繰り返す、夏の黎明


お互いの名前も顔も、話したことすらない五人の女子大生。

同じ大学の学生であること以外、これといった共通点も無いように思われた彼女たちは、ある夏の日、時を同じくして強烈な睡魔に襲われ意識を失う。

それからしばらくして、彼女たちは鳥も蝉も人間すらも存在しない、たった五人だけの静寂に満ちた夏の世界で目を覚ます。

なぜ、自分たち以外の人間が存在しないのか。
なぜ、自分たちだけがここで目を覚ましたのか。

──そしてなぜ、同じ八月が永遠と繰り返され続けるのか。

一見、何の共通点も無いように思われた少女たち。
そんな彼女たちには、たった一つだけ、誰にも打ち明けることの出来ない共通点があった。


周囲の期待に背いた少女、唯一の友人を裏切った少女、夢を途中で投げ出した少女、一家惨殺事件生き残りの少女……。


彼女たちは、この繰り返される静寂と夏の世界から抜け出すため、決して忘れることのできないそれぞれの”後悔”と向き合っていく──。
24h.ポイント 0pt
0
小説 193,594 位 / 193,594件 ライト文芸 7,658 位 / 7,658件

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

いつか死ぬキミと見た、あの海を。

ユウキ ヨルカ
ライト文芸
 「早く大人になりたい」と願う少年『佐久間七海』は、高校の卒業式当日、誰にも告げることなく一人、鎌倉の街へとやってきた。  そんな風情溢れる鎌倉のとある海岸沿いで、彼は一人の少女に出会う。  「 あたしさ、死に場所を探してるの 」  穏やかな相模湾に囲まれた鎌倉の街で、本来出会うことすらなかった二人が出会い、そして、彼らの人生は大きく動き出す。

バンドRINGERを巡る話①警鐘を鳴らす声

江戸川ばた散歩
ライト文芸
「クロール」「わらう雨」と同じ世界の話。 とある朝、バンド「RINGER」のリーダーでギタリストのケンショーはヴォーカルの「Kちゃん」に逃げられる。 凹んでいた彼の前に高校生バンドのヴォーカル、カナイ君が現れる。 元々ケンショーのファンだった彼。バンドに新たな風は吹くか? と…

ひょんなことから始まるお話

circle。
ライト文芸
『理解してるつもりでも見方を変えるとどうだろう?』 高校生の秦裕一(はたゆういち)は不思議な生物に出会った。 どうやらこの生物の試練を乗り越えられなければ強制的に過去へタイムスリップするらしい。 試練の内容は、怪物の捕獲。 さぁ、どうするかーーー。

記憶味屋

花結まる
ライト文芸
あなたの大切な記憶を味わいに行きませんか。 ふと入った飲み屋に、何故か自分の予約席がある。 メニューもないし、頼んでもないのに、女店主はせっせと何かを作っている。 「お客様への一品はご用意しております。」 不思議に思ったが、出された一品を食べた瞬間、 忘れられない記憶たちが一気に蘇りはじめた。

八月の魔女

いちい汐
ライト文芸
八月一日結《ほずみ ゆい》。17歳。 八月一日と書いて『ほずみ』と読む。 名字も珍しいけど、実は魔女です。 第2回ライト文芸大賞「優秀賞」受賞致しました。ありがとうございます! 高二の結は進路に悩んでいた。 進路志望調査は未だ白紙のまま夏休みに突入し、結は祖母の暮らす田舎へと旅立つ。 祖母で魔女のセツの元で魔女の修行をするために――。 そこで出会ったのは大学生の慧《けい》。 なにやらワケアリ? 懐かしくも美しい田園風景。 魔法、妖精、それに幽霊?! 様々な人たちと出会い、やがて結は自分の未来を見つけていく。 ※ブラウザで読みやすいよう次下げをせず、改行や空行を多く取り入れています。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

あの日見た空の色も青かった

木立 花音
現代文学
 あの日、あの海、生きる意味を教えてくれたのは彼女だった──  多くの死者がでる重大なバス事故を起こした青年、逢坂部賢悟(おおさかべけんご)  彼は静養のため全てのものを捨て、静養のため岩手県宮古市にある景勝地、浄土ヶ浜(じょうどがはま)を訪れる。  その地で彼は、白木沢帆夏(しらきさわほのか)と名乗る女子大生と出会った。彼女の母方の実家が営んでいるという民宿で滞在期間を過ごしているうちに、次第に彼女に惹かれていく自分に気がつく。  やがて恋に落ちる二人。だが、重大な事故を起こしたという重苦しい過去が、罪の十字架となって彼の肩にのしかかる。 「二年だけ、待って欲しい」  悩み抜いた末に結論をだした翌日。彼は、白木沢帆夏の驚愕の真実に触れる──。 ※表紙絵はいぬちよ様からの頂きものです。 ※「景勝地 浄土ヶ浜」の挿絵はファル様。「告白」の挿絵は騰成から頂いたファンアートです。ありがとうございました。

処理中です...