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お見合い相手との今後どうするかを悩む

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「愛里、お見合い相手ってどんな人だった?」

「うん、良い人だったよ」

週明け、同僚で親友の木原香奈子(きはら かなこ)ちゃんが早めに出勤してきて、早出で仕事をしているわたしに声をかけてきた。

お見合いする事は話してた。
親の顔を立てるために行くだけで、結婚どころか付き合う気も無く、お断りするにはどうしたら良いかと相談してた。

「どこに勤めてる人で何をしてる人だったよ?」

「……プリンセスホテルグループの次期社長」

「マジで!!」

香奈子ちゃんは、お見合い相手について、お見合いしないと結婚相手が見つからない人だから絶対に性格に癖のある人か見た目が残念な人と予想してた。
実際は見た目も性格も最上級でしかもプリンセスホテルグループの御曹司で、驚いてた。

「じゃ、前向きに結婚考えるの??」

「どうかな……わたし、社長夫人って柄じゃないし、雲の上の人のようで、結婚相手としてはみれないな」

イタリアンレストランの内装設計を今手がけていて、壁紙等の見積もりを取り予算内に収まるようにあれこれ計算わしながら、わたしは香奈子ちゃんと話す。

仕事が楽しくて恋愛と結婚はしばらく考えられない。

「結婚したらいいじゃん。社長夫人、羨ましい!!」

社内の建築士と社内恋愛をしてる香奈子ちゃん。
香奈子ちゃんは仕事も恋愛も全力投球してる。
社内で彼と一緒にいるところを見ると幸せそうで羨ましく思うこともあるけれど、わたしは両立できないなと思ってしまう。

始業時間前になり社員達が出社してきたから、香奈子ちゃんとわたしのお見合い話は終わりにした。


「天沢、今仕事を抱えてるから大変だと思うけれど、この仕事任せていいか?」

堀内課長がわたしに営業から上がってきた新建築計画書をわたしに見せてきた。

「プリンセスホテルグループのリゾートホテル建築ですか……」

ざっと目を通す。
熱海と草津、別府に新たに建築する温泉付きホテルを建築するらしい。

「やらせていただきます」

昨日、わたしが手がけたグランドプリンセスホテルの内装を次期社長の総司さんに誉められ、手がけてる案件が多くて猫の手を借りたいぐらい多忙だけど、引き受けてしまった。

クライアント先にヒアリングに出かけ、現場の確認にも出向かないといけないから、部署にいる限られた時間に内装デザインの設計図を仕上げないといけない。

課長がさってから、わたしは気持ちを切り替え、設計図作成に取り掛かることにした。


建築関係の会社は土日休みとなってるけれど、現場が土曜日も仕事をしてるから、特に用事がある時以外は土曜日も出勤して仕事をしてるわたし。
内装デザインの設計図を書いたり、壁紙や照明等、メーカーに見積もり依頼を出したりなどの仕事を片付ける。

片付けないといけない仕事を終わらせ退社しようと時計の針を見たら21時を過ぎて、パソコンの電源を切って帰る事にした。

iPhoneを取り出すとメールが入ってて開くと総司さんからだった。

“すみません。明日、16時に迎えに参ります。時間を遅らせてごめんなさい。お会いできる事を楽しみにしております”

明日、総司さんとデートをする約束をしていた事をすっかり忘れてたわたし。

お見合い後、付き合いをするかについては1か月以内(会う回数で言えば2.3回程度)で判断し、お付き合いが始まったら3か月以内に結婚するかどうかを決めないといけないと、ネット検索で調べたら書いてあった。

先週のお見合い後のデートの流れで明日もお会いする事になったけれど、仕事に集中したいわたしはまだ結婚する気は無い。

明日、お断りをしようと心に決め、帰り道にどうお断りをしようかと考えるわたしがいた。


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