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4.異世界で女神様と町づくりしませんか?
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「女神様なのに知らないの?」
「実はこの世界、貰った世界なので私もよく知らないんです」
話によると、女神一人一人に一つの世界を渡される。
俺が元々いた世界は絶対神と言う女神様たちの社長さんの世界。
それだけあって、優遇されることが多いみたいだ。
それでこっちの世界はどうかと言うと、まったくの不明。
女神さまも初めて来たみたいでよく知らないみたい。
「一応力は使えますけど……」
「それだとつまらないと」
「はい!」
はい!じゃないでしょう。
全く知らない世界で町づくりなんて難しすぎるぞ!
「でも調べたりすることはしますよ!真司の助手だと思ってください!」
「あ、てっきり俺が助手だと思ったよ」
てっきり手伝うために呼び出されたと思ったよ。
でも俺がつくるのか。
「まあ作るにしても、ここを出ないとな」
「そうですね。少し調べてみますか?」
「何を?」
「出口はどこにあるのかをです」
そう言うと一冊の本を取り出した。
「それは何?」
「これはこの世界についての本です。何も知らないとサポートができないので」
いっそその本が欲しい。
というのは言わずに飲み込んだ。
「出口はこちらのようです」
俺はメリアについて行った。
ついて行くとやがて日の光が見えてきた。
「今度は森?」
「のようですね……」
全然人の気配がない。
まあいきなり出会えるとは思ってはないかったけど。
「どうでしょうか?ここに町をつくりませんか?」
「ここで!?何をバカなことを――」
いや待てよ?
俺たちは今、家もお金も何もない。
ただ可愛い女神様がいるだけだ。
「何か失礼なこと考えてない?」
「そんなことないよ?」
勘が鋭いな。
それは置いておき、今の俺たちは住む場所がない。
家をつくるにも、そんなにすぐにできるわけでもない。
メリアはともかく、俺は右も左も分からない素人だ。
そんな俺たちの近くに洞窟がある。
雨宿りもできれば寝ることもできる。
それに家の材料になる木なんてそこら中にあるんだ。
ここに町をつくるのはいいのではないか?
「メリアの提案に乗ろう。ここに俺たちの町をつくろうか!」
「ではそうしましょう!何をすればいいんですか?」
「そうだなあ、まずは……」
まず自分たちの家が欲しい。
家をつくるためにはまず場所をつくらないといけない。
「ちなみにだけど、メリアは家をつくる方法って知っているの?」
「この本に大体載っています!」
「そ、そうか……」
やっぱその本が欲しいな。
自分で見たほうが早そうだけど、なんか頼りにしてそうにしているから言わないでおこう。
「まずはだけど、家を建てる場所をつくろうかと」
「場所、ですか?」
「ああ。それと一緒に木を加工して家の材料にしよう」
とは言ったものの、道具がない。
さっそく詰み掛けている。
「ではここは私に任せて!」
「えっ?」
そう言うと、一本の木の上に飛んでいった。
何か魔法を唱えようとしていた。
「光の紐!えいっ!」
光の紐が出てくると、数本気に向かって投げた。
きれいに気に絡みつくと、それを引っ張り出した。
「よいしょー!」
すると、木は根っこごと取れて宙に浮き始めた。
「えー……」
「どう?こんな感じでいいかな?」
「そんな感じだけど、それを何回も繰り返すよ?」
「お安い御用だよ!」
元気に何本も抜いて行った。
出来ることなら手伝ってあげたいけど、俺にそんな力はない。
「ねぇー!俺にもそれ使えるようにならないのー?」
「練習すればできると思いますよー!」
練習かあ。
これからは二人で町をつくっていく。
それならぜひ覚えたい魔法だな。
まず家が一軒出来たら教えてもらおう。
そんなことを考えている間にメリアは何本も木を抜いていた。
そして家をつくるには十分なスペースと木が集まった。
「あとは建てるだけですね!」
「ペースが早すぎるよ……」
正直これは数日かけてやるつもりだった。
それが一時間もかからずに終わってしまった。
初日から予想外なことが起きている。
「建てるだけって言うけど、それが一番難しいんじゃないのか?」
「そうですね。建てやすいように且つ頑丈にするために木を加工しないといけませんね」
今度こそは時間がかかるだろう。
木を切って、立てて、はめていく。
釘とかはないし、組み合わせで建てていくしかなさそうだ。
そうなるとさらに時間がかかりそう。
「ふむふむ、そういうことですか」
「何読んでいるの?」
「家の作り方です!」
それもうカンニングじゃない?
でも頼りになるからバンバン使ってほしい。
「じゃあまずは加工しますね」
手を開くと光の輪が出てきた。
輪が木に当たると、木は綺麗に切れていった。
すげえ、一人で何でもできちゃうじゃん。
って俺必要なくね!?
「俺要らなくない?」
「そんなことないですよ?私はあくまでもサポート役なので」
サポートの域超えていますよ!
