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第9章 薬湯勝負
双虎の制裁
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⚠ご注意:
このエピソードは残酷・暴力描写があります。読まなくとも本編が理解できなくなることはありませんので、苦手な方はスルーをお願いいたします。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
獣人は普通の人間より聴覚と嗅覚が発達している。
その中でも特に優れた嗅覚を持つのがクマとイヌ、オオカミの獣人で、寒月と青月は彼らの能力をさらに鍛えた。
そこから特に優秀な兵たちを選抜して『嗅覚追跡部隊』とし――仲間内では『鼻部隊』と呼ばれているが――彼らは対象者の追跡や、災害時の人命救助などで力を発揮している。
アーネストの処方が盗まれたと判明した翌日には、『鼻部隊』の隊長が、薬舗の裏切り者を特定したと報告しに来た。
庭師の親方芭宣の口利きで入った、瀬頭という男だった。
長いこと芭宣のもとで見習いとして働き、ようやく独立できようかという頃だったのに、アーネストの薬舗の従業員を探しているという話を知るや、ぜひそちらで働きたいと芭宣に頼み込んだのだという。
「庭師として働くうちに、自分が本当に惹かれるのは薬草の活用法なのだと気づきました」
そう言って。
もともと草木の世話が好きだから庭師を選んだのであって、薬草に特化して学びたいと考えるようになっても不思議はない。
芭宣も庭師仲間も驚きはしたが、「いろいろ経験するのも良いことだ」と、快く送り出した。
瀬頭は真面目な男だった。
しかし鼻部隊からの報告ののち、改めて素行調査をさせると、昨年頃から商売女のもとへ通い詰めていたことがわかった。
芭宣も知らなかったようだが、相手の若い女に夢中になって、時間と金を注ぎ込んでいた。
脇目もふらず働いてきた真面目な男が、遊び方を知らぬままハマってしまった典型例。
瀬頭は久方ぶりの恋愛感情を暴走させて、女を独占しようと見栄を張り、借金してまで貢ぎまくった。
けれど相手も商売。金の切れ目が縁の切れ目。
女に会ってもらえなくなり、店の入り口で追い返されるようになっても、未練の塊だった瀬頭。
そんな男を金で釣るのは、実にたやすいことだったろう。
鋭敏な『鼻』は、双子がアーネストに贈った『薬草研究室』の中に、瀬頭のニオイを嗅ぎ取った。
瀬頭が薬草室と仕切られた休憩室を探ってくれたおかげで、薬草の匂いに紛れず、彼のニオイが机や本棚のあちらこちらに残っていた。
⁂ ⁂ ⁂
「頼まれた処方以外にも、売れるものは無いかと探し回ったんだろうなあ」
ちらちらと粉雪が舞い始めた森の中。
寒月は気遣いすら感じさせる声で、「必死だったんだろう、わかるぞー」とうなずいた。
「惚れた相手のためなら、何だってしてやりたいし贅沢もさせたいもんなあ。よおくわかるぞー。だがなあ……盗みは駄目だ、盗みは」
子供に言い聞かせるように、「めっ!」と睨まれた瀬頭は、腰を抜かした背を白樺の幹に打たれて、歯の根も噛み合わぬほど震えながら首を振った。
「ひぃ、ひいっ、もっ、申しわけっ、ででっ出来心で……っ」
「そうかあ、出来心かあ。出来心で、お前たちを信頼しきっている優しい妻を裏切って、出来心で、俺たちが妻のために心を込めてつくらせた薬草研究室に忍び込んで散々探し回ったり、妻の人一倍手の込んだ大切な大切な処方や製造方法を、逐一調べ上げたり売っぱらったりしたのかあ」
「ひいいっ、どうか、どうかお赦しくださっ」
「うるさい」
唸り声を叩きつけたのは青月だ。
強くなってきた風が銀髪をかき上げ、雪片もみるみる勢いを増していく。すぐに吹雪になるだろう。
青月が無感情に見据える先には、苦痛の呻きを漏らして転がる男たちがいた。
一昨日、浬祥が乗ったアーネストの馬車を追ってきた男たちだ。
追跡を得意とする部下は『鼻部隊』だけではない。
双子王子の優秀な部下たちは、愚か者たちをすぐさま特定した。
男たちの半数以上が、金で動く軍人崩れ。
残りは城の使用人で、瀬頭と似たりよったりの金に釣られた者たちだった。
「金なんぞあっても、生きてなきゃ意味ねえだろうになあ」
寒月が、心底同情するというように語りかけると、男たちが命乞いの悲鳴を上げた。
