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幼馴染から恋人へのプロセス

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火曜日と木曜日は職場で一緒に働き、水曜日はわたしが住んでる知立駅の側でご飯を食べ、土日はお出かけからの律兄の家にお泊り。

律兄と順調にお試し交際をしてるわたし。

なかなか幼馴染の関係から抜け出せなかったりするけれど、律兄と一緒にいるのが居心地が良すぎて楽しくて、律兄がいないと落ち着かないぐらいに、わたしは律兄に依存してた。

「理愛とデンタで一緒に仕事ができるのも年内までか……」

ECUの開発設計を1からやり直す事になり長谷川主任だけだと荷が重いからと、会社に掛け合い年内までうちに出向期間を伸ばした律兄。

11月に拓哉と入れ替わりでECU設計課に戻ったわたしを常に寄り添い支えてくれた。

「今年はクリスマスイブが木曜日だから、定時で上がって豪華ディナーに行こうな」

幼馴染以上恋人未満の関係だけど、側からみたら仲の良いカップルで、律兄の恋人の座を狙っていた女性社員達は律兄は諦め、長谷川主任と藤堂主任をターゲットにした。

「理愛、年末は京都に帰るだろ?」

水曜日恒例の律兄と飲み会、クリスマスのイルミネーションで煌びやかな駅前を歩いて、カジュアルフレンチのお店に入った。 

仔羊のローストに舌平目のムニエル、次々と運ばれるコース料理を堪能しながら赤ワインを飲む。

「うん、帰省するつもりだよ」

「じゃっ、日にちを合わせて一緒に帰ろう」

去年までは地元が東京の拓哉が年始年末もわたしの家にいたから、実家には日帰りで三が日に顔を出すだけだった。
7月の終わりに婚約破棄されて傷心していて、1人でいたくてお盆は帰省しなかった。


クリスマスイブ。

律兄と仕事上がりにデートをするのが楽しみで、朝からそわそわしてるわたし。

今日はJRで名古屋駅まで出て、イルミネーションを見て回ってから、21時から名古屋マリオネットアソシアホテル最上階(52階)にあるフランス料理「ミクミナゴヤ」のクリスマスディナーを、食べに行く事になった。

18時に仕事を終え、律兄とJRで名古屋駅まで出る。
名古屋駅周辺はクリスマス前になると至る所でイルミネーションを点灯していて煌びやかな街並みになっていた。

律兄とイルミネーションされたスポットを見て回った。

平日の夜なのにクリスマスイブだからかカップルや親子連れが多かった。


名古屋マリオネットアソシアホテル最上階(52階)にあるフランス料理「ミクミナゴヤ」。
21時に夜景がよく見える席に案内され、律兄が事前に予約してくれてたクリスマスディナーのコース料理が順番に運ばれ、歩き回ってお腹を空かせてたのもあり、見た目も味も最高な三つ星レストランの料理にとても感動した。

コース料理の最後、クリスマスイブだから小さいホールケーキとコーヒーが運ばれた。
それを律兄と半分こする。

ケーキを終えたところで、ボーイが薔薇の花束を持って来て、『お連れ様からのプレゼントです』と渡された。

花束を受け取り、ボーイが立ち去ると陸兄がわたしの横に来て跪き、リングケースを開けダイヤの指輪をわたしに見せた。

「理愛、俺と結婚して欲しい。お試し交際始めてからまだ恋人らしい進展を何1つも進んでないけど、俺、理愛の側にいたい。ずっと俺の隣にいてください」

真剣にわたしを見上げてプロポーズしてくれる律兄に、

「わたしを、律兄の奥さんにして下さい。わたしも律兄の隣にいたい」

突然のプロポーズになんて返事をしたらよいかわからなくて悩んだけれど、自然と言葉にして発してた。

律兄がリングケースからダイヤのついた指輪を取り出して、わたしの左手の薬指に指輪をはめた。

「理愛、一緒に幸せになろう」

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