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5、本
しおりを挟む「トカゲ好きだー、結婚しよーぜー」
「ふっ、ワニよ、策に掛かったな」
「おー?」
いつものバカでかい声でのっしのっしと現れたワニ。
バカだから一目瞭然の此処を見ても場所が分からなかったんだろう
脳筋だから
とか言う間に司書ゴーレム軍団が現れた。
そう、此処は我が勤め先である邪悪なる図書館の中でも最奥である。
いつもの場所は何だかんだとこいつの存在に慣れやがって静かにしろと挑んでくれる猛者がちっともいなくなっちまったしな
まぁ全敗でシミになったが
だが此処の奴等は一味違う。
よい子は静かにしないと魔王様直々のゴーレム達によって排除されちゃうのだ☆
ふっはっはー、スープになりやがれー!
わくわくと禁書片手にゴーレムを応援していると、何処からともなく何トンもありそうなどす黒いオーラと血塗られて赤い戦斧を取り出したワニ。
は? いや、お前此処でそれは
「おい、ワニちょ、やめ」
「いやトカゲ、流石に武器ないときついわー」
ちゅどーんではない、ドグワオオオオンンンである。
ゴーレム達がいた場所にクレーターが咲いた。
月面か
秒殺か
そしてわらわらとレベル2に移行したのか司書ドラゴンが現れる。
「トカゲー、いい場所じゃねーかー、次も此処でデートしようぜー」
「デートじゃねえよクッソ! やめろ! 片付け一人なんだぞうおおお」
目の前でぱっぎゃーんとドラゴン花火(首だけ)が打ち上がる。
天井に染みになる。
ああああ、レベル3に入ってトラップが……
ワニはノリノリでいい準備運動だなーと戦斧を振り回している。
思わず絶望の涙を流した。
本棚からは既にほぼ全部本が落ちている。
見渡す限り本の山だ。
でも禁書は本の癖に私よりも万倍防御力が高いから無傷だ。
というかさっきから大事に扱えとうるせえ
本の癖にうるせえ、燃やせないから代わりにワニの方に投げるぞ!
お前等片付けずに放置してやろうか!!!
「トカゲそんな喜ぶなよー、照れるぜー」
「ワニ死ね! いけ死神龍! お前しかいねえ! 負けんな! そこだ! 世界はお前に掛かってる!」
援護でひたすら禁書を投げつけた。
くそ避けられた
あ、本が死神龍に当たった。
死神龍が灰になった。
くっそ、名ばかりかよ! 図体だけだったじゃねえか、つかえねー!
「トカゲナイス援護ー、俺ら息ぴったりだな!」
「ワニの息なら止めたいがな」
これ以上やっても被害が増えるだけなので諦めてトラップのスイッチを切った。
ちなみにレベル十まである。
最早ここで終わらせて良かったと思うしかない。
目の前の燦々たる現状に地面で四つん這いになるしかない。
このいかれチートクソワニめぇ…
給料引かれるわ、落ちた本を本棚に戻すのも1人だわ…。未来は真っ暗だ。天井の染みに擬態してぇ
ちなみにある程度は城自身で破壊跡は治してくれる。
生きてるし
「ワニのせいだし手伝えよなー」
「おーいいぜー」
しゃーなしに諦めてそこらのぶつくさ煩い禁書を拾って棚に一冊入れる。
ワニに天井付近の染みをまずは洗わせて……
「隊長いた。今日進軍の日っすよー」
「そういやそうだったなー、じゃトカゲ行ってくるわー。土産待ってろよー」
クッソ、ワニマジクッソ!!!
1人で片付けた。
死ぬかと思った。
灰になった死神龍はデータごと消滅してたらしいのでこいつが一番高かった。
死神系はマジ使えないと思った。
大体いつも通りな日常だった。
後書き
以降本棚自体に落下防止の魔法が施されたらしい。
まさかワニレベルが暴れるとは思わなかったそうな。
というかレベル一のゴーレム軍団だけで大抵の侵入者(図書館の最奥くらいまでなら到達出来る程度の人間)ならば瞬殺できますね~。言い方がおかしい?あー、実は魔族にとって気持ち的には正直禁書ってそんなに守りたいやつじゃないんですよねぇ。こう仕方なくというか(笑)
なので防御網というか、警戒レベルは上の下程度なんすよ~。魔王様が上の上なのは当然☆ とはいえ魔王様のが部下より強いが。うむ。まぁ魔王様は魔族達から大人気なので。強いし美しいし。あと強いし。うむ。モテ基準はまぁ…魔界なので☆
魔族の侵入者はレアかも。脳筋も多いっすし。まぁ禁書は逆に知能指数と狂気具合が振り切った奴等の力作なんですけどね(目を逸らし)
というか人間界では何か手に入れたら世界を制す…レベルの賢者の書達みたいな変な感じで伝わってるという…、いやまぁあまりに魔族どころか世界に傍迷惑過ぎて禁書指定くらった本達だからあながち間違いではないんですけど、まぁ禁書ですしね。大概の禁書は普通の者が触れると大概が悲惨な末路を辿りまっす☆ 禁書に操られたり脳がぱっぎゃーんしたり…etc…ね!☆
魔族も人間もお構いなしでっす☆うむ、傍迷惑過ぎる。というか、原産場所魔界なんで、魔族のが被害者が絶賛多い。
魔族の守りたくないけど仕方なしの気持ちも分かる様な気もする裏事情である。でも、下手に守らなくて出回ったら余計に被害大だしなぁ…(遠い目)という訳で一番お客さんが来ないようにと最奥。実際侵入者は数える程しか来ていないし、今の所被害は一度もない。むしろ今回が初被害であった。
トカゲさんやったね!☆
まぁ禁書も役に立つ時もあるにはあるんだけどね…うん、長くなったのでここらで割愛☆
詳しくはまた禁書についての話にて~☆
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