らぶアディクト

鳴宮鶉子

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浮気男に天誅

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月曜日の夜、気持ちが晴れなくて、仕事上がりの美羽を呼び出し、BARで飲む。

「………心愛ちゃん、飲み過ぎないでね」

金曜日に美羽ちゃんに支払いをさせたから、わたしが今日は奢るつもりで誘った。

「大輝のツケで大丈夫ですよねーー?」
「……大丈夫です。宮瀬さまと相沢様の関係は存じてますので……」

引き気味のマスターに言われながら、シャンパンを一気飲みするわたし。

美羽はちびちび甘いカクテルを飲んで、料理もわたしに進め、口にしない。

「大輝に払わすから、気にしないでいいから!!」

極上に美味しいローストビーフにシーフードサラダとカルパッチョとステーキをつまみながら、ひたすら高い酒を飲んだ。

大輝の貯蓄が尽きればいいと、嫌がらせのつもりで、ドンペリに手を出そうとしたら、それはマスターと美羽に止められた。

「大輝が払えないならわたしが払う」
ゴールドカードを出す。

「……家族カードでしょ。大人なんだから、使ったらダメでしょ」

3万円超える金額をツケにし、大輝に1週間以内に支払いするようLINEメッセージを送った。

金曜日の居酒屋での合コン鉢合わせで、わたしは気がたってた。

なんで、わたしという婚約者がいるのに、他に出会いを求めるのか……。

仕事柄、東京にいる事が多く、京都にはいない。

「大輝、絶対にわたしが東京にいる時、他の女とやりまくってる!!」

「男ってそういうもんだよ。初めてが中1で10年以上関係あるから、つまみ食いしたくなるよ。諦めるしかないよ」

3歳年上の恋人で、長い交際を続けてる同士。
浮気を諦めてる美羽に腹ただしく思うも、浮気をされてても美羽が恋人に尽くし、美羽の愛しの人も美羽に家事や食事面を頼ってるから美羽を手放せない事を知ってる。

わたしの場合、家事も料理も苦手で、大輝のマンションに行く日は地下のスーパーでお総菜を購入してる。

良い妻になる自信はない。

マスターにシャンパンとカクテルを飲んで、意識を失う。

美羽ちゃんは、わたしが酔って意識を無くすのはいつもの事と諦めてる。

このBARで酔いつぶれてもマスターが大輝に電話をかけてくれる。

深夜過ぎに仕事帰りに大輝に迎えに来て貰い、大輝のマンションに帰る。

でも……義務的な婚約者。

大輝のマンションで大輝と同じベッドで眠っていて、目覚めて、虚しくなる


大輝と別れた方がいいのかと頭に過ぎる。
でも、大輝と離れたくなかった。

「ーー 心愛、お前、1ヶ月、BARに行くの禁止な!!」

タクシーで大輝と一緒に暮らしてるマンションに帰り、背負われて部屋に入り、ソファーに座らせる。

気持ちよく寝てたのに起こされて、説教される。

「ーーシャワーは明日の朝起きてから浴びて、パジャマに着替えて寝ろ!!」

1ヶ月ぐらい、自宅で冬服のデザインを描く予定なわたし。
融通を利かせて貰って、京都の自宅でデザインを描いて、メールで送付してる。
その期間は思いついた時に仕事部屋にこもってデザインを描く。
時に、明け方までデザインを描いて、昼間に寝てたりするから、生活リズムがかなり崩れる。

ちなみに仕事モードの時は、大輝の存在を放置しちゃうから、大輝は1人で起きて、出勤して、帰ってきてから帰りに買ったお弁当を食べてる。

「心愛、おにぎり買ってきたから、手が空いた時に食べろ!!」

ふと、わたしは何もしない世話が焼ける彼女だなと思った。

浮気をされても仕方がない。

わたしにパジャマをわたして、大輝はシャワーを浴びに行った。
22時過ぎまで仕事をしていたらしく、帰って買ってきたお弁当を食べてた時にBARの店長から呼び出されて、わたしを迎えにきた。

