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第29章 禁断の杯
先生のペース
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「注目しません!」
「こんなに可愛いんだから、見ておくべきだぞ先生。……ほほう、本当だ。リボンの下にお宝が」
「あっ、こら寒月!」
顔から湯気が出てるんじゃないかというくらい恥ずかしいのに、背後でクスクス笑う青月に抱きしめられて、寒月がリボンをめくり上げるのを止められなかった。――結果。
「うおおお!」
「落ち着いて見ると、さらに凄まじい破壊力だな……!」
姿見に映った僕の股間を食い入るように見つめる、王子様二人。
「落ち着いて見るなー!」
腰をよじって逃れようとしたら、寒月に「お尻を振ったら余計にエロいぞ? 先生」と言われてしまい、ピタリと静止した。
……お尻を振ったつもりはないのに!
あわあわしているあいだに、そのまま寒月に片手で腰を支えられ、「探索、探索」などと言いながら、もう片方の手でふんわりと、性器を擦り上げられた。
羽根で撫でた程度の刺激が、思いのほか鋭敏な感覚を生み出して、ビクンと魚みたいに躰が跳ねる。
「あっ! そこ、やだあ……っ」
「やっべーよ先生。声もリボン結びちんこもエロすぎる」
「桃尻先生のちんこだからこそ映えるんだ。ちんこ自体可憐なのだから、リボンが似合わないわけがない」
「だな。こんなところまで恐ろしく可愛いからな」
「馬鹿なことばっか言って……あ! んんっ」
わずかな愛撫に、とても簡単に反応してしまう僕の躰。
うしろから密着してくる青月も、とうに硬くなっているものが確かな質感を伝えてくる。
寒月のものも下衣を突き上げるように主張しており、その凶暴な量感ときたら……!
久々に二人の欲望を目の当たりにして、ちょっと怯んでしまったのが伝わったのだろうか。
双子は僕を一旦解放し、「やっぱり先生のペースで進めよう」と言い出した。
「僕のペース?」
中途半端に快楽を与えられた躰でそわそわと、戸惑いながら尋ねたら、寒月が安心しろと笑った。
「先生のペースで、見せて。そして、どうしたいか教えてほしい」
「え」
「そうだな。俺たちはアーネスト先生の指示になんでも従おう」
青月まで。き、急に、そんなことを言われても……
色ごと全般において初心者な僕が、百戦錬磨の双子に指示を出すなんて無理だよ……。
よほど情けない顔になっていたのか、二人は子猫を愛でるみたいに笑って、いつものようにキスしてきた。
二人交互に、あるいは同時に。
髪に、頬に。
額に、鼻先に、こめかみに、まぶたに。
うなじに、首筋に、唇に。
「……は、あ……」
キスの雨の中、寒月の舌に上顎を探られて、熱を逃がすように吐息をこぼした。
巧みな舌使いに翻弄されるたび、ますます性器に血が集まるのを感じる。
隠す機能を放棄した下着は、リボンの下で勃ち上がったものを強調する効果しかない。ドレスの透け感も、裸体よりよほど卑猥さを増している気がした。
これが狙って施した効果なら、ピュルリラさんとアガーテさんの才能に、改めて驚愕するけれど……今はそれどころではない。
「アーネスト先生。もう一度、うしろもよく見せて?」
いやらしいことを言っても寒月の声は、ドキドキするほど優しい響き。
「そんな、こと……」
「俺たちしか見てないんだから、恥ずかしがることはないだろう?」
青月のそんな、普段なら反論するであろう言葉に従ってしまったのは……すかさず寒月が齧らせた、桃マルムのせいに違いない。
さっき僕らに齧られた桃マルムが復活したのか、別のものなのかわからないが。優しい桃色の真ん丸フォルムは、視覚的にも、見る者をほわんと夢見心地にさせる気がする。
「こ、こう……?」
そう、絶対に桃マルムのせいだ!
自分でドレスをめくってお尻を見せるなんて、いつもの僕なら考えられない……!
