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6話 脅し
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「あ、えっと……返さないって?わ、私のだよ」
「知ってるよ」
頭が真っ白になり、訳がわからなくなる。
それなのに、なおも笑顔でいる瀬那君は何者なんだろうか。
「中身、少し読んじゃった。世良ってこういう性格だったんだね」
「なっ……!!」
終わった!
一番聞きたくなかった言葉だ。
「それなら、もう演技する必要もないから、はっきり言わせてもらうけどね、瀬那君こそ“ねじまがった性格”ね!」
思い切り皮肉を込めて言う。
「それじゃあ、俺も演技は止める。お互い疲れるだろ?……世良 咲恋、俺がこの手帳を学校中に広めたら、どうなると思う?」
「……ふんっ!あなたに答える必要はない。」
火花を散らしながら、睨みあう。
私だって、やればできるんだからっ!
なめてもらっちゃ困る!
「……へぇ」
瀬那君は、不敵に笑いながら近づいてくる。
「な、何よ。なんか文句あるわけ?」
強気に言い返すけど、声が震える。
私は、一歩一歩下がっていく。
あれ?待てよ……?
このまま下がると壁にぶつかるんじゃ?
「……ひっ!」
しまった……。
気づくのが一瞬遅かった!
瀬那君はそれを狙ったように、壁に両手をついた。
か、壁ドン……!
これは、超萌える展開!
でも、悔やむべきことが一つ……どうしてこいつに“この”私が、壁ドンされなきゃいけないの!?
あ"あ"、今すぐ呪いの手帳にこの状況について、書きなぐりたい!
いや、ここは冷静にいなくちゃ。
「答えないってことは、学校中に広めていいんだろ?」
「は?誰がそんなこと言った?」
私は、こめかみに青筋が浮き上がるのを感じながら、怒りを耐える。
「じゃあ、広めちゃダメってことか?」
「ふんっ!まぁ……そういうことになるわね」
認めたくなくて、ついつい遠回しに言ってしまう。
「ふ~ん、だったら返すよ」
「えっ!?ありが____」
「その代わりっ」
素直になったと思ったら、なんなのよ!
こいつ、私より裏の顔が酷い。
本当に人間なのかすら、気になる。
もしかしたら、悪魔なのかも?
どっちにしろ関わりたくないのに___!
「俺に絶対服従な」
「はっ!?なっ、なっ!」
いきなりの命令に言葉が出てこない。
はっ!?はっ!?
どういうことよ?!
「そ、そんなこと“はいはい、分かりました”って聞ける訳ないじゃない!バッカじゃないの?」
「そんなこと言っていいのかよ?手帳のこと、学校中に広めるぞ?」
“どうだ?反論できないだろう?”と言わんばかりの顔で私を見下ろす。
「……んぐぐっ!」
壁ドンから、とりあえず逃げよう。
瀬那君の腕の下をくぐろうとすると、足で塞がれる。
「チッ」
瀬那君をキッと睨み付ける。
「退いてよ」
そういうと、さらに私に身体を近づけた。
瀬那君の綺麗な顔が近づき、一瞬だけドキッとした。
「返事は?」
瀬那君は、ニコニコと笑いながら、私の様子を観察している。
いつか、こいつの本性を学校中にばらしてやるんだからっ!
そうなったら、一体どういう反応をするだろう。
興味深いな……。
こうなったら、一旦言うことを聞いてやろうじゃないの!
「いいわよ。女に二言はない。何でもどうぞ?」
言ってやった……!
堂々とねっ!どうよ?
「ククッ、ハハハハッ!言ったな?ホラよ」
私から離れたと思ったら、手帳を放り投げてきた。
「おっと!投げんなよ、バーカ!」
「そういう発言、いいのかよ?屈辱的なこと、指図してやろうか?」
「……んむむむっ!」
悔しい、悔しい!
帰ったら、この手帳の最後のページまでこいつの悪口書いてやるんだからっ!
あー、どうしてこうなった!?
私の手帳を拾った人が、こいつじゃなければ……。
こいつ以外なら誰でも良かった!
もうっ!瀬那君に従って、これからの高校生活どうなっちゃうの?!