シャワーを浴びて、髪をワシワシ拭きながらでてきた大輝に抱きつく。

「……大輝、抱いて!?」
「……酔っ払い、時間を考えろ!!俺は明日7時過ぎに出勤しないといけないんだ!!だからもう寝る!!」

腰に手を巻きつけてるわたしを連れて、そのまま寝室に連れていく。

「……大輝、わたしを抱けないって、浮気してるでしょ?」
「……してない。昨日、一昨日と散々お前とやっただろ!!」

「……信じられない!」
「……わかった、やればいいんだろ」

わたしがしつこいから、大輝がわたしを組み敷き、パジャマのボタンを外し、胸を口に含む。

そして、ズボンとパンティーを脱がせて、まだ潤ってないそこに長い指を入れた。

「早くイけ、酔っ払い」

わたしの体を熟知してる大輝に、指で高みに昇らされ、トロトロになったわたしの中に、ゴムをつけて大輝が入ってきた。
すぐに薄い膜越しに達し、わたしの中から抜かれた。

「……15分で終わらすなんて、酷い!!」
「俺、明日、仕事なの!!週末にゆっくりやろう。酔っ払いはしつこい。心愛、もう、寝ろ!!」

大輝がわたしを抱きしめ、頭を撫でて寝かしつけようとする。

大輝はわたしのわがままを聞いてくれる。
でも、なんでも聞いてくれる大輝に対して、後ろめたい事があるからじゃないかと、わたしはどうしても疑ってしまった。


「  ……美羽、あの綺麗な人、誰?」

「……アプリ開発部の派遣できてるプログラマーの林葉《はやしば》さんだね」

イタリアのファッションショーの仕事でわたしは、3週間イタリアに行ってた。

日本に帰ってきて無性に和食が食べたくなり、美羽を誘って 和食料亭 清月で食事をしていて、お手洗いで立った時に、たまたま目に入った奥の個室に、大輝が若い清楚な感じの女性と2人でいた。

その女性と大輝の関係が知りたくて、美羽の腕を引いて個室を覗く。
女将さんが料理を運ぶ際の開け閉めで、2人の姿を観察する。

「……これ、絶対に浮気だよね」

大輝と林葉さんは並んで体を寄せ合い食事をしてた。
配膳が終わり、戸は閉められて中は見えない。
でも、日本家屋だから、大輝とその林葉さんの声が漏れて聞こえる。

『……相沢課長、今日、金曜日ですが大丈夫ですか?婚約者さん、帰ってきてたりしませんか?』

『…….大丈夫。あいつ、月曜日に帰ってくるから。今週末、俺のマンションでゆっくり過ごそう』

あまりのショッキングな内容にショックを受けて、固まる。

大輝が浮気をしてる予感はしてた。
大輝に愛されてる気が全くしなかったから。

「……心愛ちゃん、今日、どうする?ウチくる?」

美羽がわたしを心配して、声をかけてくれた。

「……ううん。あのマンションはわたしがパパに半分お金を出して貰って購入したの。だから、あの2人の現場を押さえて、マンションから追い出す。そして、大輝とは別れる……。美羽、この2人がマンションに入って乗り込んで現場抑えるの付き合って?」

大輝とは赤ちゃんの頃から一緒に育ってきた。
家族ぐるみの付き合いをしてきた。

でも、もう、この関係を終わらそうと思った。


支払いで出くわしたらいけないから、食事の途中だったけど、支払いをして外に出た。


30分後に出てきた大輝と林葉さん。
タクシーに乗って、マンションに向かった。

それを見届け、わたしも美羽ちゃんとタクシーでマンションに向かった。



「……そろそろ入ろうか」
2人がマンションの部屋に入ってから15分後、美羽を巻き添えにして入る。


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