寒月が「ん~」と微笑んで首をかしげる。
そんな仕草まで、ドキリとするほど男前。
「それじゃあ見えないなあ。ほら、俺につかまるか? そしたら腰を突き出しやすい」
「そ、そか」
言われるまま身を寄せて、そしたらひどく甘えたくなって、広い胸に顔を押しつけた。ちょっとホッとする。
「ほんと可愛くてたまらん。食っちまいてえ」
頭頂部にキスされ、カプカプ唇で音を立てられた。
甘やかされるのが嬉しくて、その雰囲気に流されて、恥ずかしくてたまらないのだけど、脚をひらいてお尻を突き出した。
「見え、る?」
「レースをひらいてくれないと見えません、先生」
青月が背中にキスしながらそう言って、下腹を撫でてきた。
肝心な箇所には触れず、その周りばかりをゆっくりと撫でられて、じれったさのあまり、ちょっと泣きたくなった。
思わず涙目になって寒月につかまったまま振り向くと、青月が「またそんな顔をする」と切なげに苦笑した。
「これでも理性を総動員してこらえてるんだから、これ以上煽らないでください先生」
「煽ってない、も……」
頬が火照って、語尾がかすれた。小さく震える手をうしろに回す。
逡巡しつつもレースを割りひらき、秘所を晒すと、そこがスーッと空気に触れた感覚で、隠すべき箇所を自ら双子に見せているのだという実感と羞恥が沸き起こり、額に汗が浮いた。
こんなの、素面のときにやることじゃない……!
「も、もう、いい?」
恥ずかしくて額を寒月の胸に押しつけたまま尋ねたが、どちらからも答えが返らない。どうしたのかと顔を上げると、二人の視線が鏡に向いていることに気がついた。
おそるおそる上半身をひねり、僕もそちらへ目を向ければ――
双子に上手いこと誘導されていたに違いない。ちょうど背後に鏡。
そしてそこに映っているのは、鏡に向かって秘所を見せる、この世のものとも思えないくらい、恥ずかしすぎる自分の姿。
「……ッ!」
以前の、窓に映った性行為を見ながら致したことまで思い出してしまった。なぜにこの二人は、こういうスケベ演出を入れたがるのだ――!
双子はうっとりと見入っていたが、僕があわててそこを隠すと、寒月が「あー……」と呻いた。
「先生。俺たちは先生のこの、目眩がするほど可愛い隠し財産を、存分に愛でまくりたいんだが。先生はどうしたい?」
「もしくは、どうされたい?」
「こんなに可愛いんだから、見ておくべきだぞ先生。……ほほう、本当だ。リボンの下にお宝が」
「あっ、こら寒月!」
顔から湯気が出てるんじゃないかというくらい恥ずかしいのに、背後でクスクス笑う青月に抱きしめられて、寒月がリボンをめくり上げるのを止められなかった。――結果。
「うおおお!」
「落ち着いて見ると、さらに凄まじい破壊力だな……!」
姿見に映った僕の股間を食い入るように見つめる、王子様二人。
「落ち着いて見るなー!」
腰をよじって逃れようとしたら、寒月に「お尻を振ったら余計にエロいぞ? 先生」と言われてしまい、ピタリと静止した。
……お尻を振ったつもりはないのに!
あわあわしているあいだに、そのまま寒月に片手で腰を支えられ、「探索、探索」などと言いながら、もう片方の手でふんわりと、性器を擦り上げられた。
羽根で撫でた程度の刺激が、思いのほか鋭敏な感覚を生み出して、ビクンと魚みたいに躰が跳ねる。
「あっ! そこ、やだあ……っ」
「やっべーよ先生。声もリボン結びちんこもエロすぎる」
「桃尻先生のちんこだからこそ映えるんだ。ちんこ自体可憐なのだから、リボンが似合わないわけがない」
「だな。こんなところまで恐ろしく可愛いからな」
「馬鹿なことばっか言って……あ! んんっ」
わずかな愛撫に、とても簡単に反応してしまう僕の躰。
うしろから密着してくる青月も、とうに硬くなっているものが確かな質感を伝えてくる。
寒月のものも下衣を突き上げるように主張しており、その凶暴な量感ときたら……!
