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第24章 本当の出会い
たからもの
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最寄りの客室に案内されて三人きりになり、「で?」と双子を見た途端、
「「申しわけありませんでしたーっ!」」
滑り込む勢いで土下座をされたものだから、仰天して「うわあっ!」と跳び上がった。
「な、なんで土下座!?」
バクバクする心臓を押さえる僕を、双子がきょとんと見上げてくる。
「え。だって藍剛が低姿勢で行けって」
「そして謝り倒せと」
ちょっと待って。とんちんかんだけど今の寒月と青月、素直な生徒みたいな顔してすんごく可愛い……!
って、ときめいてる場合じゃなくて。
「いやいや、低姿勢って物理的に低い姿勢になれという意味ではないでしょう? もう……早く立ってよ」
「いいのか?」
「許してもらえるまで正座する覚悟をしてきたんだが」
「せ、正座!?」
噂によると弓庭後家を踏み潰す勢いで暴れまくっていたという、この双子。が、正座。
思わず二人並んで神妙に正座する光景を想像してしまい、プッと吹き出した。
すると、双子の顔がパアッと輝いた。
「笑った! 久し振りに笑ってくれた!」
「もう怒ってないか……?」
大喜びの寒月と、まだ心配そうな青月。
ずるい。こんな可愛い人たちを見てたら、煮込んだ怒りも一瞬にして蒸発してしまうじゃないか。
「お、怒ってない、けど……」
「アーネスト!」
「よかった!」
左右からガバッと抱きしめられて、「もぎゅっ」と変な声が出た。それを聞いた双子があわてて「「すまん!」」と力をゆるめる。
軽く窒息しかけたが息を整え、「あのね」と二人を見上げた。
「僕は本当は、怒ってるというよりショックだったんだよ」
双子は困り顔を見交わし、視線を僕に戻してから、そろってぺこりと頭を下げた。
「すまん。ただでさえ弱ってたお前に、戦いに行くなんて言ったら、さらに負担になるかと……」
寒月がそっと髪を撫でてきたので、気持ちよくてされるがままになりながら、「うん」とうなずいた。
「きみたちの気遣いはよくわかってる。ありがとう。いつも心から感謝してるよ」
寒月の手をのせたまま、僕もぺこりと頭を下げた。が、二人が何か言いかけたのを遮って、「でもね」と続けた。
「黙ってた理由はそれだけじゃないでしょ? 僕がきみたちを怖がると思ったんじゃないの? お気楽に平和な田舎で暮らしてきた僕が、元皇族の父上たちの処刑を必死で阻止しようとした僕が、きみたちの行為を知ったら震え上がって、もしかしたら避けられるとか、思ったんじゃないか?」
「「アーネスト……」」
二人の大きな肩が、しゅんと下がった。
やれやれ。これがワンコだったら耳も尻尾も下がってただろう。
青月が寂しそうに口をひらいた。
「俺たちは……守るべきもののため戦うことを、当然だと思ってる。そういう種族だ。だが、お前は違うから……」
寒月も、そっと僕の頭にのせていた手を引っ込める。
「血生臭いことなんか嫌いだろう? そんなことをする俺たちも……嫌いだろう」
しょんぼりうなだれる双子。災害のように戦うという姿しか知らない人たちには、こんな二人は想像もできないだろうな。
僕は両手をのばして、寒月と青月の頬に触れた。
「バカ。嫌いになるわけないじゃないか」
翠玉と青玉の瞳が、切なげに僕を見る。
「「アーネスト……」」
「境遇が違ったことくらい、わかってるよ。僕らは別の国で生まれて、別の歴史や文化や宗教があって、別の価値基準で生きてきた。だから僕には戦は肯定できないけど、世界のすべてに自分の価値観を押し付けることなんてできないってことも、わかってる」
手をおろして、今度は二人の手と指を絡めた。
大きな手。かたちよく長い指。でもごつごつして硬くて、皮がぶ厚くなってる。ものすごく努力して鍛えてきた人の手。
醍牙という国で、生まれた瞬間から命を狙われたり、王族として民を守ったりしながら、生き抜くため必死で強くなった双子。みずから毒さえ飲みながら。
「……逆に、きみたちの価値基準でいったら、僕みたいな虚弱は役に立たないどころか、手がかるばかりのお荷物じゃないか」
