手のかかる社長から狂愛されちゃいました

飲みニケーション

『鈴原、今、病院から電話がかかってきてコロンウイルスの陽性がでた』

「またですか。コロンの株、全部制覇するつもりですか！！」

赤坂の一等地にある高層ビル内に親会社のツバサコムと移転してきてから半年。

『飲みニケーションだ！！』と出版社やのボーダルサイトに運営している会社上層部や協力会社の社長と、夜に銀座、もしくは六本木の街を徘徊する社長に苛立ちを感じる。

飲みニケーションがあった後、１週間出勤しなければまだ赦せる。
『商談がまとまった』と出勤してきて、ウイルスを撒き散らし、出勤してきてる運営メンバー15人を全員濃厚接触にし、感染させる。
在宅勤務で不要不急の外出を控えざるを得なく、運営メンバー15人が不在になるかため、事務所も１週間閉めざるおけない。

『鈴原、差し入れ持ってきて！！』

「自宅療養パック頼んだらどうですか？」

『レトルト生活は……勘弁』

「ネットスーパーかウーバーイーツの置き宅配を頼んで下さい。ツバサコムと保健所に電話をかけたりしないといけないので電話切りますよ！！」


一般的にウイルスは増殖や感染を繰り返す中で少しずつ変異していくという。
新型コロンウイルスも約2週間で一箇所程度の速度で変異していると考えられているとかで、流行し始めてから2年間で11の変異株が見つかった。
その内日本で流行したコロン株は5つで、相馬社長は全て感染している。

「社長、感染、3度目ですよね？」

「5度目です。相馬社長、いい加減にして欲しいわ！！」

アルファ（α）、ベータ（β）、ガンマ（γ）、デルタ（δ）

出勤しているが全員、帰り支度をし、麻布十番にある徒歩圏内の会社借り上げマンションへ移動する。

結婚して子供ができ郊外に一戸建てやマンションを購入した社員や実家暮らしが好きな社員も、コロン禍で濃厚接触者になったら交通機関を使用しての通勤ができなくなる事から、家族に車での送迎をお願いできない時は1Kもしくは1DKの借り上げマンションで生活をしている。
在宅勤務で仕事をしているため賃貸料は会社持ちで、水道代光熱費も月に1万円支給されている。

オフィスを移転しスペースを縮小させた事で浮いた経費を、運営メンバーの住宅補助に回した。
六本木のオフィスビルのワンフロアを賃貸しているが、そこに親会社のツバサコムも入居している。

『また相馬常務、コロンに感染したんですか？』

相馬社長は親会社のツバサコムで常務をしている。

コロンウイルスが大流行している世の中。
経済優先でワクチン接種も進んだため、政府が緊急事態宣言を出さなくなった。
商談を優位に持っていくためと誘われたら、のこのこと相馬社長は夜の街に出て行くから困る。

リモート飲み会にして欲しい。

ちなみに相馬社長と飲んだメンバーは奇跡的にコロンウイルスに感染していない。