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身体だけの関係

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「あのイケメンは今日は一緒じゃないんですね!!目の保養が出来なくて残念です」

任天社の仕事で東京に長期出張してる藤堂。
だからワコーンのヒアリングを今回もわたしが代行する事になった。
麻生さんと同い年で出身大学が同じなのもあり、何度か顔を合わせる内に打ち解けた。

「うふふ、古いcancanとマガジンのグラビアに載ってた瀬戸さんの水着姿を入手しました!!」

麻生さんがわたしが、闇に葬りたい過去の恥ずかしいグラビア写真を出してきた。

「ルシアンはこんな感じでポスターにして!!
サルートもこの路線だけど白を基調に純粋な感じで!!
瀬戸さんみたいなボディーコンシャスな女優さんでお願いします!!
夢みるブラはあどけないアイドルで!!」

ポスターとweb広告と雑誌掲載のみで3件仕事を同時に受ける。

今日はサンプルの下着を見せて貰って、そこからどんな感じにするかの絵コンテを描き、起用するモデルさんについて打ち合わせをした。

ワコーンを出てからため息を吐く。
思い出したくない過去を目の当たりにし、吐き気がしてくる。

大学1年生の時に撮影されたグラビアで、黒か紅のビキニ姿で妖艶な感じに撮られ、セクシーすぎると話題になった。
中高一貫女子校出身だったわたしは男性と関わることがなく、大学生になっても付き合いたいと思える男性と出会ってなく、男性とお付き合いした経験がなかった。
そんなわたしにグラビアが話題になった事で『性欲が駆り立てられる』『夜の相手をして欲しい』という気持ち悪いファンレターがたくさん送りつかれた。
その気持ち悪さから男性に恋愛感情を抱けなくなった。

そんなわたしだったのに、藤堂に1度抱かれただけないのに、あれから時間が経つごとに藤堂にまた抱いて欲しいと身体が欲していて、かなり煩悩してる。

「……もっとこんな感じの妖艶な感じの女優さん、いないですかね!?
65Gでくびれがキュッとして桃尻な!!」

ワコーンでの2回目のヒアリング……。
わたしだけで行こうと思ってたのに、藤堂が着いてきた。

藤堂にわたしの過去の負の遺産を見せる麻生さん……。
藤堂はまじまじと見ていた。

「ルシアンのモデルイメージは瀬戸さんなんですよね。脱いで下さいよ!!」

「お断りします。わたしももう28歳で身体の線も崩れてます。無理です」

「28歳が1番女性の色気が出る年齢ですよーー!!」

かなりひつこく麻生さんに言われたけど、
「麻生さん、うちの瀬戸は今はモデルをしてないんですよ。なので、ご希望には添えません。こちらで似た容姿の起用モデルを再度探してきます」

藤堂が横に入って、説得をしてくれたらなんとか難を逃れた。


*****
ワコーンを出てちょうどお昼時だったから、駅前の和食定食屋でランチをとる。

「起用モデルが今日中に決まってよかったな」

サーモンとイクラと甘エビの海鮮丼とお吸い物のセットをパクつくわたし。
藤堂はカツ丼とうどんのガッツリセットを注文した。

「……制作プランナーに引き継いだらしばらくはワコーンの仕事から解放される」

麻生さんからのセクハラから解放されると思ったら嬉しい。

「瀬戸、今日の同期会出る?園田と葉山の結婚祝いで関西支社の奴らも駆けつけるから、お前も来い!!」

「……面倒臭い。少しだけ顔出す」

仕事で絡みがない同期とは挨拶も交わしてない。
だから、できたら行きたくない。
同期達は支社の管轄内の広告制作プランナーとしてポスターとCM撮影の仕事か総務や経理などの裏方的な仕事をしてる。
仕事的に戦略プランナーは花形のポジションで、入社3年目に抜擢されたわたしは妬まれる対象になった。

