4 / 9
幼馴染の優しさに甘えて
しおりを挟む
次の日、会社に行くと、半導体デバイス課の事務の子2人がスピーカーしたからなのか、トミタからエリートでハンサムな男性社員が3人火曜日と木曜日に出向してくるという噂が女性社員の中で流れた。
今日の業務を終え、足早にオフィスビルから出て、知立駅に向かう。
1Kのバスとトイレ別のでもかなり狭い6畳のアパートだけど、オートロックで便利だからとここに住むことにした。
月に6万5千円は高い方だけど、ここに決めて良かったと思ってる。
いったん家に帰って、パンツオフィススタイルから女性らしいフェミニン系の服装に着替え、メークを直して、駅前に急いだ。
19時前なのに律兄はもう着いていた。
背が高く知的な雰囲気のハンサムな律兄だから、胴巻きに女性達が律兄を見て見惚れてた。
「理愛、着替えてきたの?すごく可愛いよ」
律兄がわたしに近づいてきて、さり気なくわたしの左手を握る。
「理愛、行きつけの店とかある?」
「無いよ。そんな飲兵衛じゃないし、そんなに稼ぎないし、飲みに行く友達いないし」
デンタに就職して半年間ぐらいは同期の女の子達と飲みに行ったりもした。
でも、拓哉と付き合うようになってからは拓哉がわたしのうちに来て半同棲状態だったから、同期の女の子達と疎遠になった。
入社4年目でも早い子はもう寿退社してたりする。
気楽に誘える友達が名古屋にいない事に気づいた。
「じゃ、これから、毎週水曜日に一緒に知立の居酒屋周りをしよっか。今日はここにしよう」
律兄はそう言うと新鮮な海鮮物が売りの居酒屋にわたしの手を引いて入った。
律兄がお造りの盛り合わせと辛子明太子の出汁巻卵、焼き鳥とスルメの一夜干し、そして枝豆とシーザーサラダを注文してくれてた。
律兄はビールでわたしはレモン酎ハイで乾杯し、会話を楽しみながらゆっくり味わった。
「理愛が俺と同じ職種に着くとは思わなかったな。おばさんから聞いて、俺がトミタに入社したのを知って追いかけて来たのかとか思ったらたまたまで、ちょっと残念だった」
「律兄と中2までしか一緒にいなかったんだよ。8年も会ってないから律兄の事、忘れてたよ」
「酷いな……」
隣に住んでた憧れのお兄ちゃんとして律兄の事を思って忘れた事は無いけど、もう昔みたいな関係になれないと思ってた。
だから、同じ県に就職するとか同じ職種に就きたいとかはなかった。
「……偶然という必然。理愛とこうやってまた一緒にいられて俺は嬉しい」
そう言って、律兄は昔みたいにわたしの頭を撫でてくれた。
食事を終え、危ないからと律兄はうちまで送ってくれた。
「明日な、じゃっ」
そう言って、知立駅に向かう律兄。
まだ一緒にいたかったけど、週の半ばで明日と明後日、仕事があるからゆっくり休んだ方がいいと諭され解散になった。
家に入り、バスタブにお湯を入れて、お気に入りの入浴剤を入れて、ゆっくり入浴をする。
火曜日と木曜日は職場で、水曜日は夜に律兄に会えるのが嬉しかった。
でも、律兄の前ではどうしても小さい頃の癖なのか律兄に甘えてしまう。
職場ではそんな自分を出さないように気をつけないとなと、わたしは思った。
次の日の木曜日
始業30分前の8時半にいつも通りにメールチェックをし、昨日終わらせた仕事の確認をする。
15分前にトミタから出向してる3人、トミタエリート三銃士が、女性社員をはべらせて半導体デバイス設計課に入ってきた。
たんに女性社員がぞろぞろ着いてきてるだけで、トミタエリート三銃士は全く相手にしてない。
「理愛、既存のハイブリッド車載の半導体デバイスとECUを持ってきてくれない?」
社内でわたしの下の名前を呼び捨てにする律兄……。
トミタエリート三銃士を追っかけてきた女子社員から睨まれてしまった。
「既存のハイブリッド車載の半導体デバイスとECUですね。すぐにお持ちします。……相馬係長、幼馴染で妹みたいな関係でもここは会社なので名字で呼んで下さりますか?」
席を立ち、律兄を軽く睨み、部署の後ろにある倉庫に半導体デバイスとECUを取りに行く。
女性社員から嫉妬や妬みで嫌がらせをされたら、たまったもんじゃない。
拓哉と付き合ってた当初も多少なり周りからやっかみを買い嫌がらせをされた。
でも、拓哉が嫌がらせをしてくる女性社員から守ってくれた。
だから、2年半、社内恋愛を続けられた……。
当時の事を思い出し気持ちが沈む中、トミタのハイブリッド車用の半導体デバイスとECUを棚から出し、律兄の所へ持って行く事にした。
「宮瀬さんって仕事バリバリで真面目過ぎるんですよね。それで指導係だった婚約者よりも仕事を評価されて、それで婚約者が自信喪失して他の子に逃げて妊娠させて宮瀬さんと婚約破棄してその子と結婚したんですよーー」
