天才小児外科医から溺愛されちゃいました

エピローグ

「愛花、じいじとばあばの家に行くよーー！！」

「はあーい！！」

３月12日に3歳になったばかりの愛娘の愛花が、1人でワンピースにお着替えし、白いふわふわのお気に入りの猫のリュックサックを背負って、私のところに駆けてきた。

妊娠38週と6日目の日に普通分娩で産まれてきた愛花。
先天性疾患の疑いはなかったけど、もしもの事があるからと府立病院に転院し、出産をした。

「パパ、将生、来る？」

「来るよ」

とんでもない実験でできた胚盤胞で産まれた私は戸籍上で非嫡出子となっている。
凍結していた胚盤胞の移植でできた子供だけどその事実を隠し、父親に認知されてない子として出生届を提出されていた。
凍結していた胚盤胞の父親の名前は久保教授で、結婚して子供がいる彼に知られたらマズいからと、友人にお願いして出生を誤魔化したらしい。

「血縁があるかもしれない事お役所は知らないから、婚姻届出して夫婦になっても問題無いんじゃない？」

涼介院長と真弓副院長ほどではないけれど、母もモラルが欠けていた。

私と一輝先生が異母兄妹かどうかについて、実はDNA鑑定をして調べてていない。
だけど、母も一輝先生も異母兄妹だと思っている。

異母兄妹とわかっていて結婚したら、法的違反になり離婚しないといけなくなるから、検査はしない。