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第23章 白魔
黄色と灰色の毛玉
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白い花の舞い散る春の日。
母が「今日はお庭でお昼をいただきましょう」と提案し、僕はジェームズに抱っこされて家を出た。
当時住んでいたその家は、森の入り口にぽつんと一軒だけ建っていた。
庭自体はそう広くなかったけれど、眼前に木立ちや草原が広がり、常に軽やかな鳥のさえずりが聞こえてくる、開放的で清々しい場所だった。
そこで僕は、二つの毛玉を見つけた。
――ああ、これは夢だ。
と、眠りの中で思う。
双子が出かけていった日から、何度も繰り返し見ている夢。
二人から『絶対安静』を厳命されているから寝てばかりで、そのたびこの夢を見ているけれど、繰り返すほど断片が繋がり、鮮明に詳細になっていく。
もうとっくに忘れていた母の声まで、泣きたくなるほどはっきりと甦るくらいに。
「どうして虎の赤ちゃんが!? ジェームズ、ジェームズ、助けてあげなきゃ!」
毛玉がいる木の根元までジェームズが走って行き、抱き上げようとした。が、弱々しい威嚇が返ってくる。
遅れてジェームズの横にしゃがんだ母も、「怖くないから、抱っこさせて?」と話しかけたが、警戒は解けないらしく、「すごく怯えてる……無理もないわね」と心配そうに呟いた。
僕もすごく気になって、敷布の上で立ち上がり、よろめきながら歩いて行った。すると僕を見た母とジェームズが、驚きの声を上げた。
「ジェームズ! アーネストがひとりで歩いてる!」
「おおお……何という勇ましいお姿! ついさっきまで伝い歩きもやっとでしたのに! 記念すべき御生誕からおっとりと、二年と三十三日という切りの良いお時間をかけて、ついに!」
「切り良いかしら」
大騒ぎする二人の前まで来た僕は、そこで力尽きて前のめりに転んだ。
「ぎゃっ! アーネスト様ーっ!」
ジェームズが悲鳴を上げたけど、僕の顔はちょうどそこにいた毛玉たちに突っ込んだので、『『ギャウッ!』』と声を上げた毛玉たちのほうが災難だったと思う。
ジェームズに抱え上げられた僕は、「んーっ、んーっ」と抗議して下ろしてもらい、毛玉たちをペタペタ撫でた。ペタペタというよりベタベタしていたが。ひどく汚れて臭っていたけど、忌避感はまったく無かった。
毛玉たちは目が塞がっていて、僕に向けて鼻をヒクヒクさせた。
「アーネストの匂いが気に入ったのかしら。おチビさん同士ね。……よし、今のうちよジェームズ!」
「お任せください!」
途端、僕は毛玉たちとまとめてジェームズに捕獲され、家の中へと連行された。
その後汚れを拭われた毛玉は――いや虎の子たちは、ボサボサで艶の無い、黄色と灰色の毛色をしていた。
それにあちこち禿げて血がにじんで。
家に連れ帰ったあとは威嚇する気力も消え果てたか、眠ってばかりになった。僕は隙あらば彼らに寄り添い、一緒に眠ったところでジェームズに寝台へ戻されるということを繰り返していた。
「アーネストはよっぽどこの子たちが気に入ったのね。この子たちのおかげで初めてひとりで歩けたし、そばに行こうと頑張るから、歩くのがどんどん上手になっている。おかげでますます目が離せないけれど」
「子虎たちのおかげというより、アーネスト様が勇猛果敢な挑戦者であり、歩く天才なのです。ジェームズがひとときも目を離さずお守りしますのでご安心を」
「あなたはアーネストを褒める天才ね」
母とジェームズは、子虎たちのまぶたを固めてしまう目ヤニを根気よく除去していた。母お手製の目薬をさしつつ、モフッ子たちの混濁してしまった目を心配していたけど、治療を続けるうち澄んだ灰青色の瞳が現れて、大喜びしていた。
「赤ちゃんの目の色ね。まだよく見えていないみたい。でも……ちょっとこの子たち、不思議な感じがしない?」
「確かに。何かどこかが不可思議な気がします」
「うーん……何が引っかかるのかしら。でも虎の子なんて、むかーし父に連れられていった北の保養地で偶然見かけたくらいだし。珍しさから不思議さを感じるだけなのかも」
「そもそも、なぜに子虎たちがここにいるのかということからして謎でございます。ご指示の通り手がかりを探ってみましたところ、ここから南のシュブルム侯爵の領地にて、奴隷市がひらかれておりました」
「なんですって」
二人は深刻そうに話しながら、僕と子虎たちを庭に出し、例によって敷布を広げて、日向ぼっこをさせた。