馬車を狙った男たちは、この森に連れてこられた時点で、太腿を刺し貫かれている。下手に逃げようとしたせいで急所を刺され、大量出血で意識朦朧としている者もいるが、足掻く元気の残っていたひとりが、どうにか立ち上がって青月に背を向けた。
途端、
「あがああああああっ!」
雪上に、鮮血が弧を描いて飛び散った。
「うあああっ、たす、たすけ、」
虎の爪でふくらはぎを裂かれて、男は転げ回りながら泣き叫ぶ。
それを見おろす青い瞳は、雪よりも冷酷に瞳孔を細めた。
「浬祥ほどのアホでも、アーネストの前では話さなかったが。馬車にいるのが浬祥だと気づくまで、お前たちはアーネストが俺たち抜きで出かけたと思って、大喜びしていたらしいな。興奮状態で下衆な言葉を投げつけてきたとか。
そう、『こんな美味しい機会に恵まれるとはな』だったか? 『別嬪さん、俺たちとイイことしようぜ』『あの王子たちを夢中にさせる躰だ、何発でもヤれそうだぜ』とも言っていたとか?」
「ひえっ、そ、それは……っ」
寒月も、やれやれと肩をすくめながら続けた。
「『俺が先だ』『うるせえ、早い者勝ちだ』――どいつもこいつも、それこそ飢えた獣状態だったらしいなあ。同じ獣人として、ほんとに情けないぜ」
「ちがっ、そんな、おれたちはそんなっ、人違いだ、ちがいますうぅぅ!」
「浬祥はアホだが、とっさに人相特徴をおぼえるのは得意だ。おかげで部下たちが捜索する際も役立った。さて、」
青月が振り返ると、木立ちの後方に控えていた部下たちが整列した。
ボスの合図で獲物に襲い掛かる、獣たちの動きで。
瀬頭らは、涙も小便もこぼしながら叫んだ。
「殿下あ! 二度としませんっ、二度としませんからあ!」
「どうか、どうかお赦しください、お助けくださいぃぃ」
白く塗り潰されていく世界で、双子王子の瞳が暗く光った。
「てめえらだってわかってんだろ。他国の者から野蛮呼ばわりされようと、獣人の世界では舐められたらおしまいだ。身内を守れない王を支持する民はいねえ」
「王族を欺き、裏切り、妻を嬲り者にしようとした者どもを赦す王子もな」
「だが、ひとりだけ。質問に素直に答えられる奴ひとりだけに、生き残る機会をくれてやろう」
強風が、悲鳴じみた音をたてて枝を揺らす。
吹雪が強くなった。
このエピソードは残酷・暴力描写があります。読まなくとも本編が理解できなくなることはありませんので、苦手な方はスルーをお願いいたします。
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獣人は普通の人間より聴覚と嗅覚が発達している。
その中でも特に優れた嗅覚を持つのがクマとイヌ、オオカミの獣人で、寒月と青月は彼らの能力をさらに鍛えた。
そこから特に優秀な兵たちを選抜して『嗅覚追跡部隊』とし――仲間内では『鼻部隊』と呼ばれているが――彼らは対象者の追跡や、災害時の人命救助などで力を発揮している。
アーネストの処方が盗まれたと判明した翌日には、『鼻部隊』の隊長が、薬舗の裏切り者を特定したと報告しに来た。
庭師の親方芭宣の口利きで入った、瀬頭という男だった。
長いこと芭宣のもとで見習いとして働き、ようやく独立できようかという頃だったのに、アーネストの薬舗の従業員を探しているという話を知るや、ぜひそちらで働きたいと芭宣に頼み込んだのだという。
「庭師として働くうちに、自分が本当に惹かれるのは薬草の活用法なのだと気づきました」
そう言って。
もともと草木の世話が好きだから庭師を選んだのであって、薬草に特化して学びたいと考えるようになっても不思議はない。
芭宣も庭師仲間も驚きはしたが、「いろいろ経験するのも良いことだ」と、快く送り出した。
瀬頭は真面目な男だった。
しかし鼻部隊からの報告ののち、改めて素行調査をさせると、昨年頃から商売女のもとへ通い詰めていたことがわかった。
芭宣も知らなかったようだが、相手の若い女に夢中になって、時間と金を注ぎ込んでいた。
脇目もふらず働いてきた真面目な男が、遊び方を知らぬままハマってしまった典型例。
瀬頭は久方ぶりの恋愛感情を暴走させて、女を独占しようと見栄を張り、借金してまで貢ぎまくった。
けれど相手も商売。金の切れ目が縁の切れ目。
女に会ってもらえなくなり、店の入り口で追い返されるようになっても、未練の塊だった瀬頭。
そんな男を金で釣るのは、実にたやすいことだったろう。
鋭敏な『鼻』は、双子がアーネストに贈った『薬草研究室』の中に、瀬頭のニオイを嗅ぎ取った。