「んなわけねえ! お前は賢いし優しいし、お荷物なんかじゃねえよ!」
「アーネストは俺たちの宝ものだ」
「その通り!」
勢い込んで否定してくれた二人に、僕はにっこり微笑んだ。
「でも実際、藍剛将軍に持たせた召喚状には、僕のことを『病弱な役立たず』と書いてたよね」
「「うっ!」」
困ってる困ってる。
思わず苦笑を浮かべたけど、心の奥がズキズキ痛んだ。
みんな理想通りにはいかない。
僕はずっと健康な躰に憧れてきたけど、未だ叶わない。
「……自分でも、自分が嫌でたまらなくなることがあるよ。頑張っても努力してもどうにもらないことがあるから。報われないことだらけだ。
でも僕が自分をガラクタとしか思えないときも、きみたちは大切にしてくれる。きみたちが宝ものみたいに大事にしてくれるから、僕がどれほど救われて、嬉しくて幸せか。きみたち、わかってる? 僕にとっては、きみたちが宝ものなんだよ」
「え」
「う、あ」
二人して目をまん丸にして。ほんとにもう。
小さく吹き出したら、ついでに涙もじわっと浮かんだ。
僕は本当に果報者だな……。
「僕のこと、お、お嫁さんに、し、してくれる、んでしょ」
さらりと言おうと思ったのに、恥ずかしくて口ごもってしまった。
けど双子はハッとしたように、「「もちろん!」」とすぐさまうなずいてくれる。
「と言うか、もう嫁だし!」
「そう、すでに嫁」
「だったら僕たち、もっといろんなことを共有しなきゃ。すべては無理でも……王子様たちの、お、お嫁さんとして、知るべきことはきみたちの口から聞きたい。守られるばかりじゃなくて、相談してほしいよ」
「「アーネスト……」」
二人は感極まったように瞳を輝かせ、また僕を抱きしめてきた。
「そうだな。さすが俺らの嫁。ヤバイほど惚れ直した。お前の言う通りだ」
寒月の言葉に、青月も首肯する。
「ああ、さすが俺たちの嫁だ。俺たちの欲しい言葉をさらっと言う。……本当に宝ものだ」
見上げたら、二人のキスが降ってきた。
髪に、額に。そのまま抱き上げられて、頬にも鼻にも、唇にも。
「愛してるアーネスト」
「ずっと、もっと、大切にする」
「ん……僕も」
キスの雨に甘ったるい吐息を漏らして、二人の首を引き寄せながら、うっとりと囁いた。
「そうだ……早速だけど、大事なこと、訊いていい……?」
「もちろん」
「何でも答える」
寒月と青月の真摯な瞳に見惚れながら、気になっていたことを尋ねた。
「弓庭後侯爵のお城、壊してないよね……?」
「へ?」
「な、なぜそれを気にするんだ?」
「だってきみたち、前に僕が寝込んでたとき、侯爵のお城を壊して湖に投げ込むとかって話してたじゃないか」
双子は「そんなこと言ったっけか」などと言いつつ、視線を泳がせている。
二人とも嘘が下手で助かる。
「まさか、壊したの?」
「い、いや? ていうか、なんでそんなに気にすんだ? クソ共の城なんかどうでもいいじゃねえか」
寒月の言葉に、僕はクワッと目を剥いた。
「よくない! 弓庭後侯が本当に反逆者なら、そのお城は王様が没収するんでしょ!? お金持ちのお城なら、家財も備品も金目の物だらけに決まってる。だからたとえばお城をそのまま宿泊施設として、『お城に泊まれる見学ツアー』も組めば、観光の目玉になって管理費の足しにもなるよ。オリジナルのお土産も作れば売れる。周辺商業施設の客も増える。そんな金のなる木を壊すなんて、もったいないにもほどがある!」
「「お、おお……」」
「その顔。壊したな!?」
ビシッと指摘すると、二人そろってブンブンと首を横に振った。
「壊してねえよ! 俺たちは!」
「た、ただ、親父がちょっと……刹淵と一緒に、壁を少し……改装したというか」
「……つまり壊したなーっ!」
ポカポカ肩を叩くと――相変わらずおじいちゃんの肩叩き程度の威力しかないが――二人は僕を抱き上げたまま、交互に謝ったりなだめたりしながら笑顔満面になった。
「「申しわけありませんでしたーっ!」」
滑り込む勢いで土下座をされたものだから、仰天して「うわあっ!」と跳び上がった。
「な、なんで土下座!?」
バクバクする心臓を押さえる僕を、双子がきょとんと見上げてくる。
「え。だって藍剛が低姿勢で行けって」
「そして謝り倒せと」
ちょっと待って。とんちんかんだけど今の寒月と青月、素直な生徒みたいな顔してすんごく可愛い……!