子虎たちの毛はすっかり綺麗になったけどまだパサパサで、それでも触るとふかふかした手触りを返してくるようになったし、すごくいい匂いがするようにもなった。
敷布の上をよたよた歩く僕と子虎たちを見守りながら、ジェームズが言った。
「奴隷市は表向き禁じられておりますが、この国の腐った貴族たちに良識は通用しません。皇帝一家からしてチン……アレですし。もちろんローズマリー様とアーネスト様は別として!」
「奴隷市では、動物も売られるの?」
「はい。珍しい動物は高値で取引されます。密輸や密売が横行しており、人も動物もまともな扱いをされることはまずありません」
「じゃあ、この子たちもそこから逃げて来たのかもしれないのね。目も見えないのに」
僕はその間も子虎たちを撫でていて、母がよく言う言葉がふわりと口をついた。
「もふ……ちゃーちゃん」
「えっ。ジェ、ジェームズ! アーネストが喋ったわ! 『ははーえ』と『ジームズ』以外の言葉を、初めて!」
「しかと聞きましたとも! 素晴らしい! 天才ですアーネスト様っ!」
母が僕を抱きしめ、子虎たちを撫でながら、「こうよ」と正しく教えてくれた。
「もふもふ赤ちゃん」
「もーふーふ」
「もう夫婦じゃなくて、もふもふ赤ちゃん」
「もふもふ……あか、ちゃん」
「すごいわ! ジェームズ、この子本当に天才かもしれない!」
「仰る通りですローズマリー様!」
――寒月。青月。
これはどういうことだろう。
僕はこのとき二歳らしく、大人二人の奴隷市に関する会話など理解できるはずもない。もしも理解したとしても、こんなに詳細におぼえているなんてあり得ない。
でも僕は、これが――実際に僕が見て、聞いていたことなのだと。そう確信してしまっている。
そして……あのボロボロの毛並みの、黄色と灰色の子虎たちは。
あれはもしや、きみたちだったのじゃないか?
目をさますと、風の音が聞こえた。
今夜はあまり長く眠っていなかったらしい。まだ闇深く、暖炉の炎も赤々と大きく燃えている。
そのわずかな明かりの中で、枕元を手探りすると。
「……あった」
コロンとのどかな手触りの、マルム茸。
この夢を見たあとは大抵、マルム茸が出現している。
「マルムがこの夢を見せてるのかな……」
半分夢の中の心持ちで呟いたとき、窓がガタガタッと大きな音を立てた。
外から殴りつけられたようなその音に驚き、「うわっ!」と声を上げて、真っ黒な窓へと目を向けた。
母が「今日はお庭でお昼をいただきましょう」と提案し、僕はジェームズに抱っこされて家を出た。
当時住んでいたその家は、森の入り口にぽつんと一軒だけ建っていた。
庭自体はそう広くなかったけれど、眼前に木立ちや草原が広がり、常に軽やかな鳥のさえずりが聞こえてくる、開放的で清々しい場所だった。
そこで僕は、二つの毛玉を見つけた。
――ああ、これは夢だ。
と、眠りの中で思う。
双子が出かけていった日から、何度も繰り返し見ている夢。
二人から『絶対安静』を厳命されているから寝てばかりで、そのたびこの夢を見ているけれど、繰り返すほど断片が繋がり、鮮明に詳細になっていく。
もうとっくに忘れていた母の声まで、泣きたくなるほどはっきりと甦るくらいに。
「どうして虎の赤ちゃんが!? ジェームズ、ジェームズ、助けてあげなきゃ!」
毛玉がいる木の根元までジェームズが走って行き、抱き上げようとした。が、弱々しい威嚇が返ってくる。
遅れてジェームズの横にしゃがんだ母も、「怖くないから、抱っこさせて?」と話しかけたが、警戒は解けないらしく、「すごく怯えてる……無理もないわね」と心配そうに呟いた。
僕もすごく気になって、敷布の上で立ち上がり、よろめきながら歩いて行った。すると僕を見た母とジェームズが、驚きの声を上げた。
「ジェームズ! アーネストがひとりで歩いてる!」
「おおお……何という勇ましいお姿! ついさっきまで伝い歩きもやっとでしたのに! 記念すべき御生誕からおっとりと、二年と三十三日という切りの良いお時間をかけて、ついに!」
「切り良いかしら」
大騒ぎする二人の前まで来た僕は、そこで力尽きて前のめりに転んだ。
「ぎゃっ! アーネスト様ーっ!」
ジェームズが悲鳴を上げたけど、僕の顔はちょうどそこにいた毛玉たちに突っ込んだので、『『ギャウッ!』』と声を上げた毛玉たちのほうが災難だったと思う。
ジェームズに抱え上げられた僕は、「んーっ、んーっ」と抗議して下ろしてもらい、毛玉たちをペタペタ撫でた。ペタペタというよりベタベタしていたが。ひどく汚れて臭っていたけど、忌避感はまったく無かった。