わたしが席を外してる事をいい事に、わたしの悪口を律兄達に話す女性社員達……。
律兄達は無視してるけど一方的に話していて、嫌になる。
「理愛、持って来てくれた。ありがとう。あっ、君達、そろそろ部署に戻らないと始業時間に間に合わないよ」
下の名前で呼ばないでと言ったのに癖だからなのか名字で呼んでくれない……。
律兄は仕事モードに入り、既存の半導体デバイスとECUとその仕様書を見て改善点を模索し始めた。
女性社員達は、始業ベルが鳴るギリギリまで律兄と長谷川さんと藤堂さんの側にいたけど、全く相手にされず、慌てて職場に戻って行った。
「理愛、ああいう女はトミタにもたくさんいる。仕事で絡みがないなら無視してたらいい。無視してたら寄ってこなくなる。何か言ってきてもスルーしろ。俺は理愛の事は誰よりもいい子だとわかってるから、だから理愛の事を悪くいう人の話を真に受けない」
わたしの耳元で律兄が囁いた。そして、いつもみたいに頭を撫でて、律兄は席に戻った。
律兄の指示で、トミタのECU課の長谷川主任はうちのECU設計課に行きECUのプログラム等に問題がないかを調べに行った。
そして、トミタの半導体デバイス課の藤堂主任は半導体プロセス、半導体実装、アナ・デジ混載回路を1からやり直す事になった。
律兄自身も長谷川主任と藤堂主任のどちらかと行動し、問題点を突き止め、その後の対処方法を考えてた。
トミタエリート三銃士の仕事ぶりに、課員全員が力の差を見せられ、落ち込んだ。
今日の業務を終え、足早にオフィスビルから出て、知立駅に向かう。
1Kのバスとトイレ別のでもかなり狭い6畳のアパートだけど、オートロックで便利だからとここに住むことにした。
月に6万5千円は高い方だけど、ここに決めて良かったと思ってる。
いったん家に帰って、パンツオフィススタイルから女性らしいフェミニン系の服装に着替え、メークを直して、駅前に急いだ。
19時前なのに律兄はもう着いていた。
背が高く知的な雰囲気のハンサムな律兄だから、胴巻きに女性達が律兄を見て見惚れてた。
「理愛、着替えてきたの?すごく可愛いよ」
律兄がわたしに近づいてきて、さり気なくわたしの左手を握る。
「理愛、行きつけの店とかある?」
「無いよ。そんな飲兵衛じゃないし、そんなに稼ぎないし、飲みに行く友達いないし」
デンタに就職して半年間ぐらいは同期の女の子達と飲みに行ったりもした。
でも、拓哉と付き合うようになってからは拓哉がわたしのうちに来て半同棲状態だったから、同期の女の子達と疎遠になった。
入社4年目でも早い子はもう寿退社してたりする。
気楽に誘える友達が名古屋にいない事に気づいた。
「じゃ、これから、毎週水曜日に一緒に知立の居酒屋周りをしよっか。今日はここにしよう」
律兄はそう言うと新鮮な海鮮物が売りの居酒屋にわたしの手を引いて入った。
律兄がお造りの盛り合わせと辛子明太子の出汁巻卵、焼き鳥とスルメの一夜干し、そして枝豆とシーザーサラダを注文してくれてた。
律兄はビールでわたしはレモン酎ハイで乾杯し、会話を楽しみながらゆっくり味わった。
「理愛が俺と同じ職種に着くとは思わなかったな。おばさんから聞いて、俺がトミタに入社したのを知って追いかけて来たのかとか思ったらたまたまで、ちょっと残念だった」
「律兄と中2までしか一緒にいなかったんだよ。8年も会ってないから律兄の事、忘れてたよ」
「酷いな……」
隣に住んでた憧れのお兄ちゃんとして律兄の事を思って忘れた事は無いけど、もう昔みたいな関係になれないと思ってた。
だから、同じ県に就職するとか同じ職種に就きたいとかはなかった。
「……偶然という必然。理愛とこうやってまた一緒にいられて俺は嬉しい」
そう言って、律兄は昔みたいにわたしの頭を撫でてくれた。
食事を終え、危ないからと律兄はうちまで送ってくれた。
「明日な、じゃっ」
そう言って、知立駅に向かう律兄。
まだ一緒にいたかったけど、週の半ばで明日と明後日、仕事があるからゆっくり休んだ方がいいと諭され解散になった。
家に入り、バスタブにお湯を入れて、お気に入りの入浴剤を入れて、ゆっくり入浴をする。
火曜日と木曜日は職場で、水曜日は夜に律兄に会えるのが嬉しかった。
でも、律兄の前ではどうしても小さい頃の癖なのか律兄に甘えてしまう。
職場ではそんな自分を出さないように気をつけないとなと、わたしは思った。
次の日の木曜日
始業30分前の8時半にいつも通りにメールチェックをし、昨日終わらせた仕事の確認をする。
