、わたしをプリンセスホテル&リゾートで働かせ、久我専務の秘書をさせた。
抱かれてみて感じた。
わたしは久我専務の事が好き。今までに感じた事がないぐらい気持ちがよく、ずっと繋がっていたかった。
「……TATAには行かせない。愛里が俺でいいなら、結婚しよう。愛里はうちに入社してからダサい格好をするようになり、俺と距離を開けようとしていたから俺の事が嫌いなんだと思ってた。
いつも仕事面で完璧にサポートをしてくれて、遊園地開発に関しても法的な手続きや委託会社との打ち合わせとか裏型を引き受けてくれて、……そして、佐藤社長へ融資をお願いしてくれた。
高級クラブ 蝶々のホステスとしての接客に関しては好感が持てて、素敵な女性だと思ってた。
オヤジ狩りをしていたのはかなりショックを受けたが、篤志も同じで、親父の言いなりで育ってきたから仕方がなかったのかもしれない。
……愛里、俺を受け入れて。愛里が俺の事を好きになるよう努力するし、俺は愛里の事を愛してる」
わたしの頭を撫でながら久我専務が言った。
「わたしも久我専務の事が好き。わたし、穢れてるけど、久我専務の奥さんになっていいの?」
「……俺の奥さんになれるのは、愛里しかいない」
久我専務がそう言った後、わたしの唇に唇を落し、濃厚なキスをした。
高まった興奮が収まらず、ゴムがないのに12時まで貪るように愛し合い、そして、ホテルから出た後もわたしの住むマンションへ行き、食べ物を地下のスーパー成城石田に買いに行き、空腹で食事をする時以外はずっと寝室のベッドの上にいた。
土曜日の夕方に篤志兄から電話がかかってきて、兄が父を馬島建設の代表取締役から引きづり下ろし、兄が代表取締役になったと聞かされた。
だから、わたしはプリンセスホテル&リゾートにこのまま勤め、今の仕事が嫌なら馬島建設の社長秘書をしろと言われた。
「篤志、愛里と結婚する事にしたから。あっ、恋愛結婚だからな。仕事のためとか家のためじゃなく、愛里を愛してる」
わたしが篤志兄と話していたらiPhoneを久我専務からとられ、久我専務が篤志兄にわたしとの事を報告した。
『おっ、やっとその気になったか。愛里を大切にしろよーー!!』
「おい、起きろ!!」
目を覚まし、目の前に久我専務の端整な顔がドアップであり、固まってしまう。
「……他人の空似だろう。真面目な愛里がホステスをしてオヤジ狩りなんてしないだろうって篤志と話してたけど、まさか愛里だったとは……」
逃げようにも、久我専務がわたしの身体の上に覆い被さり逃げれない。
「……愛里に枕営業させて、俺と篤志は佐藤社長から融資を受けたのか」
哀しそうに久我専務がわたしを見つめてくる。
「わたしと佐藤様は元々そういう関係で、仕事のために枕営業したわけじゃない。
……わたしも篤志兄と同じだよ。親のいいなりで結婚する身だから、身体を穢したかった。
父みたいな男に穢される事で、父に反発してた。
家族関係を壊したりはしてないし、それに、3月いっぱいで辞める。
福岡に行かされるし、TATAの常務がわたしの事を気に入ってくれてるらしいから、結婚して鳥籠の鳥になる」
27歳。そろそろ結婚しないといけない。
父と篤志兄はわたしと久我専務を結婚させたかった。
だから、5年間、わたしをプリンセスホテル&リゾートで働かせ、久我専務の秘書をさせた。
抱かれてみて感じた。
わたしは久我専務の事が好き。今までに感じた事がないぐらい気持ちがよく、ずっと繋がっていたかった。
「……TATAには行かせない。愛里が俺でいいなら、結婚しよう。愛里はうちに入社してからダサい格好をするようになり、俺と距離を開けようとしていたから俺の事が嫌いなんだと思ってた。
いつも仕事面で完璧にサポートをしてくれて、遊園地開発に関しても法的な手続きや委託会社との打ち合わせとか裏型を引き受けてくれて、……そして、佐藤社長へ融資をお願いしてくれた。
高級クラブ 蝶々のホステスとしての接客に関しては好感が持てて、素敵な女性だと思ってた。
オヤジ狩りをしていたのはかなりショックを受けたが、篤志も同じで、親父の言いなりで育ってきたから仕方がなかったのかもしれない。
……愛里、俺を受け入れて。愛里が俺の事を好きになるよう努力するし、俺は愛里の事を愛してる」
わたしの頭を撫でながら久我専務が言った。
「わたしも久我専務の事が好き。わたし、穢れてるけど、久我専務の奥さんになっていいの?」
「……俺の奥さんになれるのは、愛里しかいない」
久我専務がそう言った後、わたしの唇に唇を落し、濃厚なキスをした。
高まった興奮が収まらず、ゴムがないのに12時まで貪るように愛し合い、そして、ホテルから出た後もわたしの住むマンションへ行き、食べ物を地下のスーパー成城石田に買いに行き、空腹で食事をする時以外はずっと寝室のベッドの上にいた。
土曜日の夕方に篤志兄から電話がかかってきて、兄が父を馬島建設の代表取締役から引きづり下ろし、兄が代表取締役になったと聞かされた。
だから、わたしはプリンセスホテル&リゾートにこのまま勤め、今の仕事が嫌なら馬島建設の社長秘書をしろと言われた。
「篤志、愛里と結婚する事にしたから。あっ、恋愛結婚だからな。仕事のためとか家のためじゃなく、愛里を愛してる」
わたしが篤志兄と話していたらiPhoneを久我専務からとられ、久我専務が篤志兄にわたしとの事を報告した。
『おっ、やっとその気になったか。愛里を大切にしろよーー!!』
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