「瀬戸の飲む相手は俺が付き合うから」

わたしが同期会に出席する事に対してかなり嫌な表情を浮かべたからか、藤堂が気にかけてくれた。

藤堂の隣にいるのも、独身の同期の女性社員から睨まれそうで嫌だ。

顔を出して、祝い金を含む会費を支払って、乾杯だけして、帰ろうと思った。


18時に仕事を終え、重い足取りで同期会の会場へ向かう。

京都駅近くのおしゃれな創作料理のお店を予約していて、ぐるなびの口コミで料理がかなり美味しいと書いてあったら着いたらさっさと食べてお腹を膨らませて帰る事にした。

5000円のコースバイキングに飲み放題がついてて、結婚祝い金を含めて1万円先に支払い出口付近に座る。

わたしの隣に当たり前のように藤堂が座った。

結婚が決まった同期の2人は幸せそうな表情を浮かべ、身体を寄せ合ってた。

わたしの隣に藤堂が座ったせいで、総務や経理、営業事務の一般職の女性社員が周りに集まり、甘い声で藤堂に話しかけてるから気分が悪い。

料理はすぐにきたから、新鮮なお刺身と焼き鳥、だし巻き卵、唐揚げと料理を食べる。

ローストビーフとカルパッチョと、シーザーサラダ、ステーキを注文し、きたら食べてすぐに帰ろうと思ってた。

お手洗いで席を立つと、わたしの前に座ってた女性3人が着いてきた。

「ねぇ、瀬戸さん。瀬戸さんと藤堂さん付き合ってないよね?」

「……付き合ってないけど」

「……だよねーー。でも、藤堂さんは瀬戸さんの事が好きみたいなんだよね。だからさ、こっぴどく振ってくれない?」

女性あるある。好きな男を射止めるためには手段を選ばない。
わたしが藤堂と付き合ってたとしたら、たぶん、わたしに対する嘘の噂でも流し、それをネタに藤堂を慰めるふりをして近づき、なんとか自分のものにしようとするだろう……。

「吉田さん、そう言う事を陰でやるの辞めてくれない」

藤堂が吉田さん達が集団でわたしに着いて行ったのを不審に思って来てくれてた。

とんでもないところを見られたと3人は挙動不審になり、飲み会の席に戻って行った。

「気分悪いし、瀬戸、他所で飲み直そう」

わたしの鞄と上着を持ってきてくれてたからそのまま店を出る事にした。

そして、藤堂が行きつけのBARに連れて行ってくれた。

BARで甘いカクテルに2杯飲み、不覚にも酔ってしまった。

藤堂に絡む女性社員を見て腹が立ったのと……認めたくないけど、藤堂にまた抱かれたいと身体が反応してしまった。

藤堂と一緒にタクシーに乗って向かったのは会社から目と鼻の先にある単身用マンションで、7階の中部屋に手を引かれて着いていき、中に入る。

藤堂が1人暮らししてる部屋らしく、玄関のドアを開けて入ると、壁に追い込まれて唇を塞がれ舌を絡ませ合いながら濃厚なキスをした。

お互いの唾液が合わさる水音。
ブラウスに手を入れわたしの胸の膨らみを触り、感触を楽しむだけでなくたくしあげてブラから頂きを出し、藤堂は、口の中に含み、吸ったり甘噛みをして刺激をする。

そして、スカートの下から右手を入れ、わたしの脚の付け根を優しくタッチする。
そして、蜜が溢れ潤ってる窪みに指を入れた。

「……瀬戸、処女だったのに感度いいよな」
わたしのパンティと履いてるストッキングをさげ、そこに顔を近づけ、舌を入れてきた。
蜜を吸われ、指で刺激され、あまりの気持ちさにおかしくなる。

「瀬戸……後ろを向いて」

藤堂に言われるまま後ろをむくと腰を掴まれ、後ろから反り勃った男を挿れられた。

かなり激しく前後に抜き差しされ、奥深くを突かれ、頭の中が真っ白になった。


「………イッタな」

藤堂はそういうとわたしの中に男を突いてきて、そして抜くとと共に、精を放出した。

玄関で1番と繋がったのに、その後浴室に連れて行かれ、全身を洗われ、そのまま座ったバックでやる。

身体を清めてもベッドルームに連れて行かれて、ベッドの上で全身を愛撫でてされ、舌で味わられ、全身に花びらのようなキスマークをつけられた後、明け方まで抱き潰された。

こんなに男女の交わりが気持ち物だとは思わなかった。

*****

「瀬戸……結那、おはよう」

藤堂に抱きしめられ、また繋がったままの体勢で目を覚ます。

朝っぱらなのにわたしを下に押し倒して唇を塞ぎ舌を絡め合わせながら、わたしの恥部に埋めてる男を前後に奥にと抜き差しし、中に果てた。

「……昔に買って置いてたゴムがあったから大丈夫」

モテ男な藤堂だからわたし以外の女性とこういう行為を過去にしていてもおかしくないけど、他の女性ともこんな行為をしてたと思うと嫉妬心に駆られてしまう。

「……結那と一緒に仕事する前だから、5年ぐらい女を抱いてない。ほら、使用期限が切れてるだろ?」

使用期限が切れてる昨日の夜開封したと思われる箱を見せられた……。

「結那、愛してる。結那も俺の事を誠司って呼んで」

誠司はわたしのおでこにキスを落とすとシャワーを浴びにいった。
誠司が出てきた後に昨日着ていた服を身につける。
……下着が気持ち悪い。


「誠司、下着が気持ち悪いから着替えたいから帰る。
後、わたし、誠司とエッチしたけど、誠司とは付き合わないから。
身体の関係は持っても付き合わない」

「はっーー!!」

モテ男なスパダリと呼ばれてる藤堂と社内恋愛なんてできない。

「飲んだ後……とかやりたい時にやっていいよ。もう、帰る。誠司もピカキンさんの所に行かないといけないでしょ。じゃ、月曜日に!!」

鞄を持って逃げるように、わたしは誠司のマンションから出て行った。


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