でも正直助かっているので言わないけど。
「よし!あとは組み立てるだけですね」
また光の紐を出すと、次々に組み立てていった。
段々形になっていき、家となった。
「出来ました!初めての家の完成です!」
初めての家は1時間ぐらいで完成してしまった。
「実はこの世界、貰った世界なので私もよく知らないんです」
話によると、女神一人一人に一つの世界を渡される。
俺が元々いた世界は絶対神と言う女神様たちの社長さんの世界。
それだけあって、優遇されることが多いみたいだ。
それでこっちの世界はどうかと言うと、まったくの不明。
女神さまも初めて来たみたいでよく知らないみたい。
「一応力は使えますけど……」
「それだとつまらないと」
「はい!」
はい!じゃないでしょう。
全く知らない世界で町づくりなんて難しすぎるぞ!
「でも調べたりすることはしますよ!真司の助手だと思ってください!」
「あ、てっきり俺が助手だと思ったよ」
てっきり手伝うために呼び出されたと思ったよ。
でも俺がつくるのか。
「まあ作るにしても、ここを出ないとな」
「そうですね。少し調べてみますか?」
「何を?」
「出口はどこにあるのかをです」
そう言うと一冊の本を取り出した。
「それは何?」
「これはこの世界についての本です。何も知らないとサポートができないので」
いっそその本が欲しい。
というのは言わずに飲み込んだ。
「出口はこちらのようです」
俺はメリアについて行った。
ついて行くとやがて日の光が見えてきた。
「今度は森?」
「のようですね……」
全然人の気配がない。
まあいきなり出会えるとは思ってはないかったけど。
「どうでしょうか?ここに町をつくりませんか?」
「ここで!?何をバカなことを――」
いや待てよ?
俺たちは今、家もお金も何もない。
ただ可愛い女神様がいるだけだ。
「何か失礼なこと考えてない?」
「そんなことないよ?」
勘が鋭いな。
それは置いておき、今の俺たちは住む場所がない。
家をつくるにも、そんなにすぐにできるわけでもない。
メリアはともかく、俺は右も左も分からない素人だ。
そんな俺たちの近くに洞窟がある。
雨宿りもできれば寝ることもできる。
それに家の材料になる木なんてそこら中にあるんだ。
ここに町をつくるのはいいのではないか?
「メリアの提案に乗ろう。ここに俺たちの町をつくろうか!」
「ではそうしましょう!何をすればいいんですか?」
「そうだなあ、まずは……」
まず自分たちの家が欲しい。
家をつくるためにはまず場所をつくらないといけない。
「ちなみにだけど、メリアは家をつくる方法って知っているの?」
「この本に大体載っています!」
「そ、そうか……」
やっぱその本が欲しいな。
自分で見たほうが早そうだけど、なんか頼りにしてそうにしているから言わないでおこう。
「まずはだけど、家を建てる場所をつくろうかと」
「場所、ですか?」
「ああ。それと一緒に木を加工して家の材料にしよう」
とは言ったものの、道具がない。
さっそく詰み掛けている。
「ではここは私に任せて!」
「えっ?」
そう言うと、一本の木の上に飛んでいった。
何か魔法を唱えようとしていた。
「光の紐!えいっ!」
光の紐が出てくると、数本気に向かって投げた。
きれいに気に絡みつくと、それを引っ張り出した。
「よいしょー!」
すると、木は根っこごと取れて宙に浮き始めた。
「えー……」
「どう?こんな感じでいいかな?」
「そんな感じだけど、それを何回も繰り返すよ?」
「お安い御用だよ!」
元気に何本も抜いて行った。
出来ることなら手伝ってあげたいけど、俺にそんな力はない。
「ねぇー!俺にもそれ使えるようにならないのー?」
「練習すればできると思いますよー!」
練習かあ。
これからは二人で町をつくっていく。
それならぜひ覚えたい魔法だな。
まず家が一軒出来たら教えてもらおう。
そんなことを考えている間にメリアは何本も木を抜いていた。
そして家をつくるには十分なスペースと木が集まった。
「あとは建てるだけですね!」
「ペースが早すぎるよ……」
正直これは数日かけてやるつもりだった。
それが一時間もかからずに終わってしまった。
初日から予想外なことが起きている。
「建てるだけって言うけど、それが一番難しいんじゃないのか?」
「そうですね。建てやすいように且つ頑丈にするために木を加工しないといけませんね」
今度こそは時間がかかるだろう。
木を切って、立てて、はめていく。
釘とかはないし、組み合わせで建てていくしかなさそうだ。
そうなるとさらに時間がかかりそう。
「ふむふむ、そういうことですか」
「何読んでいるの?」
「家の作り方です!」
それもうカンニングじゃない?
でも頼りになるからバンバン使ってほしい。
「じゃあまずは加工しますね」
手を開くと光の輪が出てきた。
輪が木に当たると、木は綺麗に切れていった。
すげえ、一人で何でもできちゃうじゃん。
って俺必要なくね!?
「俺要らなくない?」
「そんなことないですよ?私はあくまでもサポート役なので」
サポートの域超えていますよ!
でも正直助かっているので言わないけど。
「よし!あとは組み立てるだけですね」
また光の紐を出すと、次々に組み立てていった。
段々形になっていき、家となった。
「出来ました!初めての家の完成です!」
初めての家は1時間ぐらいで完成してしまった。
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