毛玉たちは目が塞がっていて、僕に向けて鼻をヒクヒクさせた。
「アーネストの匂いが気に入ったのかしら。おチビさん同士ね。……よし、今のうちよジェームズ!」
「お任せください!」
途端、僕は毛玉たちとまとめてジェームズに捕獲され、家の中へと連行された。
その後汚れを拭われた毛玉は――いや虎の子たちは、ボサボサで艶の無い、黄色と灰色の毛色をしていた。
それにあちこち禿げて血がにじんで。
家に連れ帰ったあとは威嚇する気力も消え果てたか、眠ってばかりになった。僕は隙あらば彼らに寄り添い、一緒に眠ったところでジェームズに寝台へ戻されるということを繰り返していた。
「アーネストはよっぽどこの子たちが気に入ったのね。この子たちのおかげで初めてひとりで歩けたし、そばに行こうと頑張るから、歩くのがどんどん上手になっている。おかげでますます目が離せないけれど」
「子虎たちのおかげというより、アーネスト様が勇猛果敢な挑戦者であり、歩く天才なのです。ジェームズがひとときも目を離さずお守りしますのでご安心を」
「あなたはアーネストを褒める天才ね」
母とジェームズは、子虎たちのまぶたを固めてしまう目ヤニを根気よく除去していた。母お手製の目薬をさしつつ、モフッ子たちの混濁してしまった目を心配していたけど、治療を続けるうち澄んだ灰青色の瞳が現れて、大喜びしていた。
「赤ちゃんの目の色ね。まだよく見えていないみたい。でも……ちょっとこの子たち、不思議な感じがしない?」
「確かに。何かどこかが不可思議な気がします」
「うーん……何が引っかかるのかしら。でも虎の子なんて、むかーし父に連れられていった北の保養地で偶然見かけたくらいだし。珍しさから不思議さを感じるだけなのかも」
「そもそも、なぜに子虎たちがここにいるのかということからして謎でございます。ご指示の通り手がかりを探ってみましたところ、ここから南のシュブルム侯爵の領地にて、奴隷市がひらかれておりました」
「なんですって」
二人は深刻そうに話しながら、僕と子虎たちを庭に出し、例によって敷布を広げて、日向ぼっこをさせた。
子虎たちの毛はすっかり綺麗になったけどまだパサパサで、それでも触るとふかふかした手触りを返してくるようになったし、すごくいい匂いがするようにもなった。
敷布の上をよたよた歩く僕と子虎たちを見守りながら、ジェームズが言った。
「奴隷市は表向き禁じられておりますが、この国の腐った貴族たちに良識は通用しません。皇帝一家からしてチン……アレですし。もちろんローズマリー様とアーネスト様は別として!」
「奴隷市では、動物も売られるの?」
「はい。珍しい動物は高値で取引されます。密輸や密売が横行しており、人も動物もまともな扱いをされることはまずありません」
「じゃあ、この子たちもそこから逃げて来たのかもしれないのね。目も見えないのに」
僕はその間も子虎たちを撫でていて、母がよく言う言葉がふわりと口をついた。
「もふ……ちゃーちゃん」
「えっ。ジェ、ジェームズ! アーネストが喋ったわ! 『ははーえ』と『ジームズ』以外の言葉を、初めて!」
「しかと聞きましたとも! 素晴らしい! 天才ですアーネスト様っ!」
母が僕を抱きしめ、子虎たちを撫でながら、「こうよ」と正しく教えてくれた。
「もふもふ赤ちゃん」
「もーふーふ」
「もう夫婦じゃなくて、もふもふ赤ちゃん」
「もふもふ……あか、ちゃん」
「すごいわ! ジェームズ、この子本当に天才かもしれない!」
「仰る通りですローズマリー様!」
――寒月。青月。
これはどういうことだろう。
僕はこのとき二歳らしく、大人二人の奴隷市に関する会話など理解できるはずもない。もしも理解したとしても、こんなに詳細におぼえているなんてあり得ない。
でも僕は、これが――実際に僕が見て、聞いていたことなのだと。そう確信してしまっている。
そして……あのボロボロの毛並みの、黄色と灰色の子虎たちは。
あれはもしや、きみたちだったのじゃないか?
目をさますと、風の音が聞こえた。
今夜はあまり長く眠っていなかったらしい。まだ闇深く、暖炉の炎も赤々と大きく燃えている。
そのわずかな明かりの中で、枕元を手探りすると。
「……あった」
コロンとのどかな手触りの、マルム茸。
この夢を見たあとは大抵、マルム茸が出現している。
「マルムがこの夢を見せてるのかな……」
半分夢の中の心持ちで呟いたとき、窓がガタガタッと大きな音を立てた。
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