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レセプションパーティーでビュッフェを

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JR名古屋駅上ダイヤモンドタワーズ高層階にあるマリアットアリシアホテル。
51階のバンケットルームでレセプションパーティーが行われる。
遮るもののない、地上200mの大パノラマが広がるスカイバンケット。
戦略発表会が15時から行われ、19時からのパーティー。
12月終わりという季節から、煌びやかな夜景を一望できる会場内はエレガントな雰囲気に包まれていた。

「美味しそう!!」

ブュッフェコーナーには、バリエーション豊富な豪華なフランス、中国、日本料理にデザートが並んでいて、引き寄せられてしまう。

だけど、出席者のほとんどがビジネス関係者。
立ち振る舞いで恥をかき、今後のビジネスにも影響が出たりする可能性があるから我慢する。

葛城社長と半導体先行開発試作責任者の兄、プロジェクトメンバー7人と固まって会場内を回る。

バッテリー開発を任されているパラソニックの先行開発チームメンバーも招待されていて、葛城社長を筆頭に名刺を交換する。

パラソニックの先行開発チームメンバーとバッテリーEVの開発について論議し、課題が多い事に同調する。

「葛城社長、絡みのある会社と出資会社の重役の皆さんに挨拶終わりましたし、そろそろ食事しません?」

レセプションパーティー開始から2時間が経過し、お腹が空きすぎ、ブュッフェコーナーに目がいってしまう。

「そうだな。俺はこういう場で食事する気にはならないが……」

美味しそうな料理が並んでいるのに、周りは食事を楽しむよりワイン片手に社交を深めている。

「伽凛は食いしん坊だからな。葛城、すまないが食事をさせてやってくれないか」

ビュッフェを堪能したい私の想いを汲んで、兄が葛城社長に交渉してくれた。

「……わかった」

レセプションパーティーでビュッフェを楽しむものではないといっても、豪華過ぎる料理を目にしたら、挨拶回り中、口の中で涎が溢れ出て、垂れそうなのをぐっと堪えていた。

「ALICEの皆様、御出席して下さりありがとうございます。トミタEV開発事業部企画室の室長をしております冨田颯人です」

ブュッフェコーナーに移動しようとしたら、30代前半の仕立てのいいブラックスーツを身にまとった高身長な男性に話かけられてしまった。

「ALICEの葛城雅樹です。バッテリーEV車の開発推進、ありがとうございます」

やっと食事にありつけると思ったら、トミタのEV開発のトップに鉢合わせ、豪華な料理を舌鼓打てず、パーティーはお開きになった。



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