って、ときめいてる場合じゃなくて。
「いやいや、低姿勢って物理的に低い姿勢になれという意味ではないでしょう? もう……早く立ってよ」
「いいのか?」
「許してもらえるまで正座する覚悟をしてきたんだが」
「せ、正座!?」
噂によると弓庭後家を踏み潰す勢いで暴れまくっていたという、この双子。が、正座。
思わず二人並んで神妙に正座する光景を想像してしまい、プッと吹き出した。
すると、双子の顔がパアッと輝いた。
「笑った! 久し振りに笑ってくれた!」
「もう怒ってないか……?」
大喜びの寒月と、まだ心配そうな青月。
ずるい。こんな可愛い人たちを見てたら、煮込んだ怒りも一瞬にして蒸発してしまうじゃないか。
「お、怒ってない、けど……」
「アーネスト!」
「よかった!」
左右からガバッと抱きしめられて、「もぎゅっ」と変な声が出た。それを聞いた双子があわてて「「すまん!」」と力をゆるめる。
軽く窒息しかけたが息を整え、「あのね」と二人を見上げた。
「僕は本当は、怒ってるというよりショックだったんだよ」
双子は困り顔を見交わし、視線を僕に戻してから、そろってぺこりと頭を下げた。
「すまん。ただでさえ弱ってたお前に、戦いに行くなんて言ったら、さらに負担になるかと……」
寒月がそっと髪を撫でてきたので、気持ちよくてされるがままになりながら、「うん」とうなずいた。
「きみたちの気遣いはよくわかってる。ありがとう。いつも心から感謝してるよ」
寒月の手をのせたまま、僕もぺこりと頭を下げた。が、二人が何か言いかけたのを遮って、「でもね」と続けた。
「黙ってた理由はそれだけじゃないでしょ? 僕がきみたちを怖がると思ったんじゃないの? お気楽に平和な田舎で暮らしてきた僕が、元皇族の父上たちの処刑を必死で阻止しようとした僕が、きみたちの行為を知ったら震え上がって、もしかしたら避けられるとか、思ったんじゃないか?」
「「アーネスト……」」
二人の大きな肩が、しゅんと下がった。
やれやれ。これがワンコだったら耳も尻尾も下がってただろう。
青月が寂しそうに口をひらいた。
「俺たちは……守るべきもののため戦うことを、当然だと思ってる。そういう種族だ。だが、お前は違うから……」
寒月も、そっと僕の頭にのせていた手を引っ込める。
「血生臭いことなんか嫌いだろう? そんなことをする俺たちも……嫌いだろう」
しょんぼりうなだれる双子。災害のように戦うという姿しか知らない人たちには、こんな二人は想像もできないだろうな。
僕は両手をのばして、寒月と青月の頬に触れた。
「バカ。嫌いになるわけないじゃないか」
翠玉と青玉の瞳が、切なげに僕を見る。
「「アーネスト……」」
「境遇が違ったことくらい、わかってるよ。僕らは別の国で生まれて、別の歴史や文化や宗教があって、別の価値基準で生きてきた。だから僕には戦は肯定できないけど、世界のすべてに自分の価値観を押し付けることなんてできないってことも、わかってる」
手をおろして、今度は二人の手と指を絡めた。
大きな手。かたちよく長い指。でもごつごつして硬くて、皮がぶ厚くなってる。ものすごく努力して鍛えてきた人の手。
醍牙という国で、生まれた瞬間から命を狙われたり、王族として民を守ったりしながら、生き抜くため必死で強くなった双子。みずから毒さえ飲みながら。
「……逆に、きみたちの価値基準でいったら、僕みたいな虚弱は役に立たないどころか、手がかるばかりのお荷物じゃないか」
「んなわけねえ! お前は賢いし優しいし、お荷物なんかじゃねえよ!」
「アーネストは俺たちの宝ものだ」
「その通り!」
勢い込んで否定してくれた二人に、僕はにっこり微笑んだ。
「でも実際、藍剛将軍に持たせた召喚状には、僕のことを『病弱な役立たず』と書いてたよね」