瀬頭が薬草室と仕切られた休憩室を探ってくれたおかげで、薬草の匂いに紛れず、彼のニオイが机や本棚のあちらこちらに残っていた。
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「頼まれた処方以外にも、売れるものは無いかと探し回ったんだろうなあ」
ちらちらと粉雪が舞い始めた森の中。
寒月は気遣いすら感じさせる声で、「必死だったんだろう、わかるぞー」とうなずいた。
「惚れた相手のためなら、何だってしてやりたいし贅沢もさせたいもんなあ。よおくわかるぞー。だがなあ……盗みは駄目だ、盗みは」
子供に言い聞かせるように、「めっ!」と睨まれた瀬頭は、腰を抜かした背を白樺の幹に打たれて、歯の根も噛み合わぬほど震えながら首を振った。
「ひぃ、ひいっ、もっ、申しわけっ、ででっ出来心で……っ」
「そうかあ、出来心かあ。出来心で、お前たちを信頼しきっている優しい妻を裏切って、出来心で、俺たちが妻のために心を込めてつくらせた薬草研究室に忍び込んで散々探し回ったり、妻の人一倍手の込んだ大切な大切な処方や製造方法を、逐一調べ上げたり売っぱらったりしたのかあ」
「ひいいっ、どうか、どうかお赦しくださっ」
「うるさい」
唸り声を叩きつけたのは青月だ。
強くなってきた風が銀髪をかき上げ、雪片もみるみる勢いを増していく。すぐに吹雪になるだろう。
青月が無感情に見据える先には、苦痛の呻きを漏らして転がる男たちがいた。
一昨日、浬祥が乗ったアーネストの馬車を追ってきた男たちだ。
追跡を得意とする部下は『鼻部隊』だけではない。
双子王子の優秀な部下たちは、愚か者たちをすぐさま特定した。
男たちの半数以上が、金で動く軍人崩れ。
残りは城の使用人で、瀬頭と似たりよったりの金に釣られた者たちだった。
「金なんぞあっても、生きてなきゃ意味ねえだろうになあ」
寒月が、心底同情するというように語りかけると、男たちが命乞いの悲鳴を上げた。
馬車を狙った男たちは、この森に連れてこられた時点で、太腿を刺し貫かれている。下手に逃げようとしたせいで急所を刺され、大量出血で意識朦朧としている者もいるが、足掻く元気の残っていたひとりが、どうにか立ち上がって青月に背を向けた。
途端、
「あがああああああっ!」
雪上に、鮮血が弧を描いて飛び散った。
「うあああっ、たす、たすけ、」
虎の爪でふくらはぎを裂かれて、男は転げ回りながら泣き叫ぶ。
それを見おろす青い瞳は、雪よりも冷酷に瞳孔を細めた。
「浬祥ほどのアホでも、アーネストの前では話さなかったが。馬車にいるのが浬祥だと気づくまで、お前たちはアーネストが俺たち抜きで出かけたと思って、大喜びしていたらしいな。興奮状態で下衆な言葉を投げつけてきたとか。
そう、『こんな美味しい機会に恵まれるとはな』だったか? 『別嬪さん、俺たちとイイことしようぜ』『あの王子たちを夢中にさせる躰だ、何発でもヤれそうだぜ』とも言っていたとか?」
「ひえっ、そ、それは……っ」
寒月も、やれやれと肩をすくめながら続けた。
「『俺が先だ』『うるせえ、早い者勝ちだ』――どいつもこいつも、それこそ飢えた獣状態だったらしいなあ。同じ獣人として、ほんとに情けないぜ」
「ちがっ、そんな、おれたちはそんなっ、人違いだ、ちがいますうぅぅ!」
「浬祥はアホだが、とっさに人相特徴をおぼえるのは得意だ。おかげで部下たちが捜索する際も役立った。さて、」
青月が振り返ると、木立ちの後方に控えていた部下たちが整列した。
ボスの合図で獲物に襲い掛かる、獣たちの動きで。
瀬頭らは、涙も小便もこぼしながら叫んだ。
「殿下あ! 二度としませんっ、二度としませんからあ!」
「どうか、どうかお赦しください、お助けくださいぃぃ」
白く塗り潰されていく世界で、双子王子の瞳が暗く光った。
「てめえらだってわかってんだろ。他国の者から野蛮呼ばわりされようと、獣人の世界では舐められたらおしまいだ。身内を守れない王を支持する民はいねえ」
「王族を欺き、裏切り、妻を嬲り者にしようとした者どもを赦す王子もな」
「だが、ひとりだけ。質問に素直に答えられる奴ひとりだけに、生き残る機会をくれてやろう」
強風が、悲鳴じみた音をたてて枝を揺らす。
吹雪が強くなった。
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