久々に二人の欲望を目の当たりにして、ちょっと怯んでしまったのが伝わったのだろうか。
双子は僕を一旦解放し、「やっぱり先生のペースで進めよう」と言い出した。
「僕のペース?」
中途半端に快楽を与えられた躰でそわそわと、戸惑いながら尋ねたら、寒月が安心しろと笑った。
「先生のペースで、見せて。そして、どうしたいか教えてほしい」
「え」
「そうだな。俺たちはアーネスト先生の指示になんでも従おう」
青月まで。き、急に、そんなことを言われても……
色ごと全般において初心者な僕が、百戦錬磨の双子に指示を出すなんて無理だよ……。
よほど情けない顔になっていたのか、二人は子猫を愛でるみたいに笑って、いつものようにキスしてきた。
二人交互に、あるいは同時に。
髪に、頬に。
額に、鼻先に、こめかみに、まぶたに。
うなじに、首筋に、唇に。
「……は、あ……」
キスの雨の中、寒月の舌に上顎を探られて、熱を逃がすように吐息をこぼした。
巧みな舌使いに翻弄されるたび、ますます性器に血が集まるのを感じる。
隠す機能を放棄した下着は、リボンの下で勃ち上がったものを強調する効果しかない。ドレスの透け感も、裸体よりよほど卑猥さを増している気がした。
これが狙って施した効果なら、ピュルリラさんとアガーテさんの才能に、改めて驚愕するけれど……今はそれどころではない。
「アーネスト先生。もう一度、うしろもよく見せて?」
いやらしいことを言っても寒月の声は、ドキドキするほど優しい響き。
「そんな、こと……」
「俺たちしか見てないんだから、恥ずかしがることはないだろう?」
青月のそんな、普段なら反論するであろう言葉に従ってしまったのは……すかさず寒月が齧らせた、桃マルムのせいに違いない。
さっき僕らに齧られた桃マルムが復活したのか、別のものなのかわからないが。優しい桃色の真ん丸フォルムは、視覚的にも、見る者をほわんと夢見心地にさせる気がする。
「こ、こう……?」
そう、絶対に桃マルムのせいだ!
自分でドレスをめくってお尻を見せるなんて、いつもの僕なら考えられない……!
寒月が「ん~」と微笑んで首をかしげる。
そんな仕草まで、ドキリとするほど男前。
「それじゃあ見えないなあ。ほら、俺につかまるか? そしたら腰を突き出しやすい」
「そ、そか」
言われるまま身を寄せて、そしたらひどく甘えたくなって、広い胸に顔を押しつけた。ちょっとホッとする。
「ほんと可愛くてたまらん。食っちまいてえ」
頭頂部にキスされ、カプカプ唇で音を立てられた。
甘やかされるのが嬉しくて、その雰囲気に流されて、恥ずかしくてたまらないのだけど、脚をひらいてお尻を突き出した。
「見え、る?」
「レースをひらいてくれないと見えません、先生」
青月が背中にキスしながらそう言って、下腹を撫でてきた。
肝心な箇所には触れず、その周りばかりをゆっくりと撫でられて、じれったさのあまり、ちょっと泣きたくなった。
思わず涙目になって寒月につかまったまま振り向くと、青月が「またそんな顔をする」と切なげに苦笑した。
「これでも理性を総動員してこらえてるんだから、これ以上煽らないでください先生」
「煽ってない、も……」
頬が火照って、語尾がかすれた。小さく震える手をうしろに回す。
逡巡しつつもレースを割りひらき、秘所を晒すと、そこがスーッと空気に触れた感覚で、隠すべき箇所を自ら双子に見せているのだという実感と羞恥が沸き起こり、額に汗が浮いた。
こんなの、素面のときにやることじゃない……!
「も、もう、いい?」
恥ずかしくて額を寒月の胸に押しつけたまま尋ねたが、どちらからも答えが返らない。どうしたのかと顔を上げると、二人の視線が鏡に向いていることに気がついた。
おそるおそる上半身をひねり、僕もそちらへ目を向ければ――
双子に上手いこと誘導されていたに違いない。ちょうど背後に鏡。
そしてそこに映っているのは、鏡に向かって秘所を見せる、この世のものとも思えないくらい、恥ずかしすぎる自分の姿。
「……ッ!」
以前の、窓に映った性行為を見ながら致したことまで思い出してしまった。なぜにこの二人は、こういうスケベ演出を入れたがるのだ――!
双子はうっとりと見入っていたが、僕があわててそこを隠すと、寒月が「あー……」と呻いた。
「先生。俺たちは先生のこの、目眩がするほど可愛い隠し財産を、存分に愛でまくりたいんだが。先生はどうしたい?」
「もしくは、どうされたい?」
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