「「うっ!」」
困ってる困ってる。
思わず苦笑を浮かべたけど、心の奥がズキズキ痛んだ。
みんな理想通りにはいかない。
僕はずっと健康な躰に憧れてきたけど、未だ叶わない。
「……自分でも、自分が嫌でたまらなくなることがあるよ。頑張っても努力してもどうにもらないことがあるから。報われないことだらけだ。
でも僕が自分をガラクタとしか思えないときも、きみたちは大切にしてくれる。きみたちが宝ものみたいに大事にしてくれるから、僕がどれほど救われて、嬉しくて幸せか。きみたち、わかってる? 僕にとっては、きみたちが宝ものなんだよ」
「え」
「う、あ」
二人して目をまん丸にして。ほんとにもう。
小さく吹き出したら、ついでに涙もじわっと浮かんだ。
僕は本当に果報者だな……。
「僕のこと、お、お嫁さんに、し、してくれる、んでしょ」
さらりと言おうと思ったのに、恥ずかしくて口ごもってしまった。
けど双子はハッとしたように、「「もちろん!」」とすぐさまうなずいてくれる。
「と言うか、もう嫁だし!」
「そう、すでに嫁」
「だったら僕たち、もっといろんなことを共有しなきゃ。すべては無理でも……王子様たちの、お、お嫁さんとして、知るべきことはきみたちの口から聞きたい。守られるばかりじゃなくて、相談してほしいよ」
「「アーネスト……」」
二人は感極まったように瞳を輝かせ、また僕を抱きしめてきた。
「そうだな。さすが俺らの嫁。ヤバイほど惚れ直した。お前の言う通りだ」
寒月の言葉に、青月も首肯する。
「ああ、さすが俺たちの嫁だ。俺たちの欲しい言葉をさらっと言う。……本当に宝ものだ」
見上げたら、二人のキスが降ってきた。
髪に、額に。そのまま抱き上げられて、頬にも鼻にも、唇にも。
「愛してるアーネスト」
「ずっと、もっと、大切にする」
「ん……僕も」
キスの雨に甘ったるい吐息を漏らして、二人の首を引き寄せながら、うっとりと囁いた。
「そうだ……早速だけど、大事なこと、訊いていい……?」
「もちろん」
「何でも答える」
寒月と青月の真摯な瞳に見惚れながら、気になっていたことを尋ねた。
「弓庭後侯爵のお城、壊してないよね……?」
「へ?」
「な、なぜそれを気にするんだ?」
「だってきみたち、前に僕が寝込んでたとき、侯爵のお城を壊して湖に投げ込むとかって話してたじゃないか」
双子は「そんなこと言ったっけか」などと言いつつ、視線を泳がせている。
二人とも嘘が下手で助かる。
「まさか、壊したの?」
「い、いや? ていうか、なんでそんなに気にすんだ? クソ共の城なんかどうでもいいじゃねえか」
寒月の言葉に、僕はクワッと目を剥いた。
「よくない! 弓庭後侯が本当に反逆者なら、そのお城は王様が没収するんでしょ!? お金持ちのお城なら、家財も備品も金目の物だらけに決まってる。だからたとえばお城をそのまま宿泊施設として、『お城に泊まれる見学ツアー』も組めば、観光の目玉になって管理費の足しにもなるよ。オリジナルのお土産も作れば売れる。周辺商業施設の客も増える。そんな金のなる木を壊すなんて、もったいないにもほどがある!」
「「お、おお……」」
「その顔。壊したな!?」
ビシッと指摘すると、二人そろってブンブンと首を横に振った。
「壊してねえよ! 俺たちは!」
「た、ただ、親父がちょっと……刹淵と一緒に、壁を少し……改装したというか」
「……つまり壊したなーっ!」
ポカポカ肩を叩くと――相変わらずおじいちゃんの肩叩き程度の威力しかないが――二人は僕を抱き上げたまま、交互に謝ったりなだめたりしながら笑顔満面になった。
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