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会社分裂、兄と社長、どちらにつくか
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「葛城社長と杉瀬副社長の不仲、解消しないね」
葛城社長が長期でアメリカに滞在し、話し合う時間がないからもあるが、
「プロセス1以下対応の半導体製造装置を容易く他のメーカーの製産工場に貸し出せないよ」
ソミーとNEOからの開発協力で完成したプロセス1以下の半導体製造装置。
製造装置と微細化電子部品の設計は葛城社長だけど、製産工場で製造しているのはソミー。
プロセス1以下の半導体技術は機密性が高い。
他のメーカーに技術を盗まれるわけにはいかない。
微細化電子部品の発注生産は対応するも、ソミーとNEO以外の会社以外には製造装置をレンタルできない。
「トミタがプロセス1以下の半導体製造装置を開発すればいいんじゃん!!」
デンタで開発を進めている。
プロセス1以下に対応するには微細化電子部品の開発製造も必要で、かなりの年月がかかる。
葛城社長はソミーの永峰専務とALICE発足以前から開発を行っていたと憶測する。
「杉瀬副社長、トミタ関連のチームメンバー連れてALICEから独立するんだってね。杉瀬さんはどうするの?」
兄からALICEを辞めて杉瀬製作所で働くように言われたけれど、拒絶した。
『伽凛さん、凛太郎くんとトミタの自動車開発を手伝ってくれないか』
冨田室長がわざわざ名古屋から足を運び、ALICE本社の前で待ち伏せをし、私を説得するも断る。
『ALICEで最先端の半導体開発の仕事をしたいから、ごめんなさい』
中学2年の春に祖父が亡くなり、中学3年の夏に両親が命を絶った。
兄が成人していて同じ家に住んでいたから、生活は何も変わらなかったけれど、両親に負債を負わせ追い込んだ協力会社の社長との訴訟や生活費と学費捻出のために専高通いながら寝る間を惜しんでバイトしていた。
いつか、杉瀬製作所を復活させたい。
なのに、兄の独立に着いていかず、ALICEに存続を決めた。
トミタの仕事を請け負っていたプロジェクトチーム17人のうち、12人がALICEを去り、5人は残った。
『半導体の最先端技術開発に立ち合いたい』
ほぼ社長不在の中、ALICEはトミタ以外の会社から請け負った仕事をこなし、なんとか経営していくも、新規のクライアントが取れず、経営はかなりきつかなった。
「留守を任せて悪かった」
アメリカ長期出張から戻ってきた葛城社長。
隣には120cmぐらいの腰まである長い栗色の髪色した青い目をしたAI人型ロボットがいた。
「アリシア?」
「……違う。試作のカノン」
7歳ぐらいの女の子AIロボットが葛城社長の脚にへばりつき、不安そうに集まったALICE社員全員を見つめる。
「カノンちゃん、はじめまして。私は伽凛。これからよろしくね」
葛城社長は人に限りなく近い幼女のAIロボットを連れて帰ってきた。
葛城社長が長期でアメリカに滞在し、話し合う時間がないからもあるが、
「プロセス1以下対応の半導体製造装置を容易く他のメーカーの製産工場に貸し出せないよ」
ソミーとNEOからの開発協力で完成したプロセス1以下の半導体製造装置。
製造装置と微細化電子部品の設計は葛城社長だけど、製産工場で製造しているのはソミー。
プロセス1以下の半導体技術は機密性が高い。
他のメーカーに技術を盗まれるわけにはいかない。
微細化電子部品の発注生産は対応するも、ソミーとNEO以外の会社以外には製造装置をレンタルできない。
「トミタがプロセス1以下の半導体製造装置を開発すればいいんじゃん!!」
デンタで開発を進めている。
プロセス1以下に対応するには微細化電子部品の開発製造も必要で、かなりの年月がかかる。
葛城社長はソミーの永峰専務とALICE発足以前から開発を行っていたと憶測する。
「杉瀬副社長、トミタ関連のチームメンバー連れてALICEから独立するんだってね。杉瀬さんはどうするの?」
兄からALICEを辞めて杉瀬製作所で働くように言われたけれど、拒絶した。
『伽凛さん、凛太郎くんとトミタの自動車開発を手伝ってくれないか』
冨田室長がわざわざ名古屋から足を運び、ALICE本社の前で待ち伏せをし、私を説得するも断る。
『ALICEで最先端の半導体開発の仕事をしたいから、ごめんなさい』
中学2年の春に祖父が亡くなり、中学3年の夏に両親が命を絶った。
兄が成人していて同じ家に住んでいたから、生活は何も変わらなかったけれど、両親に負債を負わせ追い込んだ協力会社の社長との訴訟や生活費と学費捻出のために専高通いながら寝る間を惜しんでバイトしていた。
いつか、杉瀬製作所を復活させたい。
なのに、兄の独立に着いていかず、ALICEに存続を決めた。
トミタの仕事を請け負っていたプロジェクトチーム17人のうち、12人がALICEを去り、5人は残った。
『半導体の最先端技術開発に立ち合いたい』
ほぼ社長不在の中、ALICEはトミタ以外の会社から請け負った仕事をこなし、なんとか経営していくも、新規のクライアントが取れず、経営はかなりきつかなった。
「留守を任せて悪かった」
アメリカ長期出張から戻ってきた葛城社長。
隣には120cmぐらいの腰まである長い栗色の髪色した青い目をしたAI人型ロボットがいた。
「アリシア?」
「……違う。試作のカノン」
7歳ぐらいの女の子AIロボットが葛城社長の脚にへばりつき、不安そうに集まったALICE社員全員を見つめる。
「カノンちゃん、はじめまして。私は伽凛。これからよろしくね」
葛城社長は人に限りなく近い幼女のAIロボットを連れて帰ってきた。
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