俺が白月蒼子を嫌う理由

俺は『天才』を嫌悪する。


11歳の時、自分が「凡人である」と明確に理解した。
きっかけとなったのは、クラスに転校してきた白月蒼子という一人の少女。
彼女が持つ類まれなる才能を目の当たりにした俺は、生まれて初めて『天才』を実感した。
それと同時に、自分は決して『天才』にはなれない。一生凡人のままであるということを理解してしまった。

そんな『天才』を目の当たりにした俺にあったのは、感嘆でも驚愕でも羨望でもなく、

——『嫌悪』だった。


そして、彼女はそんな『天才』に対して強い嫌悪感を抱くようになった俺に、わけもなく付き纏うようになった。


あれから6年。

高校2年生になった俺は未だに彼女に付き纏われていた。

「ねぇ——」

「うるせぇ。話かけんじゃねぇ。天才が感染る」



これは『天才』を嫌悪する凡人と、『凡人』に憧れる天才の物語。
24h.ポイント 0pt
0
小説 192,161 位 / 192,161件 ライト文芸 7,628 位 / 7,628件

あなたにおすすめの小説

白の無才

ユウキ ヨルカ
青春
高校生の羽島悠は『才能』を欲していた。 人は誰しも、何らかの才能を持って生まれてくる。 しかし、自分がどんな才能を持っているのか自覚しているものは少ない。 悠もその一人だった。 悠は自分の才能が何なのか、そんなことを考えながら毎日を過ごしていた。 そんな時、悠のクラスに転入してくるという少女に遭う。 彼女は悠に対し「私は才能が欲しい」と話し出す。 彼らは自分の「才能」を見つけ出すため、共に様々なことに挑戦していく。 ——友情あり、恋愛あり、葛藤ありの青春ストーリー。

これはキセキコレクション!

花泳
青春
特技は自己否定な地味子ちゃんがゴーイングマイウェイ天才俺様(?)男子に捕まりシンデレラみたいになるまでの物語。

J1チームを追放されたおっさん監督は、女子マネと一緒に3部リーグで無双することにしました

寝る犬
ライト文芸
 ある地方の解散された企業サッカー部。  その元選手たちと、熱狂的なファンたちが作る「俺達のサッカークラブ」  沢山の人の努力と、絆、そして少しの幸運で紡ぎだされる、夢の様な物語。 (※ベガルタ仙台のクラブの歴史にインスパイアされて書いています)

もう、いいのです。

千 遊雲
恋愛
婚約者の王子殿下に、好かれていないと分かっていました。 けれど、嫌われていても構わない。そう思い、放置していた私が悪かったのでしょうか?

【取り下げ予定】愛されない妃ですので。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。 国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。 「僕はきみを愛していない」 はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。 『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。 (ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?) そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。 しかも、別の人間になっている? なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。 *年齢制限を18→15に変更しました。

泣いてもω(オメガ) 笑ってもΣ(シグマ)

武者走走九郎or大橋むつお
ライト文芸
 神楽坂高校の俺は、ある日学食に飯を食いに行こうとしたら、数学の堂本が一年の女子をいたぶっているところに出くわしてしまう。数学の堂本は俺にω(オメガ)ってあだ名を付けた意地悪教師だ。  ωってのは、俺の口が、いつもωみたいに口元が笑っているように見えるから付けたんだってさ。  いたぶられてる女子はΣ(シグマ)って堂本に呼ばれてる。顔つきっていうか、口元がΣみたいに不足そうに尖がってるかららしいが、ω同様、ひどい呼び方だ。  俺は、思わず堂本とΣの間に飛び込んでしまった。

深窓のお嬢さまと、黒の語り部

花野はる
ライト文芸
お金持ちのお屋敷で生まれ育ったお嬢さま。 何不自由ない暮らしなのに、そのお嬢様はいつも寂しがっていました。 だんだん元気がなくなって行く娘を心配した両親は、最近街にやって来た語り部の評判を耳にし、屋敷に招くことにしました。

彼の隣に私は似合わない

うさみ
ライト文芸
幼馴染を想い続けること5年。 これからも絶対隣に居続けるんだと思っていた高校1年の私の話。   追記 2019/5/30.矢上恭介sideの『彼女の隣に俺は似合わない』を公開しました。メインはこちらで、追うように更新予定です。