15分前にトミタから出向してる3人、トミタエリート三銃士が、女性社員をはべらせて半導体デバイス設計課に入ってきた。
たんに女性社員がぞろぞろ着いてきてるだけで、トミタエリート三銃士は全く相手にしてない。
「理愛、既存のハイブリッド車載の半導体デバイスとECUを持ってきてくれない?」
社内でわたしの下の名前を呼び捨てにする律兄……。
トミタエリート三銃士を追っかけてきた女子社員から睨まれてしまった。
「既存のハイブリッド車載の半導体デバイスとECUですね。すぐにお持ちします。……相馬係長、幼馴染で妹みたいな関係でもここは会社なので名字で呼んで下さりますか?」
席を立ち、律兄を軽く睨み、部署の後ろにある倉庫に半導体デバイスとECUを取りに行く。
女性社員から嫉妬や妬みで嫌がらせをされたら、たまったもんじゃない。
拓哉と付き合ってた当初も多少なり周りからやっかみを買い嫌がらせをされた。
でも、拓哉が嫌がらせをしてくる女性社員から守ってくれた。
だから、2年半、社内恋愛を続けられた……。
当時の事を思い出し気持ちが沈む中、トミタのハイブリッド車用の半導体デバイスとECUを棚から出し、律兄の所へ持って行く事にした。
「宮瀬さんって仕事バリバリで真面目過ぎるんですよね。それで指導係だった婚約者よりも仕事を評価されて、それで婚約者が自信喪失して他の子に逃げて妊娠させて宮瀬さんと婚約破棄してその子と結婚したんですよーー」
わたしが席を外してる事をいい事に、わたしの悪口を律兄達に話す女性社員達……。
律兄達は無視してるけど一方的に話していて、嫌になる。
「理愛、持って来てくれた。ありがとう。あっ、君達、そろそろ部署に戻らないと始業時間に間に合わないよ」
下の名前で呼ばないでと言ったのに癖だからなのか名字で呼んでくれない……。
律兄は仕事モードに入り、既存の半導体デバイスとECUとその仕様書を見て改善点を模索し始めた。
女性社員達は、始業ベルが鳴るギリギリまで律兄と長谷川さんと藤堂さんの側にいたけど、全く相手にされず、慌てて職場に戻って行った。
「理愛、ああいう女はトミタにもたくさんいる。仕事で絡みがないなら無視してたらいい。無視してたら寄ってこなくなる。何か言ってきてもスルーしろ。俺は理愛の事は誰よりもいい子だとわかってるから、だから理愛の事を悪くいう人の話を真に受けない」
わたしの耳元で律兄が囁いた。そして、いつもみたいに頭を撫でて、律兄は席に戻った。
律兄の指示で、トミタのECU課の長谷川主任はうちのECU設計課に行きECUのプログラム等に問題がないかを調べに行った。
そして、トミタの半導体デバイス課の藤堂主任は半導体プロセス、半導体実装、アナ・デジ混載回路を1からやり直す事になった。
律兄自身も長谷川主任と藤堂主任のどちらかと行動し、問題点を突き止め、その後の対処方法を考えてた。
トミタエリート三銃士の仕事ぶりに、課員全員が力の差を見せられ、落ち込んだ。
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
【完結】やさしい嘘のその先に
鷹槻れん
恋愛
妊娠初期でつわり真っ只中の永田美千花(ながたみちか・24歳)は、街で偶然夫の律顕(りつあき・28歳)が、会社の元先輩で律顕の同期の女性・西園稀更(にしぞのきさら・28歳)と仲睦まじくデートしている姿を見かけてしまい。
妊娠してから律顕に冷たくあたっていた自覚があった美千花は、自分に優しく接してくれる律顕に真相を問う事ができなくて、一人悶々と悩みを抱えてしまう。
※30,000字程度で完結します。
(執筆期間:2022/05/03〜05/24)
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
---------------------
○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
(pixiv)https://www.pixiv.net/users/2362274
---------------------
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
彼の愛は不透明◆◆若頭からの愛は深く、底が見えない…沼愛◆◆ 【完結】
まぁ
恋愛
【1分先の未来を生きる言葉を口にしろ】
天野玖未(あまのくみ)飲食店勤務
玖の字が表す‘黒色の美しい石’の通りの容姿ではあるが、未来を見据えてはいない。言葉足らずで少々諦め癖のある23歳
