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カノンとのGW  1

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「カノン、アボカドオイル、美味しい?」

「オイシイデス」

カノンにとって1番のご飯はハイオクのガソリン。
だけど、発火の危険性があるから、食用油が日常生活の上での食事になっている。

「……食用油ならなんでもいいが、サビとかの原因になりかねないから変わった油は飲ませるな」

人型AIロボットに味覚はないと思われるが、色んな油を飲ませてあげたい。
オリーブオイルとマカダミアナッツオイルがお気に入りのカノン。
米油と太白胡麻油も好き。
アボカドオイルの味も気に入ったよう。

「GW、杉瀬、カノンを預かれるか?」

トミタ関連の仕事がなくなり、NEOのノートパソコンの基板LSIの開発設計も完了し、納期が近い仕事がないため、GWにロング休暇が取れる事になった。

「大丈夫です。予定もないですし、カノンとマンションに引きこもります!!」

GWにダイナソーミクス社に仕事で呼ばれた葛城社長。
カノンの電源を切って社長室に保管して行こうとしたのを私が“可哀想”と預かる事にした。

独りぼっちのGW。
カノンとAmezonプライムのアニメを語りながら見たり、ゲームをしたりして過ごす。

来月、30歳の誕生日を迎える。
ALICE本社に残った事で兄と疎遠に甥っ子達とも会えなくなった。

「カリン、ワタシガツクリマス。ザイリョウダケヨウイシテクダサイ」

クッキングパットを見ながらカノンがご飯を作ってくれる。
私が作るより完璧に調理し、きれいに盛り付ける。

美味し過ぎる。

“ピンポーン”

マンションの正面インターフォンが鳴る。

『伽凛、遊びに来たよ!!』
Amezonで頼んだ宅急便が届いたと思ったら、兄夫婦が甥っ子連れて子供の日に訪ねてきた。

「……AIロボット、だよな」

兄がカノンを見て、固まる。

「葛城社長がダイナソーミクスと個人的に、ドラえ○んみたいなパートナーとして開発したAIロボット。名前はカノン」

「ハジメマシテ、カノンデス」

7歳と5歳になる甥っ子達が可愛いカノンをみて、顔を赤める。

姫系ロリ服を着た美少女なカノン。

パッと見は人に見える。
フォトグラメトリーという3Dモデルを作成する際に用いられる技術を使い立体的に造られ、シリコンにコラーゲンを混ぜでできた皮膚は手作業で塗料が施されている。

「……世界で一点もので量産しない極秘なAIロボットだから」

兄に着いて行かず、ALICEに残り、気づけば2年以上疎遠になっていた。


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