「知ってるよ」
頭が真っ白になり、訳がわからなくなる。
それなのに、なおも笑顔でいる瀬那君は何者なんだろうか。
「中身、少し読んじゃった。世良ってこういう性格だったんだね」
「なっ……!!」
終わった!
一番聞きたくなかった言葉だ。
「それなら、もう演技する必要もないから、はっきり言わせてもらうけどね、瀬那君こそ“ねじまがった性格”ね!」
思い切り皮肉を込めて言う。
「それじゃあ、俺も演技は止める。お互い疲れるだろ?……世良 咲恋、俺がこの手帳を学校中に広めたら、どうなると思う?」
「……ふんっ!あなたに答える必要はない。」
火花を散らしながら、睨みあう。
私だって、やればできるんだからっ!
なめてもらっちゃ困る!
「……へぇ」
瀬那君は、不敵に笑いながら近づいてくる。
「な、何よ。なんか文句あるわけ?」
強気に言い返すけど、声が震える。
私は、一歩一歩下がっていく。
あれ?待てよ……?
このまま下がると壁にぶつかるんじゃ?
「……ひっ!」
しまった……。
気づくのが一瞬遅かった!
瀬那君はそれを狙ったように、壁に両手をついた。
か、壁ドン……!
これは、超萌える展開!
でも、悔やむべきことが一つ……どうしてこいつに“この”私が、壁ドンされなきゃいけないの!?
あ"あ"、今すぐ呪いの手帳にこの状況について、書きなぐりたい!
いや、ここは冷静にいなくちゃ。
「答えないってことは、学校中に広めていいんだろ?」
「は?誰がそんなこと言った?」
私は、こめかみに青筋が浮き上がるのを感じながら、怒りを耐える。
「じゃあ、広めちゃダメってことか?」
「ふんっ!まぁ……そういうことになるわね」
認めたくなくて、ついつい遠回しに言ってしまう。
「ふ~ん、だったら返すよ」
「えっ!?ありが____」
「その代わりっ」
素直になったと思ったら、なんなのよ!
こいつ、私より裏の顔が酷い。
本当に人間なのかすら、気になる。
もしかしたら、悪魔なのかも?
どっちにしろ関わりたくないのに___!
「俺に絶対服従な」
「はっ!?なっ、なっ!」
いきなりの命令に言葉が出てこない。
はっ!?はっ!?
どういうことよ?!
「そ、そんなこと“はいはい、分かりました”って聞ける訳ないじゃない!バッカじゃないの?」
「そんなこと言っていいのかよ?手帳のこと、学校中に広めるぞ?」
“どうだ?反論できないだろう?”と言わんばかりの顔で私を見下ろす。
「……んぐぐっ!」
壁ドンから、とりあえず逃げよう。
瀬那君の腕の下をくぐろうとすると、足で塞がれる。
「チッ」
瀬那君をキッと睨み付ける。
「退いてよ」
そういうと、さらに私に身体を近づけた。
瀬那君の綺麗な顔が近づき、一瞬だけドキッとした。
「返事は?」
瀬那君は、ニコニコと笑いながら、私の様子を観察している。
いつか、こいつの本性を学校中にばらしてやるんだからっ!
そうなったら、一体どういう反応をするだろう。
興味深いな……。
こうなったら、一旦言うことを聞いてやろうじゃないの!
「いいわよ。女に二言はない。何でもどうぞ?」
言ってやった……!
堂々とねっ!どうよ?
「ククッ、ハハハハッ!言ったな?ホラよ」
私から離れたと思ったら、手帳を放り投げてきた。
「おっと!投げんなよ、バーカ!」
「そういう発言、いいのかよ?屈辱的なこと、指図してやろうか?」
「……んむむむっ!」
悔しい、悔しい!
帰ったら、この手帳の最後のページまでこいつの悪口書いてやるんだからっ!
あー、どうしてこうなった!?
私の手帳を拾った人が、こいつじゃなければ……。
こいつ以外なら誰でも良かった!
もうっ!瀬那君に従って、これからの高校生活どうなっちゃうの?!
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