須藤悠仁(すどうゆうじん) 東日本最大極道 須藤組若頭
暗闇にも光る黒い宝を見つけ、垂涎三尺…狙い始める
心に深い傷を持つ彼女が、信じられるものを手に入れるまでの……波乱の軌跡
そこには彼の底なしの愛があった…
作中の人名団体名等、全て架空のフィクションです
また本作は違法行為等を推奨するものではありません
結婚までの120日~結婚式が決まっているのに前途は見えない~【完結】
まぁ
恋愛
イケメン好き&イケオジ好き集まれ~♡
泣いたあとには愛されましょう☆*: .。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
優しさと思いやりは異なるもの…とても深い、大人の心の奥に響く読み物。
6月の結婚式を予約した私たちはバレンタインデーに喧嘩した
今までなら喧嘩になんてならなかったようなことだよ…
結婚式はキャンセル?予定通り?それとも…彼が私以外の誰かと結婚したり
逆に私が彼以外の誰かと結婚する…そんな可能性もあるのかな…
バレンタインデーから結婚式まで120日…どうなっちゃうの??
お話はフィクションであり作者の妄想です。
優しい微笑をください~上司の誤解をとく方法
栗原さとみ
恋愛
仕事のできる上司に、誤解され嫌われている私。どうやら会長の愛人でコネ入社だと思われているらしい…。その上浮気っぽいと思われているようで。上司はイケメンだし、仕事ぶりは素敵過ぎて、片想いを拗らせていくばかり。甘々オフィスラブ、王道のほっこり系恋愛話。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
十年越しの溺愛は、指先に甘い星を降らす
和泉杏咲
恋愛
私は、もうすぐ結婚をする。
職場で知り合った上司とのスピード婚。
ワケアリなので結婚式はナシ。
けれど、指輪だけは買おうと2人で決めた。
物が手に入りさえすれば、どこでもよかったのに。
どうして私達は、あの店に入ってしまったのだろう。
その店の名前は「Bella stella(ベラ ステラ)」
春の空色の壁の小さなお店にいたのは、私がずっと忘れられない人だった。
「君が、そんな結婚をするなんて、俺がこのまま許せると思う?」
お願い。
今、そんなことを言わないで。
決心が鈍ってしまうから。
私の人生は、あの人に捧げると決めてしまったのだから。
⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒* ゚*。*⌒*。*゚
東雲美空(28) 会社員 × 如月理玖(28) 有名ジュエリー作家
⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒* ゚*。*⌒*。*゚
【完結】もう一度やり直したいんです〜すれ違い契約夫婦は異国で再スタートする〜
四片霞彩
恋愛
「貴女の残りの命を私に下さい。貴女の命を有益に使います」
度重なる上司からのパワーハラスメントに耐え切れなくなった日向小春(ひなたこはる)が橋の上から身投げしようとした時、止めてくれたのは弁護士の若佐楓(わかさかえで)だった。
事情を知った楓に会社を訴えるように勧められるが、裁判費用が無い事を理由に小春は裁判を断り、再び身を投げようとする。
しかし追いかけてきた楓に再度止められると、裁判を無償で引き受ける条件として、契約結婚を提案されたのだった。
楓は所属している事務所の所長から、孫娘との結婚を勧められて困っており、 それを断る為にも、一時的に結婚してくれる相手が必要であった。
その代わり、もし小春が相手役を引き受けてくれるなら、裁判に必要な費用を貰わずに、無償で引き受けるとも。
ただ死ぬくらいなら、最後くらい、誰かの役に立ってから死のうと考えた小春は、楓と契約結婚をする事になったのだった。
その後、楓の結婚は回避するが、小春が会社を訴えた裁判は敗訴し、退職を余儀なくされた。
敗訴した事をきっかけに、裁判を引き受けてくれた楓との仲がすれ違うようになり、やがて国際弁護士になる為、楓は一人でニューヨークに旅立ったのだった。
それから、3年が経ったある日。
日本にいた小春の元に、突然楓から離婚届が送られてくる。
「私は若佐先生の事を何も知らない」
このまま離婚していいのか悩んだ小春は、荷物をまとめると、ニューヨーク行きの飛行機に乗る。
目的を果たした後も、契約結婚を解消しなかった楓の真意を知る為にもーー。
❄︎
※他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる