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真面目な犬系男からのアプローチ
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6月の終わりの金曜日
昼休憩に優からLINEメッセージがきた。
*****
“彩音、今日の仕事上がり、暇?”
“うん、予定ないよ。どしたの?”
“飲みに行きたいなっと思って、開発してた癌探知機能付きMRI ジョブズが完成したんだ。だから、2人で飲まない?”
“おめでとう!!お祝いしないといけないね。どこの居酒屋行く?”
“俺、彩音と行きたい店あるんだ。
PM7:00にここに来て”
優が【BAR 蒼月】の地図を添付して送ってきた。
“OK”
(リラック●スタンプ)
“ありがとう”
(動く!しば●ばんのスタンプ)
*****
金曜日の夜は営業職の涼は付き合いでコンパだの接待だので忙しい。
だから、腐れ縁トリオの飲み会は水曜日にしてる。
中学、高校、大学と毎日顔を合わせていて、同じ会社に就職したけれど部署が違うと仕事で顔を合わす事がなく、週中の水曜日に集まってご飯を食べようとなった。
わたしの勤める会社は管理職以外は水・金曜日はノー残業デー。
『営業の俺は金曜日は付き合いのコンパと接待でクライアントに御奉仕だ!!』
涼はクライアントを飲みに誘い出し、枕営業をしていると噂されてる。
実際はどうなのかは……怖くて聞けない。
クライアントが男でも、手懐けてるセフレか求められたら涼が身体で奉仕をしてるという黒い噂が流れてる。
営業売上No.1で社内で【結婚したい男抱かれたい男No.2】だから、僻みでそういう噂を流されたんだと思う。
ーー PM6:45
待ち合わせは六本木駅から徒歩10分の所にある隠れBERで、渋谷駅から徒歩15分の所に勤務しているわたしは、仕事を終えてから急いで待ち合わせ場所に向かった。
優はまだ来てなくて、BAR蒼月の前で立って待つ事にした。
「…ーー待った!?ごめん!! 」
優は待ち合わせ時間ギリギリに走ってきた。
PM5:45が終業時間だけど、開発していた医療ロボットが完成し、管理職社員に捕まったんだと思う。
「ううん、今着いたとこ。中に入ろっか!!」
地下にある隠れBARに入りわパーティションで仕切られた4人がけの席に案内された。
ローストビーフなどの創作洋食を注文し、バーテンダーさんにおまかせでさっぱりしたカクテルを作って貰って飲みながら食事をする。
料理のメニューが充実していて、美味しい料理を口に頬張り笑顔になる。
優はブランデーの水割りを注文し、金曜日だから明日は土曜日で休みなのをいい事に、会話を楽しみながらお酒と料理をお腹いっぱいになるまで堪能する。
「癌探知機能付きMRI ジョブズ、来月から東京大学病院と名古屋大学、京都大学病院、広島大学病院に九州大学と、国立がんセンターで試験的に導入して貰う事になった」
「優、ロボット工学の神 澤田教授の愛弟子で、澤田教授に協力を仰いで開発し、国立大学附属病院から癌のサンプル画像を貰って1年半かけてシステムを開発したんだよね。優は凄いよ!!」
「……彩音にそう言って貰えると嬉しいな」
ブランデーを飲みながら照れてる優。
優とわたしは小学生の時にに通ってた塾が同じだった。
小学生時代からいつも模試で1位をとり、それだけでなく科学賞も優秀賞を取り、理数系のオリンピックでも金賞をとっていた優。
わたしも勉強はできる方で、当時は優をライバル視してた。
塾で隣の席に座ってる優といつも争っていて……でも1度も勝てなかった。
優は知的な理系草食系男子で、でも優しくて面倒見がいいから、誰からも好かれてた。
中学生になってからは、優とテクノロジー的な興味関心が同じで、ロボット開発部とパソコンプログラム部、科学研究部をはしごして常に一緒にいた。
ちなみに優と親友だった涼も中学生になってから部活が一緒で、クラスは普通科で、特進クラスの優とわたしとは違った。
*****
お互い仕事の事を報告し合いながら、料理を平らげ、お酒も十分楽しんだから、そろそろお開きかなっと思った。
「……彩音、あのさ、俺と友達としてでなく恋人として付き合ってくれないか。俺、小学生の頃から彩音の事が好きだった。付き合って別れたら一緒に居られなくからずっと友達関係でいたけど、社会人になって3年が経ち、結婚前提に付き合って彩音と一生寄り添いたい」
優に両手を掴まれ、じっと見つめられながら言われた。
「……わたしも優の事が小学生の頃から好きだった。でも、今の関係が居心地よくて恋人同士は……」
チワワのような切なそうな瞳で優に見つめられる。
「……優と恋人同士になること真剣に考える。だから、少し時間を下さい」
わたしは優の事が好き……。
でも……優が尊敬している親友だから付き合う事ができない。
わたしは優と涼と3人で今まで通りの関係を続けたい。
なにより……わたしは優には相応しくない。
22時過ぎまで優と2人で飲み、その後、酔って足元がおぼつかないからタクシーに乗って神泉駅側の賃貸マンションに送って貰った。
昼休憩に優からLINEメッセージがきた。
*****
“彩音、今日の仕事上がり、暇?”
“うん、予定ないよ。どしたの?”
“飲みに行きたいなっと思って、開発してた癌探知機能付きMRI ジョブズが完成したんだ。だから、2人で飲まない?”
“おめでとう!!お祝いしないといけないね。どこの居酒屋行く?”
“俺、彩音と行きたい店あるんだ。
PM7:00にここに来て”
優が【BAR 蒼月】の地図を添付して送ってきた。
“OK”
(リラック●スタンプ)
“ありがとう”
(動く!しば●ばんのスタンプ)
*****
金曜日の夜は営業職の涼は付き合いでコンパだの接待だので忙しい。
だから、腐れ縁トリオの飲み会は水曜日にしてる。
中学、高校、大学と毎日顔を合わせていて、同じ会社に就職したけれど部署が違うと仕事で顔を合わす事がなく、週中の水曜日に集まってご飯を食べようとなった。
わたしの勤める会社は管理職以外は水・金曜日はノー残業デー。
『営業の俺は金曜日は付き合いのコンパと接待でクライアントに御奉仕だ!!』
涼はクライアントを飲みに誘い出し、枕営業をしていると噂されてる。
実際はどうなのかは……怖くて聞けない。
クライアントが男でも、手懐けてるセフレか求められたら涼が身体で奉仕をしてるという黒い噂が流れてる。
営業売上No.1で社内で【結婚したい男抱かれたい男No.2】だから、僻みでそういう噂を流されたんだと思う。
ーー PM6:45
待ち合わせは六本木駅から徒歩10分の所にある隠れBERで、渋谷駅から徒歩15分の所に勤務しているわたしは、仕事を終えてから急いで待ち合わせ場所に向かった。
優はまだ来てなくて、BAR蒼月の前で立って待つ事にした。
「…ーー待った!?ごめん!! 」
優は待ち合わせ時間ギリギリに走ってきた。
PM5:45が終業時間だけど、開発していた医療ロボットが完成し、管理職社員に捕まったんだと思う。
「ううん、今着いたとこ。中に入ろっか!!」
地下にある隠れBARに入りわパーティションで仕切られた4人がけの席に案内された。
ローストビーフなどの創作洋食を注文し、バーテンダーさんにおまかせでさっぱりしたカクテルを作って貰って飲みながら食事をする。
料理のメニューが充実していて、美味しい料理を口に頬張り笑顔になる。
優はブランデーの水割りを注文し、金曜日だから明日は土曜日で休みなのをいい事に、会話を楽しみながらお酒と料理をお腹いっぱいになるまで堪能する。
「癌探知機能付きMRI ジョブズ、来月から東京大学病院と名古屋大学、京都大学病院、広島大学病院に九州大学と、国立がんセンターで試験的に導入して貰う事になった」
「優、ロボット工学の神 澤田教授の愛弟子で、澤田教授に協力を仰いで開発し、国立大学附属病院から癌のサンプル画像を貰って1年半かけてシステムを開発したんだよね。優は凄いよ!!」
「……彩音にそう言って貰えると嬉しいな」
ブランデーを飲みながら照れてる優。
優とわたしは小学生の時にに通ってた塾が同じだった。
小学生時代からいつも模試で1位をとり、それだけでなく科学賞も優秀賞を取り、理数系のオリンピックでも金賞をとっていた優。
わたしも勉強はできる方で、当時は優をライバル視してた。
塾で隣の席に座ってる優といつも争っていて……でも1度も勝てなかった。
優は知的な理系草食系男子で、でも優しくて面倒見がいいから、誰からも好かれてた。
中学生になってからは、優とテクノロジー的な興味関心が同じで、ロボット開発部とパソコンプログラム部、科学研究部をはしごして常に一緒にいた。
ちなみに優と親友だった涼も中学生になってから部活が一緒で、クラスは普通科で、特進クラスの優とわたしとは違った。
*****
お互い仕事の事を報告し合いながら、料理を平らげ、お酒も十分楽しんだから、そろそろお開きかなっと思った。
「……彩音、あのさ、俺と友達としてでなく恋人として付き合ってくれないか。俺、小学生の頃から彩音の事が好きだった。付き合って別れたら一緒に居られなくからずっと友達関係でいたけど、社会人になって3年が経ち、結婚前提に付き合って彩音と一生寄り添いたい」
優に両手を掴まれ、じっと見つめられながら言われた。
「……わたしも優の事が小学生の頃から好きだった。でも、今の関係が居心地よくて恋人同士は……」
チワワのような切なそうな瞳で優に見つめられる。
「……優と恋人同士になること真剣に考える。だから、少し時間を下さい」
わたしは優の事が好き……。
でも……優が尊敬している親友だから付き合う事ができない。
わたしは優と涼と3人で今まで通りの関係を続けたい。
なにより……わたしは優には相応しくない。
22時過ぎまで優と2人で飲み、その後、酔って足元がおぼつかないからタクシーに乗って神泉駅側の賃貸マンションに送って貰った。
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